今回おすすめするワインはこちら。
ボルドー・ラランド ド ポムロールで造られるハイレベルな1本。ワイン評論家ロバート・パーカー氏が25年以上買い続けているシャトーです。
2008年にロバート・パーカー氏がテイスティング・セミナーのため来日した際、「偉大なる2005ヴィンテージのボルドー」というテーマで取り上げられた8本の内の1本。
ちなみに、この来日の際の質疑応答で、「ワインをどのように憶えているのか?」という質問に対し、
「ワインが3次元的な立体のように見える気がする」
と答えているそうです。普通の解釈では何のことか分かりづらいでのすが、身体意識の観点から考えるとよく分かります。ロバート・パーカー氏も潜在的には身体意識を捉えていたのかもしれませんね。
さて、このシャトー・グラン・オルモーですが、熟成により真価を発揮するワインです。個人的にも気に入っているのですが、最近は輸入されていないのか、ネット販売でも見掛けなくなってしまいました。再び流通して欲しいと思う1本です。
黒系果実の香り、スパイスやきのこ、トリュフ、森の下草のニュアンス。味わいは、美しい果実味とタンニンのシルキーなしなやかさが感じられます。全体としてスケール感と落ち着きがあり、気品と複雑さを兼ね備えた素晴らしいバランスのワインです。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸・大径軸)、サイド・センター(第2側軸)、中丹田、下丹田、肩包面、心田・心田流、ガイアのクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と大径軸が通り切っており、中径軸は天から胸の高さまで通っています。大径軸の上部はロート状になっており、飲んだ時に感じられるスケールの大きさを生み出しています。
サイド・センターは天性のクオリティを持ち、第2側軸が頭上から脚下まで通っています。味わいへ美しいストラクチャを与えています。
天性のクオリティを持つ身体意識の流れが複数あります。斜め上方から頭部で交差し、中丹田をかすめながら下方へ向かう流れ、柱のように天から上丹田、その下まで降りてくる流れ、背中側に降りてきて中丹田の下辺りの高さから体幹部へ向かって支えるように入ってくる流れがあります。味わいへ気品としなやかさを与えています。
天性のクオリティを持つ心田・心田流も形成されており、上記のモビリティを持つ複数の身体意識と併せて、気品としなやかさ、そして柔らかさを創り出しています。
中丹田は二重構造になっており、時間が経過して開いてくるとさらに大きく発達してきます。体幹内に収まっており、ボルドーワインらしい内に秘めた貴族的な情熱、美しい果実味を感じさせてくれます。
天性のクオリティを持つ肩包面が形成されており、そのすぐ下には左右からガイアのクオリティが入ってきています。肩包面があることでその高さより上部へ行くことはなく、森の下草、と表現される品のある香りを生み出しています。
下丹田が形成されており、重性のクオリティだけではなく天性のクオリティも混ざっています。その上部に左右へ広がる肩包面のような身体意識が形成されており、下丹田と併せて気品のある落ち着きを生み出しています。
このように身体意識から観ると、天性のクオリティが優位ながらも、熱性、重性、ガイアといったクオリティをバランスよく持っており、そこへ様々な方向からのモビリティが加わることで気品を保ちつつも味わいへ複雑さとしなやかさを与えていることが分かります。壮大な構造物を思わせるようなしっかりとしたストラクチャが魅力のボルドーワインもありますが、このワインの魅力は、メルロー主体のワインらしい美しさとしなやかさであり、「フィネス」と表現されるような洗練された上質感です。このような味わいもボルドーワインの魅力のひとつの方向性であることは間違いありません。ぜひ飲んでいただきたい一本です。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《醸造
除梗、破砕後、色素とアロマを最大限で引き出すために、低温浸漬が5日間行われる。アルコール発酵とマロラクテック発酵は、温度を調整されたタンクにて行う。最大限ブドウを凝縮させるため、高温での醸造は18日から30日ほど行う(収穫の状況に応じて日数は変動)。ワインは1年~2年ほど使用した樽で寝かされ、瓶詰めされる。
深いマホガニーのような色調。抜栓直後は閉じた印象が強いが、時間と共に2005年の偉大さを証明するような香り・味わいの広がりを見せる。 エレガントな樽香、さらにベリーやブラックカラントなどの黒い果実の風味に混じり、かすかに森の下草のやわらかなニュアンスが感じられ、後からシガーや枯葉のような香りも。 フィネスと複雑さを併せ持ち、口に含むと美しいボリューム感がある。飲む2時間以上前にデキャンタージュすることで、ワインのポテンシャルを十分に引き出すことが出来る。また、2日目以降は、抜栓直後とは全く違った印象を見せるので、ゆっくりと時間をかけ、様々な表情に触れていただきたい。 きのこのソースを使った肉料理や、脂の乗った旬の魚料理など、ひと手間かけたディナーに添えて楽しみたい一本。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.chateaugrandormeau.com
生産者の情報
https://www.chateaugrandormeau.com
名称 |
シャトー・グラン・オルモー
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英字表記 |
Château Grand-Ormeau Lalande-de-Pomerol
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生産者 | シャトー・グラン・オルモー(ジャン・クロード・ブトン/フランソワーズ・ブトン) |
国・産地 | フランス・ボルドー・AOC ラランド ド ポムロール |
セパージュ【葡萄の品種】 |
メルロー80%、カベルネ・フラン10%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2005 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 |
赤
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STポイント※1 | 91 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 202001 |