今回おすすめするワインはこちら。
2012年よりキャンティ・クラシコ協会会長を務めるセルジオ・ツィンガレリが手掛ける一本。
歴史ある生産者の多いこの地域の中で、1973年設立という比較的新しいワイナリーですが、僅か40年足らずでキャンティ・クラシコのトップクラスの生産者まで昇りつめました。
創業者は現オーナーであるセルジオ・ツィンガレリの父イタロ・ツィンガレリ。イタリア映画界の名プロデューサーという経歴の持ち主です。彼は、自分の理想とする「食事に寄り添う自然な味わいのワイン」は自分の手で造るしかない、と考え、ワイナリーを設立しました。
化学薬品、農薬等は極力使用せず、隠花植物による除草、漢方薬から作られた殺虫剤での害虫駆除を採用。アブラムシ対策としてはバチルス・チューリンゲンシス(BT)という微生物を利用した殺虫剤を使用。肥料についても化学肥料は一切使用していません。
アプリコットなどの黄色系果実、チェリーなど赤系果実の香り、若い梅の実、ハーブのニュアンス。味わいは、自然でエレガントな果実味と酸に、スパイスのニュアンスが僅かに加わります。繊細さが品格につながっており、それらが余韻まで続きます。全体的にバランスの良い味わいで、料理とも合わせやすいワインです。
抜栓のタイミングによっては閉じて構造がはっきりしない味わいになっていることもありますので、その場合は、デキャンティングをお勧めします。
特徴的な身体意識は、センター、側軸、中丹田、下丹田、温球、心田・心田流、パーム、転子、ウォールなど。
天性のクオリティを持つセンターは、中径軸よりも少し細い径のものが通っています。
そのセンターへ沿うように天性のクオリティを持つ側軸(第2.5軸)が胸の下あたりの高さまで通っています。
さらにその側軸に沿うように、同じく天性のクオリティを持つウォールのような身体意識が形成されています。
これらの身体意識は、味わいへエレガントさ、繊細さを与えています。
中丹田は大きな三重構造になっており、その両脇には縦長の温球が形成されています。そこへ重なるように、両脇に熱性のクオリティを持つ心田・心田流が入ってきており、手掌にはパームと呼ばれる身体意識も形成されています。熱性・温性のクオリティを持つ身体意識はかなりのボリュームですが、全体として熱苦しい感じではなく、とてもエレガントな熱さ・温かさです。
下丹田は正規の位置よりも少し高めの位置に形成されており、それを補うようにその両脇にはしっかりとしたクオリティを持つ第3側軸が通っています。特に側第3軸はタンニン由来のもので、味わいへ骨格を与えています。熟成によりさらに柔らかくなることが予測されます。落ち着きを生み出す下丹田も、熟成により正しい位置へ下がってくる可能性があります。
天性のクオリティを持つ転子も形成されており、そこへ第2側軸が通っています。下丹田によりそれなりに落ち着いた味わいがありつつも、余韻では落ち着きよりも繊細さが目立つのは、この転子と第2側軸の影響でしょうか。これらの下丹田と第3側軸、そして転子と第2側軸が味わいに対してどのような印象を与えているのか、飲んでいただけるとよく分かると思います。この身体意識の隙間が料理と合わせやすくしているのかもしれませんね。
このように身体意識から観ると、全体的に天性、熱性・温性、重性のクオリティを持つ身体意識がバランスよく形成されており、それらが味わいのバランスの良さを生み出していることが分かります。繊細さが品格につながっているような味わいですが、身体意識を観てもそのような印象がありますよね。ぜひ料理と合わせて飲んでみていただきたい一本です。
この造り手の他のワインとしては、
キャンティ クラシコ リゼルヴァ ファミリア・ツィンガレッリ/Rocca Delle Macie Chianti Classico Riserva Famiglia Zingarelli
キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ「リゼルヴァ・ディ・フィッツァーノ」/Chianti Classico Gran Selezione Riserva Di Fizzano
そしてフラグシップワインの、
キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ「セルジオ・ツィンガレッリ」/Chianti Classico Gran Selezione Sergio Zingarelli
がお勧めです。どのワインも料理との相性がよく、気取らずに楽しむことができるワインです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《キャンティ・クラシコの新たな歴史を創る、情熱あふれる若きワイナリー
1973年、シエナに近いカステッリーナ・イン・キヤンティに設立された「ロッカ・デッレ・マチエ」は、何代にもわたる歴史を持つ由緒ある生産者たちが軒を連ねるこの地にあって、わずか40年足らずでキャンティ・クラシコのトップ・クラスの生産者の一つに昇りつめた、まさにサクセス・ストーリーを地で行く若きワイナリーです。
創業者
イタリア映画界の名プロデューサーとして名を馳せたイタロ・ツィンガレリ氏は、無類のワイン好きでもありました。彼は友人や家族たちを集めて自宅やレストランでワインと料理を味わうのを楽しみとしていましたが、ことワインについては中々彼が満足できるワインに出会う事が出来ないのを不満に思っていました。 いつしか彼は、自分の理想とする「食事に寄り添う自然な味わいのワイン」は自分の手で造るしかないと考える様になりました。
