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ボルドー右岸のポムロール地区で造られ、メルローの最高傑作と呼ばれる「シャトー・ル・パン/Château Le Pin」を手掛ける「ティエポン家」のひとり、「ニコラ・ティエポン/NICOLAS THIENPONT」氏が手掛けるワイン。ワイン名の「ジョルジュ/GEORGE」とは名醸造家であるニコラの父の名前です。
このワインは、以前本サイトで取り上げた「シャトー ピュイグロー/ Chateau Puygueraud」のスペシャルキュベであり、葡萄の出来の良い年のみ造られます。年間生産本数6000本程度という少量生産。
設立者の「ジョルジュ・ティエポン/GEORGE THIENPONT」氏は、荒れ果てた畑を買い取り、40年以上かけて土壌改良を行ってきました。その成果がこのワインに良く現れています。
ワイルド・ベリーなどの赤系果実の香り、落ち着いたチェリーの香り、僅かにミルクとハーブ、花、ヨードのニュアンス。味わいは、カベルネ・フランらしい気品と落ち着きがありならも、果実味の充実感と美しい酸が感じられます。上質で滑らかなタンニンがあり、シンプルに美味しいシャトー・ピュイグローよりも心地よい複雑さとスケール感があります。完全に開くのには時間はかかりますが、開いてくるとさらに上質な味わいへと変化していきます。上手く煮詰めた柔らかな果汁のような余韻も心地よく、スペシャルキュベに相応しい味わいです。
特徴的な身体意識は、センター(中径軸)、中丹田、肩包面、心田・心田流、パーム、ガイアのクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、中径軸が天地に抜け通っています。程よいストラクチャの強さなので、料理とも合わせやすい印象です。この時はシンプルな鴨肉のローストと合わせてみましたが、素晴らしいマリアージュでした。
中径軸の両サイドには、天から清々しいクオリティを持つ身体意識が降り来ています。
下半身にはサイド・センターが形成されています。股関節中心を通る第2側軸よりも少し外側ですので、今後熟成により、第2側軸へ変化していく可能性があります。味わいへスッキリとした印象を与えています。
肩包面が形成されています。天性のクオリティを持っており、その上にも薄っすらと同じような形状の身体意識が形成されています。
中丹田は二重構造になっており、前斜め下方と地下から熱性のクオリティを持つ身体意識が入ってきてきます。これは粘土石灰岩質土壌と石灰岩層からの影響でしょうか。かなりの強さを持っています。
腹の高さには、円弧状の身体意識が形成されてます。下丹田のように球状ではないですが、味わいに軽い落ち着きを与えています。
両脇には天性のクオリティを持つ心田・心田流が形成されています。前述した天から降りてくる流れとは逆方向のため、同じ天性のクオリティながらも味わいへ変化を与えています。
両手掌には、天性のクオリティを持つパームが形成されています。収穫時や醸造時の繊細な作業が反映されたものでしょうか。
中丹田を両サイドには、ガイアのクオリティを持つ身体意識が形成されています。シャトー・ピュイグローの記事でも書きましたが、このガイアがあることにより、全体として貴族と農業人の両立を感じさせる魅力的な身体意識となっています。
このように身体意識から観ると、全体として天性のクオリティが優位ながらも、中丹田と強い熱性身体意識を導入していることにより、エレガントながらも非常に満足感の高い味わいとなっていることが分かります。また、身体意識に程よく隙間があるので、料理とも合わせやすいワインに仕上がっています。明るく分かりやすく美味しいシャトー・ピュイグローと比べると、もう少しクラシックなボルドー寄りの身体意識を持っているため、より本格的な味わいを求められている方にもお勧めできる一本となっています。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《シャトー・ピュイグローは、ボルドー極小のアペラシオンのひとつ、フラン・コート・ド・ボルドーで造られる最高品質のワインです。「シャトー ル・パン」で有名なティエンポン家のジョルジュ・ティエンポンが1946年に購入、荒れ果てた畑を、ティエンポン夫妻が他の農作物を植えることで土壌の再生を懸命に行い、1979年にようやくブドウ樹の植替えを終えました。約40年の歳月をかけ、1983年に満を持してリリースされたシャトー・ピュイグローは各方面で高く評価され、世界中のワイン愛飲家達から絶大な支持を受けるに至りました。
■CHATEAU PUYGUERAUD GEORGE 2011
シャトー ピュイグロー ジョルジュ 2011
マルベックが完熟した良年のみ少量生産されるスペシャルキュヴェ。カベルネフランとマルベックが無二の個性を発揮した素晴らしい味わい。
畑面積35ha。表土は粘土石灰岩質土壌、下層土は粘土と泥灰土の混じった石灰岩層。
樹齢約35年、植密度4000本/ha。リュットレゾネ。伝統的な耕作と草生栽培、必要に応じて摘房。収穫期にブドウの成熟具合に合わせて除葉。優れた区画を選んで手摘みで収穫、厳しく選果を行う。
除梗と選果の後、破砕をせずにセメントタンクにてアルコール発酵、優しく果皮浸漬と抽出を行う。樽にてマロラクティック発酵終了後、バトナージュ。オーク樽で16ヶ月熟成(新樽比率40%)。細かな澱と接触させたままの還元的な樽熟成で、澱引きは10ヵ月後(春)と瓶詰め直前の2回のみ。
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ポムロールの『ル・パン』や『ヴュー・シャトー・セルタン』といった銘醸ワインを生み出してきた『ティエンポン』家。一家はコート・ド・フランの地で銘ワインを生み出すどころか、このボルドー最小のアペラシオン自体を有名にしてしまいました。
ティエンポン一家がシャトーを購入したのは1946年。しかし、土壌の手入れだけで何と30年がかけられました。そこからブドウを植え直し、1983年にようやくリリースされたファースト・ヴィンテージはいきなり批評家に絶賛され、またたく間に市場の人気シャトーとなります。この堂々たる品質は一家が所有する他のトップ・シャトーと全く同じ細心の手入れとレベルの高い醸造によるものです。
■ジョルジュ 2016
フラン・コート・ド・ボルドーの人気シャトー、ピュイグローが先代ジョルジュ・ティエンポン氏へのオマージュとして造る特別キュヴェ。マルベックとフランの比率が高くスパイシー。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.iidawine.com/asp/dtl_wine2.asp?Mcd=451
https://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/771.html
生産者の情報
https://www.nicolas-thienpont.com
名称 | ジョルジュ キュヴェ・デュ・シャトー・ピュイグロー |
英字表記 | GEORGE Cuvve du Chateau Puygueraud |
生産者 | シャトー・ピュイグロー(ニコラ・ティエポン)/Chateau Puygueraud(NICOLAS THIENPONT) |
国・産地 | フランス・ボルドー・AOCコート ド ボルドー (フラン コート ド ボルドー) |
セパージュ【葡萄の品種】 | カベルネ・フラン45%、マルベック30%、メルロー25% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2011 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 87 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 2020/08 |