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クラシックなシャブリを造る最高峰の造り手「ヴァンサン・ドーヴィサ/Vincent Dauvissat」が手掛ける一本。シャブリ地区に留まらず、ブルゴーニュ全体でも圧倒的な存在感を示している、ワールドクラスの造り手です。
ヴァンサン・ドーヴィサは、同じシャブリ地区のもうひとりの最高峰の造り手「ドメーヌ・フランソワ・ラヴノー/Domaine Francois Raveneau」と親戚関係にあたります。親戚にワールドクラスが2人もいるなんて凄い状況ですよね笑
ワイン名にある「ヴァイヨン/Vaillons」とは、シャブリ地区の一級畑のひとつ。畑ごとに様々な名前が付いており、同じ畑でも分割して複数の所有者がいることが多いため、ヴァイヨンにも複数の造り手がいます。
さてこのヴァンサン・ドーヴィサが手掛けるシャブリですが、専門家から「すべてのシャブリのあるべき典型」とまで称賛されるほどの素晴らしい完成度です。
個人的にこの造り手のシャブリは白ワインの中でもかなり好きなワインなのですが、現在この価格帯(¥10,000以下)でこれほどまでの味わいと身体意識を有する白ワインは他にないと思っています。
化学肥料、除草剤を一切使用しないビオディナミ農法を取り入れています。剪定等を丁寧に行い収量を抑え、非常に高い品質のワインを生み出しています。
シャブリ地区では1970年代以降、多くの生産者がより生産性が高く安定性のあるステンレスタンクへ移行してしまいましたが、ヴァンサン・ドーヴィサはシャブリ地区の伝統的な132リットル入りの小樽「フュイエット」を熟成に使用。ブルゴーニュ地方の一般的な樽である「ピエス(228リットル)」と併用し、絶妙なバランス感と長期熟成のポテンシャルを持つワインを造り出しています。
「大切なのは畑。樽かステンレスか、樽が新しいか古いかということは品質の決定要因にはならない。」と語るヴァンサン・ドーヴィサの造るワインは、テロワールを反映させつつも別次元のレベルを感じさせる味わいです。
ライムやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系の香り、ハーブや白い花の香り、火打ち石やチョークのニュアンス。味わいは、非常に質の高い果実味と酸、ミネラル感があり、豊かなそれらの要素のバランスを優しく取るように樽の素晴らしいニュアンスが絶妙に加わります。縦だけではなく横方向へのスケールの大きさがあり、圧倒的なポテンシャルの高さを感じさせてくれます。余韻も長く深い、長期熟成後が楽しみな素晴らしい一本です。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸・大径軸)、サイド・センター(第2側軸)、上丹田、頭部周囲の杯状の身体意識、中丹田、肩包面、心田・心田流など。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と大径軸が天地に美しく通っており、中径軸は天から腰の高さまで通っています。熟成が進むとこの中径軸も地まで抜け通る可能性が高く、これらのセンターがこのワインの持つ荘厳な風格を生み出しています。
サイド・センターが天地へ抜け通っています。股関節中心である転子を通る位置(第2側軸)に形成されており、センターと併せてスケールの大きさや品格を生み出しています。
頭部には上丹田が形成されています。凝縮したような感じではなく、緩解したような広がりと空間を持っているのが特徴です。これは造り手の身体意識が反映されたものでしょうか。
その頭部の高さの周囲には、天性のクオリティを持つ巨大な杯のような身体意識が形成されています。時間とともに降り注ぐ天性のクオリティをためる機能があり、熟成時により素晴らしい味わいと身体意識になっていく効果を与えています。
天性のクオリティを持つ肩包面が形成されています。コンパクトなものと大きなものが2つ形成されており、四重構造の中丹田の強力なエネルギーが上気しないようにしています。大きな肩包面は世界的な規模で影響を与えていることにも関係がありそうです。
この肩包面と重なるように肩包体のような形状の身体意識が形成されており、その上には肩包面のような身体意識も形成されています。どちらもガイアのクオリティを待っており、肩包体のような形状の身体意識については、以前本サイトでご紹介させていただいた「シャブリ J. モロー・エ・フィス/J.Moreau & Fils Chablis」にも観られたことから、シャブリ地区特有のテロワールが反映されたものだと考えられます。
