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イタリア・ピエモンテ州ガッティナーラ地区でネッビオーロ種から造られる、特殊なボトル形状が特徴の一本。鉱物質が豊富な氷堆積土壌の特徴を上手く引き出している素晴らしいワインです。
このワインを造っている「トラヴァリーニ/Travaglini」は、100年以上続くワイナリーです。特殊なボトル形状は、熟成により瓶内に発生する澱が注ぐ時に溜まるように考案されたもので、長期熟成可能なポテンシャルを持つワイン造りを行っています。
この造り手のワインはどれもポテンシャルが高く味わいが開きにくいため、ある程度寝かせる時間が必要となります。
ベリーなどの赤系果実や黒系果実の香り、バラやドライフルーツ、甘草、スパイス、バニラのニュアンス。味わいは、しっかりとしたまとまりのあるタンニンとフレッシュな酸があり、果実味は控えめですが、熟成とともに開いていきます。ネッビオーロらしい骨格があり、ミネラルも感も豊富。余韻まで冷涼感が続く味わいです。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸)、サイド・センター(第2側軸・第3側軸)、中丹田、転子など。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸が美しく天地に通っており、このワインへ特徴的な品格を与えています。熟成が足りないとセンターのクオリティが硬いため、デキャンティングが必要となります。価格帯や色調などの印象からすると、意外なほど熟成が必要です。
サイド・センターも天性のクオリティを持っており、第2側軸と第3側軸が通っています。第2側軸は、股関節から脚を通り地下まで、第3側軸は下方向へのモビリティを伴いながら天から脚の途中の高さまで通っています。また、天から胸の上部まで、下方向へのモビリティを持つ身体意識が第2側軸の位置に降りてきており、アルプスから吹き下ろされる風の影響を感じさせます。これらの身体意識は、ワインの味わいへネッビオーロ種らしい冷涼な骨格や余韻を与えています。
胸部へ形成された中丹田は二重構造となっており、熟成とともに開いていきます。この図ではコンパクトな印象ですが、さらに開いてくるとワインの果実味が増し、冷涼な骨格とのバランスが取れて素晴らしい味わいとなります。
股関節には天性のクオリティを持つ転子が形成されており、味わいへスッキリとした印象と料理と親和するための自由度を生み出しています。
胸の両サイドから斜め下方へ向かっていく身体意識が形成されています。氷堆積土壌からの影響が反映された身体意識であり、味わいへミネラル感を伴う余韻を与えています。
このように身体意識から観ると、全体としてシンプルな構造ですが、それぞれの身体意識はハッキリとしており、テロワールの特徴がよく反映されていることが分かります。センター系身体意識から生まれる洗練された品格があり、料理とも相性が良いので、ぜひ味わっていただきたい一本です。
この造り手のワインはどれもお勧めですが、中でも最良のヴィンテージにのみ生産される
ガッティナーラ・リゼルヴァ/Gattinara Riserva
はお勧めです。味わいが開くのにはかなりの年月がかかりますが、高岡師範も「かわいいやつ」とお気に入りの素敵な一本です。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《トラヴァリーニ社は、1920年にクレメンテ・トラヴァリーニが設立して以来、4代にわたってワイン造りの情熱を伝えてきたワイナリーです。
ワイナリーの位置するピエモンテ州ガッティナーラ地区は約1億5千万年前の氷堆積土壌で、花崗岩、斑岩、石英、長石、鉄などの鉱物質に富んでいます。カルシウムやマグネシウムが多く、石灰岩が含まれていないため酸化反応が起こりやすいというイタリア国内外でもまれな土壌が、ワインの豊かなアロマとバランスを造り出します。
ガッティナーラの気候は、アルプスからの強い影響を受けたミクロクリマが発生する典型的な北ピエモンテの気候です。
畑は、標高4,634mのモンテローザから50kmの近さです。アルプスから吹き下ろす風により、ブドウ畑は常に風通しのよい環境にあります。
ガッティナーラの丘陵地帯では、霧の発生は滅多にみられず、標高300m以上では、霧の影響は皆無で、夏期は昼夜の気温差がしっかりとある地域です。
トラヴァリーニと聞いて思い浮かぶのは、特徴的なこのボトルです。1958年に現オーナー、チンツィアの父、ジャンカルロ・トラヴァリーニが発明をした芸術品です。このボトルシェイプは、偉大なガッティナーラが長期の熟成期間中に造りだす天然の澱を、デキャンタージュなしに、ボトル内にとどめ、グラスにサーヴすることができるのです。この唯一無二のボトルシェイプは商標登録されています。
