今回おすすめするワインはこちら。
北海道の中でもトップレベルの実力と安定感を持つ、山崎ワイナリーのワイン。今回はソーヴニョンブラン フォレストのご紹介です。
このソーヴニョンブランは、北海道、延いては日本のソーヴニョンブランを牽引するポテンシャルを秘めた一本と言えます。
同じ造り手のワインを別の記事で紹介するのは出来るだけ避けようとはしているのですが、本サイトコンシェルジュのたっての希望により掲載することにしました。ちなみに山崎ワイナリーの記事は4つ目です笑
日本ワインを飲む機会は多いのですが、2020年1月現在、このサイトへ掲載できるレベルのものが殆んどありせん。もちろん、まだ取り上げていないものの中にも素晴らしいワインはあるのですが、販売ルートが限られているため、購入が難しく、価格も高騰しています。そのような理由から掲載を見送っているワインもあることをお伝えしておきます。
そんな総支配人が選ぶ、現時点で最高峰の日本ワインは、
シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー シグナチャー/Château Mercian Kikyogahara Merlot Signature
長野県塩尻市桔梗ヶ原地区
メルロー100%
シャトー・メルシャン 椀子 オムニス/Château Mercian Mariko Omnis
長野県上田市 椀子(マリコ)ヴィンヤード
メルロー42%、カベルネ・フラン40%、カベルネ・ソーヴィニヨン18% (2015 セパージュ)
の2本です。
これらのワイン、特に桔梗ヶ原メルローについては、トップレベルのボルドーワイン、メドック格付けでいえば2級、例えばサン・ジュリアンの「シャトー・レオヴィル・ポワフェレ/Chateau Leoville-Poyferre」のレベルに匹敵します。高岡師範ともその話で盛り上がりました。グラスが空いたあとの香りから感じられるポテンシャルですら、他の日本ワインを圧倒しています。いずれ日本ワインについても、もう少し深く取り上げたいと思います。
山崎ワイナリーについての詳細ですが、以前の記事を参照していただければと思います。
さてこのソーヴニョンブラン フォレストですが、若い樹齢ながら素晴らしいポテンシャルを感じさせます。難点は、飲むタイミングによりかなり閉じてしまっている場合があること。ですが、上手くタイミングが合うと素晴らしい味わいと身体意識を体験させてくれます。
爽やかで冷涼な柑橘系果実の香り、静かな南国系果実のニュアンス。爽やかかつ落ち着きのある香りです。味わいは、早朝の森の朝露のような繊細で複雑なニュアンスがあり、森の木々の新芽から落ちてきた朝露を飲んでいるかのようです。樹齢の若さゆえの美味しさがあり、樹齢が高くなった時への期待感をもたらしています。天才児が今後どう育つのか、という期待感と似ています。
朝露といえば、以前ご紹介させていただいた「紫鈴/rindo」「明日香/asuka」を造るワイナリー「ケンゾーエステート/KENZO ESTATE WINERY」が造る白ワイン「あさつゆ/asatsuyu」も素晴らしいワインですが、飲んだ印象は、眩しく輝ける朝日が美しく朝露を照らしているかのような感じであり、全く別の美味しさです。同じ朝露を感じさせるワインでも、方向性の違いが面白いですよね。
ソーヴニョンブラン フォレストの特徴的な身体意識は、センター(細径軸・大径軸)、サイド・センター(第2側軸)、天性のクオリティを持つシャワー、中丹田、温球、心田・心田流、ガイアのクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と大径軸が通っています。大径軸の上部はロート状になっており、そこへガイアのクオリティが葉を伝う朝露のように入り込んできています。
大径軸の周囲には天性のクオリティを持つ流れが天から降りてきており、大径軸とその流れの間にもガイアのクオリティが入り込んできています。朝露が時間差を持って流れ落ちる感じが近いでしょうか。
頭部には、左右方向に広く天性のクオリティを持つ霧のようなシャワーが静かに降り注いでいます。この身体意識は、同じ山崎ワイナリーの「シャルドネ プライベートリザーブ/CHARDONNAY Private Reserve」にも見られたものです。
天性のクオリティを持つサイド・センターは、第2側軸が首の高さから脚下まで通っています。
中丹田は、上方向に広い形状で形成されています。ワインが開いてくると、その周囲に温球も生まれてきます。
心田・心田流は天性のクオリティを持ち、静かに入ってきています。この身体意識も「シャルドネ プライベートリザーブ/CHARDONNAY Private Reserve」に見られましたが、北海道の秋から冬にかけての清々しさを感じさせます。
このように身体意識から観ると、爽やかかつ落ち着きのある香りや若々しい美味しさ、早朝の森の木々の新芽から落ちてきた朝露を飲んでいるかのような味わいを生み出している本質がよく理解できます。
北海道のテロワールを反映し、日本のソーヴニョンブランの未来の方向性を示す素晴らしい一本です。
ちなみに本サイトのコンシェルジュは、このワインに対して90点以上をつけないことに憤慨していました笑
コンシェルジュ採点では150点だということです。(一応100点満点なんですが。。)
コンシェルジュの選ぶ白ワイントップ3は、
本サイトでも紹介している、料理とのマリアージュの観点では世界最高峰の「ボデガ・コンタドール ケ ボニート カカレアバ/Qué bonito cacareaba Bodega contador」
