【総支配人 ワインバトル 第9回】
場所:関東某イタリア料理店
内容:「極意注ぎ」によりワインのポテンシャルを引き出す
総支配人
師範、本日はこのような遠方までご足労いただきありがとうございます。
高岡師範
おう!楽しみだな。
10年前から誘われていたが、このタイミングで行くのもいいかと思ってな。諦めずに誘い続けたお前の勝ちだよ笑
総支配人
ありがとうございます!
最高の料理とワインを用意しております。
シェフ
よろしくお願いいたします。
高岡師範
こちらこそ!
(両手で握手をしながら)
いやー柔らかい手ですね。一流の料理人は皆さん柔らかいんですよ。会う前から分かっていましたけどね笑
シェフ
緊張して力が入らないのかなぁ笑
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高岡師範
どれも美味しい料理とワインで素晴らしいな。
総支配人
そう言っていただけると嬉しいです。
最後のワインはこちらです。
■ベルターニ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ 1975/ Amarone della Valpolicella Classico Bertani 1975
総支配人
師範、テイスティングをお願いいたします。
高岡師範
いーい香りだ。状態も素晴らしい。保存状態が良いと漆喰の壁が立つよつな香りになる。
良質な、ね。
本当に状態の良い古酒は必ずこうなる。
先ほどのキャンティ※はその手前、水の中の浮遊性の水草のような、構造ができる。それがさらに進むと、スルンと高い物を塗ったような構造、漆喰の壁のようになってくるんだよね。
※ フォントディ キャンティ・クラシコ リゼルヴァ ヴィーニャ・デル・ソルボ 2001/Chianti Classico RISERVA Vigna del Sorbo Azienda Agricola Fontodi 2001
このくらいのワインになると口の中でクチュクチュとか全然したくないね。
シェフね。素晴らしい保存状態。理想的です。
シェフ
ありがとうございます。
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高岡師範
(時間が経って)
漆喰の壁に閉じ込められたパワーが解放されるかのよう。
総支配人
かなり開いてきましたね。内側から広がっていくような身体意識を感じます。
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総支配人
高岡師範、このアマローネの真のポテンシャルを引き出すために、ぜひ注いでいただけないでしょうか?
高岡師範
俺か?いいよ。
高岡師範
この子の持つ本当の力が現れそう。まだ現れていないが。まるで植物ではないような。
高岡師範
(少し経って)
本当の力が現れてきた。植物とは思えない、いい具合の、まるで肉のような香り。素晴らしい熟成を経たアマローネだね。
総支配人
このような香りになるのですね。
初めての体験です。。
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同じワインでここまで違うとは。。。
やはり野沢温泉村でもそうだったが、ポテンシャルのあるワインほど気を欲しがっており、その気が良質なものであるほど、真の力を現してくれるのだな。それほどまでに注ぐという行為は重要だということが再認識できたことも収穫だったな。
そしてその前提としてのワインの保存状態と素晴らしい料理。
シェフ、ありがとう。
おれの精神テンションは今!
貧民時代にもどっているッ!