胸には強力な四重構造の中丹田が形成されています。縦長の三重構造の中丹田にさらに重なるように、やや横長の中丹田が形成されています。地下から熱性のエネルギーを導入する身体意識が中丹田に直接入ってきており、キンメリジャン土壌からの影響を感じさせます。これらの身体意識により、質の高い満足感のある果実味を生み出しています。
中丹田の両側へ沿うように、天性のクオリティを持つ身体意識が天から降りてきています。テロワールからの影響と思われますが、中丹田が縦長になっているのはこの身体意識の影響かもしれません。中丹田が縦長になっていることで、味わいにシャープな印象を与えています。
両脇には天性のクオリティを持つ心田・心田流が形成されています。広く豊かに形成されており、味わいへ地球の裏側の清々しい星空から風が吹き上がってくるような荘厳な品格を生み出しています。
股関節には、股関節中心が身体意識化された転子という身体意識が形成されています。天性のクオリティを持っており、味わいへ底から感じられるようなシャープさを与えています。
このように身体意識から観ると、全体としてスケールが大きく、優れた身体意識で満たされているフルボディのワインということが分かります。センター系身体意識による縦方向のスケールの大きさだけではなく、肩包面や杯状の身体意識による横方向のスケールも大きいことが特徴です。下方から荘厳な品格を伴う涼やかさと大地の熱が立ち上がり、聡明さをも感じさせる素晴らしい一本です。
この造り手のワインはどれもお勧めですが、中でもフラグシップワインである
シャブリ プルミエ・クリュ ラ・フォレ/CHABLIS 1ER CRU LA FOREST
と
樹齢50年の古樹のブドウを使用し造られる偉大なグラン・クリュ
シャブリ グラン・クリュ レ・クロ/CHABLIS GRAND CRU LES CLOS
がお勧めです。
最後に、シャブリ地区の特徴的な土壌であるキンメリジャン土壌のワインの味わいへの影響について。この土壌は、およそ1億5000万年前の土壌で、石灰と粘土の混ざった泥炭土の土壌の中に小さな牡蠣(エグゾジラ・ヴィルギュラ)の化石を多く含んでいます。これほど特徴的な土壌ですので、ワインを味わうと、ああ、この感じがキンメリジャン土壌なのか、と分かるほどのものなのですが、土壌の成分がワインに対して化学的な影響を与えるわけではない、という見解も出てきています。今後科学的・化学的な証明がされると良いのですが、明らかに影響が感じられるこの味わいはどう説明されるべきなのでしょうか。その要因の一つが身体意識による影響です。キンメリジャン土壌の持つ身体意識がワインの樹、そして葡萄の身体意識へ影響を与え、その葡萄で造られるワインへも影響を与えていると考えられます。我々が味わう際に「ミネラル感」と表現したくなる特徴は、実際にワインに含まれている成分に対してではなく、身体意識を感じていることの方が多いかもしれません。この土壌からの影響についても、さらに研究を進めていきたいと思います。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《■ビオディナミの先駆者、古典的で偉大なシャブリを造りだす名手。
ドーヴィサは1920年代から続く伝統あるドメーヌ。1920年代、ロベール・ドーヴィサ氏がドメーヌの礎を築き、 元詰めを始めたのは1930年代でした。その後、息子のルネ氏によってその名声を揺るぎないものとし、現当主であるヴァンサン氏は1976年からルネ氏と共に働き始め、そのワイン造りを受け継ぎました。
ドーヴィサは、親戚にあたるドメーヌ・ラヴノーと並び、クラシックで長命、古典的なスタイルのシャブリを造り出す名手として、常に最高の評価を得ており、そのワインは、評論家であるセレナ・サトクリフ氏が、「すべてのシャブリのあるべき典型」と語るように、シャブリはもちろんのこと、ブルゴーニュの白ワインの最高峰のひとつであることは疑いようがありません。
ドーヴィサが所有する畑は、全部で約12ha。そのうち、2つのグラン・クリュは合わせて約2.5ha、3つの1級畑が約6.6ha。近年購入したA.C.シャブリは1ha程度と、どの畑もわずかな面積。また、2003年から、友人からイランシーに畑を借りて赤ワイン造りにも挑戦しており、全ての畑において丁寧に剪定や芽かきを行い、収量を抑え品質にこだわったワイン造りを行っています。