そしてついに、カステッリーナ・イン・キャンティ地区の一角にある地所「レ・マチエ(Le Macie)」の85ヘクタールの土地を購入し、「ロッカ・デッレ・マチエ」を立ち上げました。1973年の事です。 ぶどう畑は当初2ヘクタールのみでしたが、彼はぶどう畑を拡張し、ワイン造りに適したぶどうが収穫できる様になるまでスタッフと共に辛抱強く畑での作業を続けました。
1978年が初リリースとなった「ロッカ・デッレ・マチエ」のワインは、当初からその品質の高さが国内外で高く評価され、彼らは彗星のごとく現れたキャンティ・クラシコの新たな実力派としてがぜん注目を集める様になりました。彼らはその後急ピッチで畑を拡張して行きます。まずレ・マチエの近隣にあるサント・アルフォンソの地所を購入、1984年にはリゼルヴァ・ワインを生産するために11世紀からの歴史をもつフィッツィアーノの地所を購入、さらに1998年以降、マレンマ地区のモレリーノ・ディ・スカンサーノにカンポ・マッキオーネ、カーサ・マリアという2つの畑を購入しました。
現在彼らは合計600ヘクタール以上の土地を所有し、内200ヘクタール以上がぶどう畑として使われています。これらの畑は南西に面した標高200~600mの丘陵地帯にあり、土壌は主にガレストロと呼ばれる砂と泥炭を多く含む石灰層、粘土層からなり、サンジョヴェーゼを始めカナイオーロ、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、マルヴァジア、トレッビアーノなどの栽培に適しています。
「ロッカ・デッレ・マチエ」の目覚ましい成功は、一方でテロワールを尊重し、そして一方でセラーでの技術革新を通して品質を向上させる事への一貫した取り組みによってもたらされました。彼らの畑では化学薬品、農薬等はほとんど使用せず、隠花植物による除草や、漢方薬から作られた殺虫剤で害虫を駆除する方法を採用し、またアブラムシ対策についてはチューリンゲン菌を使用した数少ないワイナリーの一つです。さらに肥料についても化学肥料は一切使用せず、ワイナリーで飼育している家畜の糞を寝かせて肥料として使用しています。作付面積あたりの収穫量を低く抑えるために徹底したぶどうの剪定を繰り返し行い、また夏にはぶどうがベストの状態で成熟できるよう、余分なぶどうの葉を間引く「キャノピー・マネージメント」の作業をこまめに行います。そして収穫は全て手作業、併せて厳格な選果を行い、最高の状態のぶどうのみを収穫します。ワインメーカーとセラー管理担当者のチームは、ぶどう畑で行われた厳格な仕事を引継ぎ、果汁を最適な状態で発酵させるための正確な温度コントロールを確実に行なう最先端の発酵設備と、最適な熟成を確実に行なう熟成設備とを兼ね備えた地下セラーで細心の注意を払って仕事を遂行します。またキャンティ・クラシコの醸造では柔らかな味わいの為にセメントタンクでの発酵と大樽での熟成にこだわっています。
こうして造られるワインはその品質を高く評価されています。ガンベロ・ロッソでも「キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ2009」が2012年、「キャンティ・ クラシコ・リゼルヴァ・フィッツィアーノ2010」が2013年にそれぞれトレ・ビッキエリを 獲得。また多くのミシュラン星付きレストランやホテルでオンリストされている他、ジャンニ・ブルガリを始め多くのセレブもマチエのワインを愛飲しています。また彼らは早くからアメリカのマーケットの開拓にも力を入れ、大手イタリアンレストランチェーン「オリーブ・ガーデン」でハウス・ワインとして採用されている他、国内のイタリアワイン市場で絶大な人気を誇っています。
彼らは一方でキャンティ・ワインの品質と地位向上にも尽力してきました。 19世紀に時のイタリア首相、リカソーリ男爵によってキャンティには白ぶどうを混醸する事が義務付けられました。そして20世紀に入るとキャンティの人気の高まりと共に生産エリアが拡張され、薄っぺらな味わいの粗悪な品質のワインも数多く出回るようになり、いつしかキャンティは安ワインの代名詞にまで落ちぶれてしまいました。 こうした流れに危機感をもった「ロッカ・デッレ・マチエ」を始めとするキャンティ・クラシコの生産者たちは法律に反旗をひるがえし、サンジョヴェーゼなどの黒ぶどうだけでキャンティを造るという行動に出ました 当然法律的には認められませんが、彼らの熱意は国内外から支持を集め、ついにイタリア政府をも動かし、1996年にキャンティを黒ぶどうのみで造る事を法律で認めさせたのです。
現オーナーのセルジオ・ツィンガレリ氏は、1985年よりワイナリーの経営に加わり、1989年に父イタロ氏から完全に経営を引き継ぎました。彼は父同様に常にワインの品質向上に腐心して「ロッカ・デッレ・マチエ」の名声を確固たるものとし、2009年にはキャンティ・クラシコ協会の副会長、そして2012年からは会長に就任、自らのワインだけでなくキャンティ・クラシコ全体の品質向上に尽力しています。
