イル・パッソ ネレッロ マスカレーゼ ヴィニエティ・ザブ/IL Passo Nerello Mascalese Vigneti Zabu 〜おすすめワインリスト〜

イルパッソ_ヴィニエティ・ザブ_2016

今回おすすめするワインはこちら。

シチリアの土着品種であるネレッロ・マスカレーゼから造られるコストパフォーマンスの高い一本。1000円台後半で購入できます。

造り手は「ヴィニエティ・ザブ/Vigneti Zabu」というワイナリーで、以前本サイトでご紹介させていただいた「カサーレヴェッキオ」や「エディツィオーネ チンクエ アウトークトニ」「イ ムーリ」を造るファルネーゼ ヴィニがオーナーです。

ヴィニエティ・ザブの創立者、アデュア・ヴィッラは、友人であるフィリッポ バッカラーロ(ファルネーゼグループの主任エノロゴ)に購入した畑を紹介したところ、その可能性に惹かれ関わるようになりました。

標高が高く昼夜の寒暖差が大きな環境で造られています。葡萄が熟した後、樹上で7~14日間天日干しで乾燥させ、糖度を上げるなどのアマローネ的な効果を与えています。

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よく熟したカシスやプラムなどの赤系果実の香り、スパイスのニュアンス。味わいは、甘味を伴った果実味が広がり、それらとバランスを取るように適度な酸がストラクチャとクオリティを与えています。タンニンも強すぎることなくスムーズに飲め、自然な甘みが感じられる余韻へと続きます。僅かに甘味はありますが、酸とのバランスが良いため飲み飽きしにくいお勧めの一本です。

イル・パッソ ヴィニエティ・ザブ_旧ラベル
イル・パッソ ヴィニエティ・ザブ_旧ラベル

特徴的な身体意識は、センター(細径軸)、中丹田など。

天性のクオリティを持つセンターは、細径軸が天から胸の高さまで薄っすらと通っており、味わいにバランスの良さを与えています。

細径軸の両サイドには、天からシャワーのような身体意識が降りて来ています。天性のクオリティをもつこの身体意識は、味わいへスッキリとした印象を与えており、飲み飽きしずらさへつながっています。高い標高と寒暖差の影響が反映されたものでしょう。

中丹田は二重構造になっており、ハッキリとしています。天日干しの効果でしょうか。その周囲は天性のクオリティで包まれています。強い中丹田により味わいへ満足感を与え、その周囲の天性のクオリティにより品の良い印象を与えています。

BA_イル パッソ
BA_イル パッソ

このように身体意識から観ると、要素は少ないながらもバランスの良さが感じられます。アマローネに代表される干し葡萄系ワインに共通する、熱性のクオリティが天性のクオリティに包まれている構造があり、それらが同じ価格帯の身体意識の乏しい他のワインと比べ、飲み飽きにくく品質の良さを感じさせる要因となっています。気軽に楽しめ、料理とも合わせやすい一本です。

この造り手の他のワインとしては、高樹齢の土着品種ネーロ・ダーヴォラから造られるトップキュベ、

インパリ/Impari

がお勧めです。
ネーロ・ダーヴォラの美味しさを素直に味わえる素敵な一本です。

インパリ ヴィニエティ・ザブ_2010
インパリ ヴィニエティ・ザブ_2010
ザブ ネーロダーヴォラ ヴィニエティ・ザブ_旧ラベル
ザブ ネーロダーヴォラ ヴィニエティ・ザブ_旧ラベル

一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。

昼夜の寒暖差とアランチョ湖のおかげで豊かなアロマがもたらされることが、ザブのワインの優れた特徴です。

「土着品種と国際品種」
ザブでは、土着品種に力を入れていますが、シャルドネ、シラー、メルロは、シチリアで高いポテンシャルを持つため、一部ですが栽培しています。

「葡萄の買取り」
買取り葡萄は、地元のパートナー契約する共同組合のメンバーの畑から、ファルネーゼが独自に契約した区画のものだけを使用しています。葡萄の買取りは、収穫した葡萄の重さに対して代金を支払うのが一般的ですが、アブルッツォでファルネーゼが行っているのと同様に、区画に対して支払います。収量が減っても収入は減らないため、選定、間引きなどを躊躇なく行うことが出来ます。契約した農家は、ザブの成長を自らの誇りととらえています。