ドーヴィサでは、父ルネ氏の代から除草剤や農薬の使用を控えていました。そしてヴァンサン氏がそれをさらに促進、1998年より3haの区画で実験的にビオディナミを始めました。彼は学生時代から「科学肥料や農薬の効用を聞いてもまったく関心が湧かなかった。むしろ植物と自然との関わり合いに興味を持った。」と語っており、早くからビオディナミに目を向けていました。そして2002年には、全ての畑の栽培方法をビオディナミに転換。それによって、「目に見えて土壌のバランスが改善され、病気が減り、腐敗果も少なくなった」とその効果を評しています。
■昔ながらの小樽にこだわった熟成によって造られる、古典的で長命、荘厳なスタイルのシャブリ。
ドーヴィサでは、基本的に、50年前に父ルネ氏が行っていた昔ながらの手法を厳格に守ってワイン造りを行っています。発酵に温度管理が出来るステンレスタンクを併用しているものの、熟成にはシャブリ地方の伝統である132リットル入りのフュイエットという小樽を使用。これは、ブルゴーニュ地方で一般的なピエス(225リットル~228リットル)の半分の大きさで、以前はシャブリ独自の樽として広く用いられていました。しかし、1970年代以降、多くの生産者がより生産性の高く、安定性のあるステンレスタンクに移行、現在では伝統的なワイン造りを行うごく一部の生産者しか使用していません。そのフュイエットとピエスを併用し、樽での熟成はおよそ6ヶ月間、その後軽く濾過を行ない瓶詰めされます。
そうして出来上がるのは、樽の風味がしっかりと染み込んだ力強いワイン。かといって樽の風味が突出することなく、土壌に由来するミネラルと丁寧な畑仕事による完熟した果実の味わいが一体となった、他とは一線を画す長期熟成向けのワインとなります。現在では、多くのワインが爽やかでクリーンなスタイルで造られるシャブリにおいて、ドーヴィサの造るシャブリは、昔ながらのクラシックで堅牢なスタイルを守り続けています。
そんなドーヴィサのワインの凄さは、グラスの底から湧きあがるような、荘厳な風格。グラン・クリュを除いては、長命でありながらも、若いうちからでも楽しめるような親しみやすさも持ち合わせていますが、やはりその真価を感じられるのは、熟成を経て飲み頃を迎えてから。熟成が進むにつれ一段と風味が向上、飲み頃には、凝縮したアロマと果実味、ミネラルが一体となって花開き、ドーヴィサのワインの真の奥深さをじっくりと味わうことができます。
凝縮した果実味、たっぷりとしたミネラルを湛えた堅牢なスタイルのワインは、失われつつある伝統的なシャブリのスタイルを頑なに守り続け、「これぞ本物のシャブリ」と愛好家の心を掴んでやみません。
□ CHABLIS
シャブリ
ラヴノーと並ぶ、シャブリ最高の生産者。造り手ならではの美しいスタイルが愉しめる村名ワイン。新鮮で生き生きとした果実味が魅力。
ビオディナミの先駆者、古典的で偉大なシャブリを造りだす名手。こちらのシャブリは村名でありながらも、一級畑ラ・フォレの隣に位置する好立地の畑のブドウを贅沢に使用しています。柑橘系の爽やかなアロマに、ミネラル感溢れるクラシカルなスタイルが特徴です。ぜひこの機会にお愉しみ下さい。
輝きのあるレモンイエロー。レモンやグレープフルーツなど、シャブリらしい柑橘系果実のクラシカルでエレガントな香り。レモンを思わせる透明感のある繊細で美しい酸味や、土壌由来の豊富なミネラルが全体を引き締め、シャープな印象に仕上がっています。
□ CHABLIS 1ER CRU LA FOREST
シャブリ プルミエ・クリュ ラ・フォレ
複雑さに富んだ見事なストラクチャーが魅力の、熟成ポテンシャルの高い1本。
古典的なシャブリを造りだす名手、ヴァンサン・ドーヴィサ。こちらの一級畑ラ・フォレは、ドーヴィサのフラッグシップワイン。様々なミクロクリマの区画をブレンドすることによって生まれる、複雑味が特徴です。また熟成ポテンシャルも高く、その真価が発揮された味わいは、一度飲んだら忘れられなくなる魅力に溢れています。
ドメーヌの所有する畑の3割以上を占めるラ・フォレは、ドーヴィサのフラッグシップ。畑はスラン川の左岸に位置し、モンマンの丘陵の上部に広がっています。
ドーヴィサラの所有する4.5haの畑には、区画ごとにミクロクリマがあり、それらをブレンドすることでワインに複雑さを持たせています。熟成ポテンシャルが高く、その真価が発揮されたとき、見事なストラクチャーと多層的な味わいを見せてくれます。
若々しく明るい黄色。新鮮な柑橘類や黄色の花、青りんごの香り。カキ殻や柑橘類、花、ホワイトチョコレートのニュアンス。華やかで純粋かつ繊細な活気のある仕上がり。生姜のようなピリッとしたスパイスのタッチも印象的です。果実味とミネラル感が綺麗に調和し、女性的なフィネスを感じさせる味わいです。
