今回おすすめするワインはこちら。
北イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州をイタリアNo.1白ワイン産地と評されるまでに高めた造り手「イエルマン/Jermann」を代表する一本。
イエルマンのワインは「トラミネール・アロマティコ/Traminer Aromatico」に続いて2本目のご紹介です。
シャルドネ97%で造られるこの「ワー・ドリームス/WERE DREAMS」は、イエルマンの名を世界に知らしめた記念碑的キュヴェであり、イタリア白ワインの最高峰の一本です。
初めて飲んだ際、シャルドネ100%のような紹介だったのですが、テイスティング時に「これは単品種ではないな」と疑い調べた記憶があります。残り3%の使用品種は非公開であり、毎年変わるらしいのですが、個人的にはその辺りも魅力のひとつとなっています。
イエルマンのワイン造りの哲学は「常に最良の品質を造る」こと。「豊かなアロマを持ち、より近代的な味わいで強い個性を表現し、飲んだ人を魅了させるワインを造りたい」と語っています。
ワー・ドリームスは、U2のアルバム「The Joshua Tree」収録の「名もなき通り/Where the Streets Have No Name」にインスピレーションを受け、ブルゴーニュ最高峰の白ワイン「モンラッシェ/montrachet」をイメージして造られました。その名称には「Where Dreams can happen/夢はどこから生まれるのか」というメッセージが込められています。ラベルに添えられたメッセージは、これまで幾度か変更されており、現在は「Were Dreams, have no end」「all with you」となっています。
栽培は、化学薬品や農薬を使用しない有機農法を採用し、肥料もオーガニックなものを使用。熟成には通常用いられる225リットルのバリック(樽)ではなく、オーストリアで伝統的に使っている300リットルの樽が使用されています。シャルドネは国際品種ではありますが、テロワールが見事に表現された、クリアで洗練された味わいとなっています。
イエルマンでは2000年からスクリューキャップによる品質保持や熟成研究を行なっており、その成果をマーケットに対して啓蒙しています。例えばこのワー・ドリームスは日本以外ではスクリューキャップで販売しています。
本サイトでは、スクリューキャップのメリットは認めつつも、コルクが好まれる理由を表層的価値観ではなく、身体意識の観点から研究を進めておりますので、イエルマンの研究結果には非常に関心があります。「安っぽくない」ということ以上の理由がコルクにあるのかないのか。全く同じワインをコルク/合成コルク/ガラス栓/スクリューキャップで熟成させ比較するとどうなるのか。興味深いところですよね。ワイン瓶の形状やラベルの有無、デザインの違いによる味わいの変化についても研究中です。
さて、このワー・ドリームスですが、よく熟した洋梨、トロピカルフルーツの香り、シトラス、ハーブ、バター、ブリオッシュなどのニュアンスがあります。味わいは、厚みのある自然な果実味と柔らかな酸、豊かなミネラルが感じられ、それらが見事に調和しています。クリアでスッキリとした洗練された印象で、まったりとなりきらないキレもあります。太陽の光を受けた清涼な水が、豊かな大地へ染み入っていくかのような余韻へと続きます。食事と合わせて何度でも飲みたくなる素晴らしいワインです。
特徴的な身体意識は、センター(中径軸・下ロート軸)、中丹田、スライサー、ガイアのクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、中径軸が天地に抜け通っています。胸から下には、下側が広がっている大径軸、下ロート軸が通っており、水と大地との繋がりを感じさせます。また、頭部の高さには中径軸に対して斜めに入ってくる面状の身体意識があり、頭部へ降り注ぐ天性のクオリティを持つシャワーと中径軸へまとわりつくように入ってくるガイアのクオリティをロートのように中心へ集めています。以前ご紹介させていただいた同じイエルマンが造る「トラミネール・アロマティコ/Traminer Aromatico」には上ロート軸が形成されていたので、この身体意識も熟成とともに上ロート軸へと変化していくことが予測されます。現時点で細径軸は感じられませんが、このように中心に集まってくる満足感を作りつつ、中心に隙間を空けることにより料理と合わせやすくなっています。
側頭部には風車のようなモビリティを持つ身体意識が形成されており、そこへセンター系の身体意識が入ってきています。上丹田と上丹軸のような関係に近いのですが、珍しい身体意識です。何らかの設備やテロワールからの影響でしょうか。