「充実の醸造設備」
ワイン造りは、共同組合で行っています。醸造設備は、主に組合のものを使用していますが、クロスフロー フィルターなどファルネーゼが持ち込んだものもあります。セラー内には古いコンクリートタンクがあり、主にワインの保管、マロラクティック発酵に使用しています。ステンレスタンクより長期保存に向いており、ワインのフルーティさを残すことが可能です。また、セラーの壁は1m程のぶ厚いコンクリートで出来ていて、気温が一定に保たれます。白の醸造用タンクは屋外、赤用はセラー内にあり、温度はコンピューターで制御されており、オフィスで常に確認出来る状態になっています。酸化を防ぐために、窒素を充填させて醸造を行います。

「ザブの名前」
ザブの名前は、かつてアラブ人が統治していた頃の町の呼び名サンブーカ ディ ザブットにちなんで付けています。

■ 歴史
1980年
アディア ヴィッラが南アメリカからイタリアへ移住、ワイン販売に携わりました。その後、念願の畑を購入。友人のフィリップ バッカラーロに畑を見せたところ、その可能性に惹かれ、バッカラーロは個人的に関わるようになりました。

1984年
3年間の畑の手入れ後、ワイン造りを開始。

2010年
世界中の顧客を相手をすることが難しくなり、ファルネーゼ ヴィニがオーナーになる。

■オーナー
ファルネーゼ ヴィニ

■ジュゼッペ アルファーノ
常駐エノロゴ。シチリア出身。2013年10月より参加。オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、プロヴァンス等、世界各地のワイナリーで経験を積んでいる。

■フィリッポ バッカラーロ
ファルネーゼの主任エノロゴ。収穫時など、重要なポイントに来て、全体の指示を出す。ネーロ ダーヴィラとグリッロが好きなので、ザブを気に入っている。

■葡萄園
自家畑 25ha
主に上位クラスに使用。

組合メンバーの契約畑からの葡萄
主にスタンダードクラスに。徹底した技術指導をする。バッカラーロが認めた葡萄のみ購入。標高が高いため、昼夜の寒暖差が大きく、葡萄栽培に向く。

■栽培
殺虫剤、防カビ剤、除草剤など化学的なものは使用しない。機械は一切使用せずに手作業。サボテンしか育たないような乾燥した気候のため、アランチョ湖の水を灌漑に使用。

□イル・パッソ
乾燥させた葡萄で仕込む独自製法
葡萄の持つ自然の甘みが弾ける

ネレッロ マスカレーゼは、ピノ ノワールに似たエレガントな個性がありますが、地元では色が薄く糖度があがらないと言われたため、アマローネ的な効果を与えることにしました。結果、色が濃くなり、糖度もあがり、フルーティなワインに仕上げることが出来るようになりました。急斜面で、粘土と砂質が50%ずつです。乾燥に強い葡萄なので、灌漑はしません。葡萄が熟したら、房よりも少し上で枝をカットし、畑に吊るしたまま7~14日間乾燥させます。シチリアの暑い太陽とアフリカからの風(シロッコ)が、糖分と風味を増加させます。15~20%重さが減ったところで収穫します。破砕し、25度で3週間発酵させ、樽で約6ヶ月熟成させます。艶やかな黒紫色、タンニンは丸く、なめらかな口当たり。果実がもつ甘みが弾ける様に広がります。スパイシーさやバルサミコを思わせる風味です。パッソは「乾燥した」という意味でリパッソを意識した名前であると共に、「歩み」という意味もあり、畑での手作業を含め一歩一歩最高の品質に向かって前進するイメージです。ラベルに足跡を描いています。当初からネレッロ マスカレーゼ100%で造りたいと考えていましたが、樹齢が若すぎて出来ませんでした。その後大部分のネレッロ マスカレーゼの樹齢が高くなり、’16VTから100%で造れるようになりました。

熟成
フレンチオーク95%とアメリカンオーク5%で4〜5ヶ月熟成

※《》内はインポーター資料より
https://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1443514784-186451&sf=1

https://www.inaba-wine.co.jp/wine/?id=1443663603-443375&sf=1

生産者の情報
https://www.farnesevini.it/vigneti_zabu_azienda

名称 イル・パッソ ネレッロ マスカレーゼ ヴィニエティ・ザブ
英字表記
IL Passo Nerello Mascalese Vigneti Zabu
生産者 ヴィニエティ・ザブ/Vigneti Zabu
国・産地
イタリア・シチリア
セパージュ【葡萄の品種】
ネレッロ・マスカレーゼ100%(2015以前はネロ・ダヴォラをブレンド)
ビンテージ【葡萄の収穫年】 2016
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】
STポイント※1 80
クラス※2 レギュラークラス
抜栓 2018/08
※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。
※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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