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究極のエレガンスと称される「シャンボール・ミュジニー プルミエ・クリュ レ・ザムルーズ/CHAMBOLLE MUSIGNY 1ER CRU LES AMOUREUSES」を手掛ける造り手のスタンダードな一本。静かな水面のような美しさと豊かな果実味が感じられる素晴らしいワインです。
前述したこの造り手を代表するワインの名称にある「レザムルーズ/Les Amoureuses」とは、フランス・ブルゴーニュ地方のシャンボールミュジニーという村にある一級畑(プルミエ クリュ)の名前です。その狭い畑(5.4ha)には区画ごとに複数の所有者がいますが、その最大の所有者がこの
造り手「ドメーヌ・ロベール・グロフィエ」です。ちなみに「レザムルーズ/Les Amoureuses」とは「恋人たち」「恋する乙女たち」という意味で、乙女たちが畑の下の池の周囲の花園をこの畑から眺めていたことが由来と言われているそうです。畑の名前にいろいろな由来があるのは面白いですよね。それだけ個々の畑というものを大切にしているということですよね。
さて、この造り手「ドメーヌ・ロベール・グロフィエ」が手掛ける「ブルゴーニュ ピノ・ノワール/Bourgogne Pinot Noir」が今回ご紹介させていただくワインです。
自然酵母のみを用いて発酵。この時発酵タンクを35℃という高温まで上げるのがグロフィエの特徴です。ここまで上げると酵母が熱に耐えきれず死滅し、発酵の止まるリスクが非常に高くなってしまうのですが、短時間の攪拌(ピジャージュ)を頻繁に行うことで温度を上手くコントロールし、葡萄から優れた要素を引き出しています。
ベリー系の赤系果実や黒系果実の香り、石灰系のミネラル、赤い薔薇、スパイス、土のニュアンス。味わいは、よく熟した果実味と鮮度の高い洗練された酸が見事に調和し、豊かなミネラル感が広がりながら余韻へと続きます。水平方向へ広がる研ぎ澄まされた美しさがあり、知性をも感じさせる素晴らしいワインです。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸・大径軸)、上丹田、中丹田、心田・心田流、スライサーなど。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸、中径軸、大径軸という三層構造の軸が天地に通っています。全体として感じられる気品や洗練といった美しいエレガンスを与えています。さらに、下半身には、それらのセンターと重なるようにロート状の下ロート軸が形成されており、ミネラル感を伴う美しい余韻を生み出しています。
頭部には上丹田が形成されており、造り手のワイン造りに対する緻密さと知性を感じさせてくれます。その上丹田の位置と上胸部には天性のクオリティを持つスライサーが形成されており、センターとはニュアンスの異なる研ぎ澄まされた美しい気品を生み出しています。
中丹田は三重構造になっており、1番外側のものは前方に向かってかなりの大きさがあります。時間が経ちワインが開いてくるとさらに大きくなっていく傾向があります。その中丹田へ地下の真下から熱性の身体意識が直接入ってきています。さらに、両脇には熱性のクオリティとガイアのクオリティを持つ心田・心田流が形成されており、ワインへ豊かさを与えています。これらの身体意識は、高温での発酵によって形成されたものでしょうか。
斜め上方からは天性のクオリティを持つ身体意識の流れが入ってきています。清々しいクオリティを持っており、葡萄樹の仕立てを含めたテロワールからの影響を感じさせます。
このように身体意識から観ると、三層構造のセンターとスライサー、上丹田を代表とした天性クオリティを持つ身体意識により、味わいへ様々なニュアンスの気品を与えていることが分かります。そして、それらとバランスを取るような強く大きな中丹田によって、豊かで満足度の高い果実味を生み出しており、全体としてバランスの取れた味わいとなっています。身体意識の要素の数は決して多くはないのですが、それぞれのストラクチャはハッキリとしており、思わず同じ造り手の上のランクのワインを味わいたくなる素晴らしい一本です。
この造り手のワインはどれもお勧めですが、中でも
シャンボール ミュジニー プルミエ・クリュ アムルーズ/
2018 Chambolle Musigny 1er Cru Amoureuses
は一度は味わってみたい一本です。
また、
ジュヴレ・シャンベルタン スーヴレ/
2018 Gevrey Chambertin Seuvrees
も素晴らしい完成度のワインですのでお勧めです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《■レ・ザムルーズの最大所有者
ロベール・グロフィエはモレ・サン・ドニに畑を所有していないにも関わらず、この地にドメーヌを構える珍しいワイナリーである。区画のほとんどはジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーにあり、わずか5.4haしかないレ・ザムルーズの最大所有者(1.12ヘクタール)として知られている。