肋骨上部には天性のクオリティを持つスライサーが形成されており、味わいへ切れ味を与えています。
中丹田は二重構造になっており、そこへ太陽からの熱性身体意識が入り込んで来ています。それらと中丹田を囲うように形成されている下ロート軸の影響で、味わいへ、あたかも太陽の光を受けた清涼な水が、豊かな大地へ染み入っていくかのような余韻を生み出しています。
このように身体意識から観ると、個性的な魅力がありつつも、テロワールからの影響がよく反映されたワインであることが分かります。良質なクオリティがモビリティへと変換されていくような自然さ、降り注ぐ清涼なシャワーと生命力を上から集め、それらが美しい太陽の光を浴びて、やがて大地へと染み入っていく、というゆったりとした時間の流れと豊かな自然の循環を追体験させてくれる素晴らしいワインです。
この造り手の他のワインとしては、複数の土着品種をブレンドして造られる
カポ マルティーノ イン ルッタリス/Capo Martino In Ruttaris
※葡萄品種
フリウラーノ、リボッラジャッラ、マルヴァジア、ピコリット
や、
国際品種と土着品種のブレンドで造られる
ヴィンテージ トゥニーナ/Vintage Tunina Jermann
※葡萄品種
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、リボッラ・ジャッラ、マルヴァジア・イストリアーナ、ピコリット
もおすすめです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を『イタリア随一の白ワインの産地』『現代イタリア白ワインの聖地』と評されるまでに高めた造り手、イエルマン。「豊かなアロマを持ち、より近代的な味わいで強い個性を表現し、飲んだ人を魅了させるワインを造りたい。」という信念のもと生み出される洗練されたワインは、国内外で圧倒的な支持を得ています。
是非この機会に、イタリアを代表する白ワインの名手の実力をご堪能ください。
■北イタリア白ワインの名手。
伝統とモダンが融合する、洗練されたワイン造り。
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を『イタリア随一の白ワインの産地』、また『現代イタリア白ワインの聖地』と評されるまでに高めた造り手、イエルマン。フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州は北をオーストリア、東はスロヴェニアと国境を接する地。中でもスロヴェニア国境近くのゴリツィアという地域は、オーストリアに帰属していた時代から白ワインの産地として名高く、いまでも高品質な白ワインを多く産出しています。イエルマンはそのゴリツィアのヴィラノーヴァという村に150haの畑を有し、本拠地を構えています。
イエルマン家は1881年にオーストリアから移住し、すぐにこの地でワイン造りを始めました。イエルマンのワインが世界各地で絶賛されるように導いた立役者は、現在の4代目当主シルヴィオ・イエルマン氏。シルヴィオ氏がコネリアーノにある醸造大学で勉学に励んでいた1960年代後半は、「アルコール度数が高く、重たいだけのワイン」が主流でした。それに反発したシルヴィオ氏は、「豊かなアロマを持ち、より近代的な味わいで強い個性を表現し、飲んだ人を魅了させるワインを造りたい。」という夢を掲げます。このような信念のもと、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の造り手として当時より著名であったマリオ・スキオペット氏の教えを受けるなど知識と腕を磨き、世界的に人気のある国際品種の使用にも積極的に取り組みました。その努力により、それまでは近郊の住民に売るのみであったイエルマンのワインを、一躍世界レベルまで押し上げることに成功したのです。
■伝統的な製法と、シルヴィオ・イエルマン氏の センス溢れる革新が融合したイタリアワイン史に残る銘品の数々。
イエルマンを代表するワインは、シャルドネという国際品種を使用しバリック熟成という当時では革新的な方法を用いて造られた、記念碑的作品「ワー・ドリームス」。また、イタリアで最も権威のあるワイン評価誌、ガンベロ・ロッソや伊ソムリエ協会が主催するコンペティション、オスカー・デル・ヴィーノにて「イタリアの白ワイン年間No.1」に選ばれた実績を持つ「ヴィンテージ・トゥニーナ」などがあります。