ワイナリーの入り口ではキャンティ・クラシコのシンボル、「ガッロ・ネロ」(黒い雄鶏)の像が訪れる人を出迎えます。 この像にはキャンティ・クラシコの造り手としての彼らの誇りが込められています。
———
■ムーンライト/Moonlite
シャルドネ35%|ヴェルメンティーノ30%|ピノ・グリージョ20%|トレッビアーノ15%
火打石や白い花、柑橘、オレンジの皮のような香り。グレープフルーツや青リンゴのようなフレッシュさとミネラル感があり、トーストやパイナップル、ドライマンゴーのようなほど良い厚みとバランスの取れた酸味が心地良い、味わいのしっかりした濃い白ワインです。
■ ヴェルナイオーロ・キャンティ/Vernaiolo Chianti
サンジョヴェーゼ90%|メルロー5%|カナイオーロ5%
フィレンツェとシエナ近郊のキャンティエリアの選りすぐりのぶどうを使用。標高は一番高い所で海抜700mになります。
ステンレスタンクで発酵後、数ヶ月静置し瓶詰め。
熟したチェリー、赤い果物のような香り。ドライアプリコットや木苺のようなエレガントな味わい。酸味とタンニンのバランスが取れ、柔らかな口当たり。どんなお料理にも合わせられる万能キャンティです。
■ キャンティ クラシコ ファミリア・ツィンガレッリ/Rocca Delle Macie Chianti Classico Famiglia Zingarelli
サンジョヴェーゼ95%|メルロー5%
90~100hlのスロヴェニアンとフレンチオークの大樽で6~10ヶ月間、瓶で最低1ヶ月熟成。
あんず、チェリーなどのフルーティーな香り。小梅、ハーブ、樽からのほのかなスパイシーさが感じられ、バランス良い酸味がありエレガントな印象です。
■ キャンティ クラシコ リゼルヴァ ファミリア・ツィンガレッリ/Rocca Delle Macie Chianti Classico Riserva Famiglia Zingarelli
サンジョヴェーゼ90%|カベルネ・ソーヴィニヨン5%|メルロー5%
ベリーやチェリーなどの凝縮感あるアロマ、 タバコやバニラのようなトーストした樽の香り。樽から来るおだやかなスパイスのニュアンスがあり、きめ細かい渋み、爽やかな酸味と、豊かなボディを構成するバランスの取れたタンニンが感じられ、力強く余韻の長い味わいです。
■ キャンティ・クラシコ「テヌータ・サン・タルフォンソ」/Chianti Classico Tenuta Sant’ Alfonso
サンジョヴェーゼ100%
「サン・タルフォンソ」は小石が混じる粘土質土壌の自社畑です。
完熟したブドウを1本の木から1~2房のみ手摘収穫、凝縮感のある味わいになります。35hlのフレンチオークの大樽で最低12ヶ月、さらに最低3ヶ月瓶熟成。
スミレ、チェリー、プラムなどの果実、ハーブ、スパイスのようなアロマ。口当たりはやわらかく、コーヒーのようなほろ苦さやミネラル感、エレガントな酸味と旨味も感じられる芳醇な味わい。
■ キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ「リゼルヴァ・ディ・フィッツァーノ」/Chianti Classico Gran Selezione Riserva Di Fizzano
サンジョヴェーゼ95%|メルロー5%
石灰や砂、小石土壌の自社畑「フィッツァーノ」のクリュ。
35hlのフレンチオークの大樽(一部バリック)で2年熟成。ブレンド後1年以上瓶熟成。
ワイルドベリー、スパイスのような強いアロマ、口当たりはやわらかくエレガント。豊かな果実味、熟した赤い果実のフレーバーが余韻まで長く残ります。
■ キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ「セルジオ・ツィンガレッリ」/Chianti Classico Gran Selezione Sergio Zingarelli
サンジョヴェーゼ90%|コロリーノ10%
粘土、石灰、砂のミックス土壌の自社畑「ル・マチエ」の最良のブドウを手摘収穫。
大樽発酵、トロンセ産のフレンチオークのバリックで18ヶ月、さらに瓶熟成1年。
チェリーのような赤い果実のアロマ、スパイスのニュアンス、口当たりはなめらかでエレガント、豊かな果実味と樽熟成から来る複雑な味わいが長く余韻に残ります。》
※《》内はインポーター資料より
http://www.apurevu.jp/winery_intro/roccadellemacie/
生産者の情報
http://www.apurevu.jp/winery_intro/roccadellemacie/
名称 | ロッカ デッレ マチエ キャンティ クラシコ ファミリア・ツィンガレッリ |
英字表記 |
Rocca Delle Macie Chianti Classico Famiglia Zingarelli
|
生産者 | ロッカ デッレ マチエ/Rocca Delle Macie |
国・産地 |
イタリア・トスカーナ
|
セパージュ【葡萄の品種】 |
サンジョベーゼ95%、メルロー5%
|
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2017 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 85 |
クラス※2 | レギュラークラス |
抜栓 | 2020/03 |