ドメーヌの歴史は現在4世代目に引き継がれている。19世紀にフレデリック・グロフィエが創業し、1933年にその息子ジュール(=ロベールの父)がレザムルーズ、ボンヌ・マールを含む優良な畑を手に入れ、1953年にクロ・ド・ベーズを購入。1960年にジュールが子供達に土地を分割相続するが、果物や野菜に植え替えようとした兄弟達から息子ロベールが畑を買い取ることによって現在の畑を維持した。ロベールは自身のワインを瓶詰めして売ることに成功し、1960年代後半には息子のセルジュが学校を卒業すると同時にドメーヌに加わり、ロベール引退後はセルジュが、そして現在はボーヌ醸造学校卒業後、2004年からドメーヌに加わったセルジュの息子ニコラがドメーヌを担っている。
■栽培・醸造
伝統の継承をモットーとするドメーヌであるが、世代交代の中で変革も起きており、例えば、1995年より仕立てをグイヨからコルドンへ移行。理由はブドウの葉と果実により多くの日照と風通しの良い環境を作るため。これによってカビ発生リスクの低下と、収量の自然な低下が促された。2005年からは除草剤の使用も停止している。
収穫したブドウは破砕せずにステンレスタンクへと運ばれ、10-12℃で冷却される。除梗はヴィンテージによって割合を変え、自然酵母のみを用いてアルコール発酵を行う。発酵タンクを35℃という高温まで上げるのがグロフィエの特徴であるが、通常ここまで上げると酵母が熱に耐えられずに死んでしまい、発酵が止まるリスクが非常に高いため、ブルゴーニュでこれを行う人はほとんどいない。しかし、これはロベールとセルジェが好んだ方法で「ブドウからより良い要素を引き出すには良い温度が必要で、30℃ではこれができない」と高い品質を求めるためにはリスクをもろともせず、短時間のピジャージュを頻繁に行うことで高温を見事にコントロールしている。発酵後は、さらに5日前後のマセラシオンを行い、20-22℃まで冷却された後に、ようやくプレスされる。
熟成に関しては、以前はより力強いヴォージュ産のものを使用していたが、現在はより優しいヌヴェールやアリエ産がメインでレモン社とベルトミュー社からほとんどの樽を仕入れている。新樽の比率はキュヴェごと、ヴィンテージごとに異なる。熟成後は無清澄、無濾過で瓶詰めされる。
■艶のある高級感が魅力
グロフィエのワインは果実の濃密感と美しいミネラルが生み出す艶のある高級感が魅力であるが、クライヴ・コーツMWからは「ニュイにおける最も素晴らしい生産者の一人」、WA誌では「ACブルゴーニュからグランクリュの全ワインがそのテロワールを代表する一級品」と大絶賛される。
ニコラが参画して以来、果実味がより前面に出るようになってさらに品質が向上したグロフィエは、今やルーミエ、ヴォギュエ、ミニュエと並び称され、世界最高峰のトップドメーヌとしての地位を不動のものとしている。しかし、残念ながら流通量が少なく入手が困難であるため、見つけたら絶対に逃してはならないワインである。
■ WINERY DATA
醸造責任者 Nicolas Groffier
栽培方法 リュット・レゾネ
ワインメイキング
自然酵母による発酵。短時間の間にピジャージュを頻繁に行い、温度を上昇させて多くの色素を抽出する。マセラシオン後には温度が下がり、プレス後に樽に移して熟成。
■ ITEM LIST
□ブルゴーニュ ルージュ
2018 Bourgogne Rouge
クロ・ヴージョの真下に位置する1.4haの区画。樹齢は平均45年。非常にフローラルで、赤系・黒系果実が混ざり合い、微かにレザーを感じるアロマ。完熟した赤系ベリーの甘みに活き活きとした酸が調和し、ややチョーキーなミネラルを感じるフィニッシュにつながる。ACブルゴーニュの品質をはるかに凌駕する驚きのワイン。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック12ヶ月&ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□ジュヴレ・シャンベルタン スーヴレ
2018 Gevrey Chambertin Seuvrees
マゾワイエール・シャンベルタンの下方に位置する0.82haの区画。樹齢は平均37年。赤系果実やレザーに加え、濡れた土を感じさせる非常に複雑なアロマ。程良い甘みのジューシーな赤系果実とスパイス、それらを佐々えるミネラルは見事に調和がとれ、村名クラスとは思えない程完成度が高いワイン。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック12ヶ月(新樽25%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□シャンボール ミュジニー プルミエ・クリュ サンティエ
2018 Chambolle Musigny 1er Cru Sentiers