ワー・ドリームスに代表されるようにモダンなイメージが先行するイエルマンですが、ひとつひとつのワインを味わうと、モダンなだけではなく、伝統的手法と土着品種に重きを置いたワイン造りが行われていることがよく分かります。また、どのワインからもシルヴィオ氏の土地への愛着と、先祖への尊敬が感じられます。イエルマンが持つ最大の魅力は、伝統的な製法と、シルヴィオ氏の抜群のセンスと革新が融合したスタイルであると言えるでしょう。香りや味わいが主張しすぎない、クリアで洗練されたエレガント・モダンなテイストは、まさしくフードフレンドリーでどんな料理ともマッチします。
■ ワー・ドリームス
イエルマンの名を世界に知らしめた、 記念碑的キュヴェ。 夢のようなひとときをもたらす極上のシャルドネ。
ワイナリーの記念碑的作品となり、今なおイタリア白ワインの最高峰として高い評価を受け続けているのがこちらのワー・ドリームス。ブルゴーニュ最高峰の白ワインである「モンラッシェ」をイメージしたというその味わいは見事に成功をおさめ、イエルマンの名を一躍世界の舞台へ押し上げました。
熟成したトロピカルフルーツやブリオッシュなどの濃厚かつ甘美なアロマ。桃やアプリコットを感じさせる風味が口の中でまろやかに広がり、厚みのある果実味と柔らかな酸味が絶妙に調和します。クリアで洗練されたモダンなテイストにふっくらとした余韻が驚くほど長く続き、ワー・ドリームスという名前の通り、まさに夢のようなひとときをもたらしてくれる極上の逸品です。
■ ヴィンテージ・トゥニーナ
国際品種と土着品種の織りなす絶妙なスタイル。 「イタリア年間No.1白ワイン」に選出された、 エキゾチックな雰囲気の神秘的な味わい。
ヴィンテージ・トゥニーナは、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランという国際品種に、マルヴァジア、ピコリット、リボッラ・ジャッラといった土着品種をブレンドしたワイン。5種類の異なるブドウが溶け合った絶妙なスタイルが高い評価を受け、1997年ヴィンテージは、イタリアの権威あるワイン評価誌、ガンベロ・ロッソと、伊ソムリエ協会が主催するオスカー・デル・ヴィーノの両方で「イタリア年間No.1白ワイン」にも選出されました。
リンゴや白桃などの果実のアロマに、花やハチミツなどのニュアンス。華やかな香りがグラスから広がっていきます。豊富な果実味とフレッシュな酸味が感じられ、クリーミーでミネラル溢れる味わい。レモンキャンディーやトーストなどの甘く芳しい風味とともに、心地良い余韻に包まれます。芳醇でエレガンスを備えた仕上がりです。
■ カポ・マルティーノ
フリウリのテロワールを体現した1本。 土着品種を巧みにブレンドした、 イエルマンの最上級キュヴェ。
イエルマンのワインと言えば、ワー・ドリームス、ヴィンテージ・トゥニーナが目立ちますが、真のトップワインはこちら。1991年、4代に渡り受け継がれてきたワイナリーの110周年を記念し、トカイ・フリウラーノ、ピノ・ビアンコ、マルヴァジア、リボッラ・ジャッラ、ピコリットという、コッリオの地を象徴する土着品種のみで造られました。5つの土着品種を巧みにブレンドしたその味わいは世界市場でも高く評価され、2010年ヴィンテージはガンベロ・ロッソにて最高評価のトレ・ビッキエリを獲得しています。
グラスに注いだ途端に、熟したリンゴやバナナなどのフルーツと白い花々、そして甘みあるバニラのアロマが広がります。口当たりは非常に滑らかで、ヘーゼルナッツの芳醇なニュアンスを感じる味わい。凝縮した果実味と程よい酸味が複雑に混ざり合い、長い余韻も印象的な仕上がりです。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=99
生産者の情報
https://www.jermann.it
名称 | イエルマン ワー・ドリームス |
英字表記 |
Jermann WERE DREAMS
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生産者 | イエルマン/Jermann |
国・産地 |
イタリア・フリウリ ヴェネツィア ジュリア
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セパージュ【葡萄の品種】 |
シャルドネ97% その他非公開
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2016 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 白 |
STポイント※1 | 90 |
クラス※2 | スペシャルクラス |
抜栓 | 2019/08 |