現オーナーは4代目のチンツィア・トラヴァリーニと夫であり、醸造家であるマッシモ・コッラウトです。また、娘たちのアレッシアとカロリーナも両親と一緒にワイナリーで仕事を始めています。トラヴァリーニ家の伝統とワイン造りへの情熱はこれからもずっと続きます。
◇TRAVAGLINI(トラヴァリーニ)のアイテム一覧
■ メトド・クラッシコ ”ネボレ” エキストラ・ブリュット/Metodo Classico “Nebole'” Extra Brut
ネッビオーロのスペシャリストが造る、メトド・クラッシコのスプマンテです。ブドウの房の先端部分のみを使用。年間生産本数2000本以下の限定生産。瓶内熟成46ヶ月間。
ネッビオーロの先の部分のみを使用して、伝統方式で造られるスプマンテです。瓶内熟成46ヶ月。
少しピンクがかったレモンイエロー。とてもエレガントな香りといきいきとした飲み口が特徴的です。ネッビオーロが生み出す骨格が感じられるスプマンテです。
■ ガッティナーラ/Gattinara
赤いベリー系果実や、ブラックベリー、プラム、さらには、ヴァニラやカンゾウなど、構成のある魅力的な香り。果実のアクセントとほのかな酸味のあるドライなフルボディ。
10月初旬に収穫されたブドウは、温度管理の下、ステンレスタンクで14日間発酵。3年間熟成、2年はスロヴェニア・オーク樽で熟成。瓶内熟成3ヶ月。
バラの繊細な香りや、胡椒を思わせるスパイシーな香り、またミネラルの香りも印象的です。柔らかく、絹のようなタンニンとストラクチャーの良さが心地よいワインです。
■ ガッティナーラ・リゼルヴァ/Gattinara Riserva
ドライフルーツ、スミレ、桑の実、木いちごなどの豊かな香り。そして樽香のニュアンスも。ドライで、しっかりしたボディを感じさせる。余韻が長い。
10月初旬に収穫されたブドウは、温度管理の下、ステンレスタンクで14日間発酵。4年間熟成されるうち、3年は様々なオーク樽で行われます。8ヶ月瓶内熟成。
ザクロ色ががった深いルビー色。チェリー、リコリス、胡椒を思わせるスパイスなどの芳香や、繊細なフルーツの香り、ミネラル感のある香りが印象的です。絹のように柔らかなタンニンと、長い余韻が心地よいワインです。
■ ガッティナーラ “トレ・ヴィーニェ”/Gattinara “Tre Vigne”
3つの異なる畑のネッビオーロから造られてた伝統あるワイン、ガッティナーラ。ガーネット色を帯びたルビー色、スパイス、熟したベリーやチェリーを思わせる香り、まろやかなタンニンとバランスのとれた味わいのチャーミングな赤ワイン。15〜20年後も楽しめる逸品です。
石灰岩の土壌で栽培されているネッビオーロから造られたガッティナーラ。スロヴェニア産オーク樽にて30ヶ月の熟成後、25%はフレンチバリックで10ヶ月という、計40ヶ月の熟成。そして瓶内熟成8ヶ月を経て生まれる芳醇という言葉がふさわしい赤ワインです。
辛口。標高、向きの異なる3つの最良の畑(ルルゲ、ペルモローネ、アリーチェ)のネッビオーロから造られたガッティナーラ。ガーネット色を帯びたルビー色、スパイス、熟したベリーやチェリーを思わせる香り、まろやかなタンニンとバランスのとれた味わいのチャーミングな赤ワイン。15〜20年後も楽しめる逸品です。
■ チンツィア/Cinzia
ワイナリーを継いだチンツィア・トラヴァリーニの名を冠したワインです。
爽やかでバランスがよく、滑らかなタンニンと長い余韻が楽しめるデイリーワインです。
12〜15日間、ステンレスタンクで発酵し、14〜16日間ステンレスタンクで熟成されます。
スミレやチェリーの初香のある、フレッシュな果実感のある香り。味わいは心地よく、余韻が長く楽しめます。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.jetlc.co.jp/wine/brand/travaglini/
https://www.jetlc.co.jp/wine/30518/
生産者の情報
https://www.travaglinigattinara.com
名称 | ガッティナーラ トラヴァリーニ |
英字表記 |
Gattinara Travaglini
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生産者 | トラヴァリーニ/Travaglini |
国・産地 |
イタリア・ピエモンテ
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セパージュ【葡萄の品種】 |
ネッビオーロ100%
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2016 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 88 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 2021/01 |