「アルザスのロマネ・コンティ」と称される辛口リースリングの最高峰「トリンバック リースリング クロ・サン・テューヌ/Trimbach Riesling Clos Ste Hune」
そしてこの「山崎ワイナリー ソーヴニョンブラン フォレスト/Yamazaki Winery SAUVIGNON BLANC forest」だそうです。
どれも素晴らしいワインですね。
山崎ワイナリー シャルドネ プライベートリザーブ/YAMAZAKI WINERY CHARDONNAY Private Reserve 〜おすすめワインリスト〜
山崎ワイナリー ピノ・ノワール ブルーラベル/YAMAZAKI WINERY PINOT NOIR Blue Label 〜おすすめワインリスト〜
一般的な味わいなどの詳細は、生産者WEBサイトより抜粋します。
《私たち家族は北海道のこの地で4代に渡り農作業に従事しています。地域農業・農村に基盤を置き、常に技術革新、農産物の高付加価値化、農家の自立を意識してきた結果としてワイナリー事業の設立に夢を抱いてきました。
人々がワイナリーに集い達布地域の素晴らしい自然や美味しい農産物、地域文化に触れ農村生活を楽しみ交流を深めることで、皆様とともにワイナリーから地域の新しい農業文化を形成していきたいと考えています。
さらに今まで農産物の品質にこだわりを持ってきたように、ワインにおいても少量ながら質の高いワイン造りを目指していきたいと考えています。
地下30cmの海
突然ではありますが、白亜紀の次の次、新第三紀の時代の地層にYAMAZAKI WINERYの葡萄畑があります。
文献によると、追分層(※1)を峰延層(※2)が不整合に覆う格好になっており、
どちらの地層からも貝化石を産出するのが特徴だそうです。
ということで、掘ってみました。
※1追分層
達布山の西方に分布しており、常緑灰色〜暗い緑色のシルト岩を主とし、細粒砂岩と互層する。シルト岩は乾燥すると黄褐色〜淡黄白色〜白色になる。貝化石を産出する。
時代:新第三紀 環境:海成
※2峰延層
追分層の上位の地層で、主として細粒砂岩からなり、凝灰岩層を挟んでいる。タカハシホタテ・キリガイダマシなどを主とする貝化石を産出する。
時代:新第三紀 環境:海成
掘ること3分、30cmほど掘るとボロボロと砕ける層に到達し、貝化石を発見しました。
本当はもっと掘って色々探したかったのですが、なんだかゆっくり眠っているところを起こしてしまうような気がして、そっと埋め戻しておきました。火打石のような乾いた匂いがしたのが、とても印象的でした。
博物館や図鑑で見た大昔の海の中の世界が、実際にこの場所でそうした時間があったのだと実感し、そうした時間の上に、葡萄を植え、そうした時間の上を、歩いているのだなと思いました。
KERNER 2018
グリーンがかった色調。
品種特有の白い花や柑橘系果実の華やかな香り。
果実味とスパイスを感じる複雑な味わい。
日本刀を思わせる切れ味鋭い硬いミネラルが特徴のケルナー。
葡萄栽培地:北海道三笠市達布807番地
使用葡萄品種:ケルナー
樹齢:18年
醸造:スキンコンタクト、低温醗酵
CHARDONNAY 2017
黄色がかった色調。
柑橘系果実や花の爽やかな香りと、ほのかな樽のニュアンス。
冷涼な土地を感じられる凛とした味わい。
ミネラル豊かな酸味が余韻を引き締めるシャルドネ。
葡萄栽培地:北海道三笠市達布791-22番地
使用葡萄品種:シャルドネ
樹齢:5年
醸造:ホールプレス、低温醗酵、樽熟成
SAUVIGNON BLANC FOREST 2017
麦わらのような色調。
柑橘系果実と南国系果実の複雑な香り。
複雑な果実味と爽快な余韻。
夕日をたっぷりと浴びて育ったソーヴィニヨンブラン。
葡萄栽培地:北海道三笠市達布791-22番地
使用葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン
樹齢:7年
醸造:ホールプレス、樽醗酵、樽熟成
SAUVIGNON BLANC FOREST 2018
Alc:13.0%
麦わらのような色調。柑橘系果実や南国系果実の複雑で濃厚な香り。
よく熟したコクのある果実味と複雑な余韻。達布の気候風土を表現したソーヴィニヨンブラン。
※本年度は500本のみの販売
葡萄栽培地:北海道三笠市達布791-22番地
使用葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン
樹齢:8年
醸造:ホールプレス、樽醗酵》
※《》内は生産者WEBサイトより
http://www.yamazaki-winery.co.jp/
生産者の情報
http://www.yamazaki-winery.co.
名称 | 山崎ワイナリー ソーヴニョンブラン フォレスト |
英字表記 | YAMAZAKI WINERY SAUVIGNON BLANC FOREST |
生産者 | 山崎ワイナリー |
国・産地 | 日本・北海道 三笠 |
セパージュ【葡萄の品種】 | ソーヴニョンブラン100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2017 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 白 |
STポイント※1 | 89 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 2019/08 |