ボンヌ・マールの下部、プルミエ・クリュのレ・ボードに隣接する1.07haの区画。樹齢は平均50年。スモーキーなオークと完熟した赤系・黒系果実、次第にチョーキーなニュアンスが強まっていくアロマ。広がりのあるフルボディで、濃密な甘さをしっかりとしたタンニンとミネラルが引き締めている。中盤からはブラッドオレンジを感じさせるフレーバーが広がり、塩味を伴うミネラルの素晴らしい余韻につながる。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック12ヶ月(新樽33%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□シャンボール ミュジニー プルミエ・クリュ オー ドワ
2018 Chambolle Musigny 1er Cru Hauts Doix
プルミエ・クリュのシャルムとレザムルーズの間に位置する1haの区画。樹齢は平均40年。非常に上品なブラックベリーとボイズンベリーの芳香がグラスを回すごとに強まっていく。口の中ではエネルギッシュな黒系果実と端麗なタンニンを感じる。特にミネラルのテクスチャーが卓越しており、石灰岩を舐めているかのような感覚が余韻までしっかり続いていく。フィネスと繊細さを兼ね備えたまさにシャンボールらしいワイン。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック12ヶ月(新樽33%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□ボンヌ・マール
2018 Bonnes Mares
色の濃い粘土質のテール・ルージュ側、北部の0.98haの区画。樹齢は平均53年。内向的な側面がある一方で、ブラックベリーやスミレ、リコリスが下草や濡れた土と層を成す力強さも感じるアロマ。密度が濃く、大変リッチな口当たり。豊富な甘みとうまみを伴ったフレーバーには、黒系果実、スパイス、ハーブやブラックペッパーを感じる。上質なタンニンがワインの各要素と結びつき、チョコレートを感じさせる余韻につながる。長熟のポテンシャルが非常に高い偉大なグランクリュ。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック16ヶ月(新樽33%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□ シャンボール ミュジニー プルミエ・クリュ アムルーズ
2018 Chambolle Musigny 1er Cru Amoureuses
レザムルーズ全体の約1/5にあたる東部の1.10haの区画。樹齢は平均50年。非常に表現力が豊かで、華やかなアロマ。生き生きとしたブラックチェリー、ボイズンベリーとスミレの花びらが調和している。オレンジピールのフレッシュなフレーバーにブラックチェリー、豊富なスパイスが溶け込んでいる。非常にはっきりとした塩気のミネラルが後半にかけて伸びており、傑出したストラクチャーを持つフィニッシュへと続く。レザムルーズ最大の所有者が生み出す珠玉の銘酒。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、バリック12ヶ月(新樽33%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。
□ シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
2018 Chambertin Clos de Beze
シャぺル・シャンベルタンの真上、クロドベーズの中でも中央やや北寄りの0.42haの区画。樹齢は平均65年。クランベリーとワイルドストロベリーの快活なアロマに心地よいオークのニュアンスが溶け込んでいる。口の中では初めにフルーツのコンフィのタッチを感じ、赤系果実ときらびやかな酸の見事な調和の後、焦点のハッキリと定まった塩味の強い余韻へとつながっていく。各要素のポテンシャルが非常に高く、長期熟成を期待させるドメーヌ最高傑作のひとつ。
醸造・熟成
ステンレスタンクで発酵、フレンチオークのバリック12ヶ月(新樽100%)後、ステンレスタンク2ヶ月熟成。》
※《》内はインポーター資料より
https://firadis.co.jp/product/producer-info/?producerid=279
生産者の情報
https://firadis.co.jp/product/producer-info/?producerid=279
名称 | ドメーヌ・ロベール・グロフィエ ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール |
英字表記 | Domaine Robert Groffier Père & Fils Bourgogne Pinot Noir |
生産者 | ドメーヌ・ロベール・グロフィエ ペール エ フィス/Robert Groffier Père & Fils |
国・産地 | フランス・ブルゴーニュ |
セパージュ【葡萄の品種】 | ピノ・ノワール100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2017 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 89 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 2020/12 |