□ CHABLIS GRAND CRU LES CLOS
シャブリ グラン・クリュ レ・クロ
樹齢50年以上の古樹を使用、荘厳な風格を持つ、ボリューム感に秀でた偉大なグラン・クリュ。
古典的なシャブリを造りだす名手、ヴァンサン・ドーヴィサ。グラン・クリュで最高の土地と称される、レ・クロ最上部に区画を所有。こちらは、シャブリでは珍しい樹齢50年にも渡る古樹のブドウを使用し造られたグラン・クリュです。荘厳な風格、濃密で複雑、ボリュームのあるまさに偉大なワイン。生産本数の少ない超稀少な1本をぜひこの機にお愉しみ下さい。
白い花や蜂蜜、アーモンドの複雑な香り。口に含むとミネラルのニュアンスが口いっぱいに広がります。穏やかでスパイシーな口当たりも印象的。時間の経過と共に、アプリコットや桃を思わせるタッチも加わり、絶妙なバランス。ミネラル感、活気のある果実味、全ての要素が高いレベルで調和した逸品です。
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■伝統的な樽醸造を守り続ける長熟シャブリの造り手
シャブリには早飲みタイプの白ワインというイメージが定着している。じつのところ、シャブリにもムルソーやピュリニー・モンラッシェ以上に熟成可能なものが存在する。
それがヴァンサン・ドーヴィサとフランソワ・ラヴノーのワインだ。
両者の造りやワインのスタイルはよく似ているが、それはヴァンサンの父、ルネとフランソワが義理の兄弟だから当然ともいえる。
まずはヴァンサン・ドーヴィサから紹介しよう。
1970年代以降、シャブリではニュートラルで生産性のよいステンレスタンクを使った醸造が一般的になったが、ヴァンサンの父、ルネは伝統的な小樽の使用を頑なに守り続けた。
もっとも寒冷なシャブリのこと。冷えきったセラーでは発酵がなかなか始まらないこともあるので、アルコール発酵のきっかけはタンクで行っている。
樽自体、そのほとんどが何年も使用した古樽で、新樽は少ない。また通常のピエス(228リットル)だけでなく、シャブリで昔から使われていたフイエット(132リットル)も見られ、その古典ぶりが強調される。
ただし、当のヴァンサンに言わせれば、樽醸造はとりたててワインの品質を決める、決定的要因ではないらしい。大切なのは畑だと主張する。
ヴァンサンは1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、その結果が良好なことから2002年にはすべての畑をビオディナミに転換した。目に見えて土壌のバランスが改善され、病気が減り、腐敗果も少なくなったという。
現在、畑の面積は12.35ha。プティ・シャブリから特級レ・プルーズ、そしてレ・クロまで。
1級ラ・フォレは4.53haという、このドメーヌ最大の面積をもつクリマで、区画が分散しているためにそれぞれ性格のバラツキが大きい。すべてをアッサンブラージュすることで複雑味が生まれ、完成度の高いワインになるとヴァンサンはいう。
2003年から友人がイランシーにもつ畑を賃貸耕作し、赤ワインにもチャレンジしている。
コート・ドールのようなボディこそないものの、赤い果実のフレーバーが愛らしい、チャーミングな赤ワインに仕上がっている。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=384
https://order.luc-corp.co.jp/shop/m/m10104200/
生産者の情報
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=384
https://order.luc-corp.co.jp/shop/m/m10104200/
名称 | ヴァンサン・ドーヴィサ シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン |
英字表記 | Vincent Dauvissat Chablis 1er Cru Vaillons |
生産者 | ヴァンサン・ドーヴィサ/Vincent Dauvissat |
国・産地 | フランス・ブルゴーニュ・シャブリ |
セパージュ【葡萄の品種】 | シャルドネ100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2017 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 白 |
STポイント※1 | 94 |
クラス※2 | スペシャルクラス |
抜栓 | 2021/05 |