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イタリア料理界の巨匠、グアルティエーロ・マルケージ(Gualtiero Marchesi)が発見し広めたワイナリー「ラ・プレンディーナ」のフラグシップワイン。
葡萄を乾燥させる製法ですが、アマローネの製法とは異なり、乾燥させない葡萄を全体の20%〜30%使用し、バランスの取れた味わいにしています。
年間生産本数9000本という少量生産ですが、「ガンベロロッソ」や「ルカマローニ」などの専門誌から評価の高い一本です。
ラベルには、ヨットでの大西洋横断経験を持つ醸造家の経歴を踏まえ、海を渡る自分の船とそれに併走して泳ぐ鯨が描かれています。
ブラックチェリーなどの黒系果実の香り、カカオやスパイスのニュアンス。僅かにドライフルーツのニュアンスもあります。味わいは、凝縮した果実味とチョコレートのように滑らかなタンニン、しっかりとしたストラクチャも感じられます。余韻も心地よく、干し葡萄のニュアンスとフレッシュ感の絶妙なバランスが楽しめます。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸)、サイドセンター(第2側軸・第3側軸)、中丹田、腹赤、転子、大地とつながるクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と中径軸が通り、バランスの良さを生み出しています。
頭部へは少し広めに天性のクオリティが降りてきています。これはガルダ湖を中心としたテロワールの影響でしょうか。昼夜の寒暖差も関係していそうです。
サイドセンターは、第2側軸と第3側軸が形成されています。第2側軸は天性のクオリティを持ち、体幹部から股関節、脚まで通っています。第3側軸はしっかりとしたクオリティを持ち、ワインへストラクチャを与えています。
中丹田は三重構造をしており、その下には腹赤という身体意識が形成されています。果実味の凝縮感と飲んだ時の満足感を生み出しています。
天性のクオリティを持つ転子が形成されています。これは造り手の身体意識が反映されています。
転子の両脇には大地とつながるクオリティを持つ身体意識が形成されています。この身体意識はph値の高いアルカリ性土壌からの影響を感じさせます。
胸側へは左右上方から、背中側へは斜め上方からと真後ろから入ってくる身体意識があり、熱性のクオリティと天性のクオリティが重なり合って入ってきています。味わいに飲み飽きさせない絶妙なバランス感を与えています。テロワールの影響、特に気持ちよく吹き抜ける冷涼な風と暖かい太陽の影響を感じさせます。また、一方では干し葡萄とフレッシュな葡萄を合わせて使用している影響もありそうですね。
このように、伝統を感じさせるセンターやしっかりとした第3側軸などのストラクチャー、大地とのつながりがありつつ、現代的な天性のクオリティを持つ第2側軸や上方からの気持ちの良いモビリティもあり、製法に見られる伝統的手法と革新的手法の影響がよく表れている身体意識です。造り手の人柄も伝わってくる、素敵なワインだと思います。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《プレンディーナでは、国際品種でワイン造り
ヴェネト州のクストーツァの地でワイン造りをするジュリエットピオーナと父親が美しい葡萄園を見つけ、1958年に購入しました。
「同じピオーナ家のカヴァルキーナとの違い」
畑は互いに近く、15kmほどの距離しかありません。どちらの土壌もガルダ湖によって形成されており、気象条件もよく似ています。2つの畑の間にはミンチョ川が流れており、その川によってヴェネト州とロンバルディア州に分かれています。ミンチョ川は州の境界となるだけではなく、葡萄栽培の文化の違いも表しています。カヴァルキーナでは、土着品種であるガルガネガやコルヴィーナ、ロンディネッラなどの葡萄を栽培していますが、ここプレンディーナでは国際品種であるメルロやカベルネ ソーヴィニヨンを栽培しています。
「ガルダ湖の恵み」
ガルダ湖の南5kmにあります。ガルダ湖は、昼夜の温度差、最適な風通しをもたらし、丘の斜面は赤ワイン用の葡萄に欠かせない太陽の光をもたらします。土壌は混じり合っていて、粘土が主で、他は石灰岩ですが、pHは高くなっています。オーガニックではありませんが、葡萄1本ごとに葉を見て、1本ごとに手を施しています。
「塔のラベルと顔のように見えるラベル」 建物のラベルは、昔の人々が使っていた塔をモチーフにしています。3階部分に鐘がついており、時計を持たない農夫たちに、昼食の時間を知らせるために鳴らしていました。また、顔のようなラベルは、かつて船乗りだったピオーナの経歴にちなんだもので、海を渡る自分の船とそれに併走して泳ぐ鯨を表しています。
<評価>
ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2019」に、ガルダの優良生産者として掲載。
歴史
1958年 ヴェネト州クストーツァでワイン造りをするジュリエット ピオーナが葡萄畑を購入。カヴァルキーナの名で販売。
1980年 有名なシェフ、グアルディエロ マルケージのために瓶詰めしたワインが始めてプレンディーナの名前で販売開始
1990年 全てのワインがプレンディーナの名前で販売される
1996年 畑がD.O.Cに認定される
オーナー
ジュリエット ピオーナ:ルチアーノの父
ルチアーノ ピオーナ(エノログ & アグロノモ):ルチアーノは、大学を卒業後、すぐにワイナリーで働き始めたわけではなく、仕事はコンピューター関係、スキーのインストラクターなどをしていた。旅が好きで、世界中を見てまわったり、ヨットで数回大西洋を横断したりしたこともある。
葡萄園
50ha (70haの土地を所有)
栽培
収穫は手摘み。機械摘みにすると30%の葡萄を傷め、酸化して、香りを失う。
ワイン造りの物語
〈ルチアーノ ピアーノのワイナリー〉
カヴァルキーナ(ヴェネト)
http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442557997-493749&sf=1&mca%5B%5D=1234567890-654321&ca%5B%5D=1440578079-985991
トッレドルティ(ヴェネト)
http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442558008-027209&sf=1&mca%5B%5D=1234567890-654321&ca%5B%5D=1440578079-985991
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メルロ ガルダ ファイアル
メルロの特徴を最大限に生かし
アパッシメントを駆使したオリジナルワイン
「ファイアル」は、ルチアーノがヨットで旅をしていたことがきっかけで名付けました。ファイアルとは、ポルトガルのアゾレス諸島の名前で、イタリアを出発してから初めに立ち寄る島です。このワインも、伝統的なやり方と、新しいやり方を融合させています。収穫した葡萄を小さな木箱に入れて乾燥させます。収穫量を低く抑えているので、糖度は十分なレベルになっています。あくまでも乾燥によるニュアンスを与えるためで、アマローネのように長い期間は行いません。最大で3ヶ月です。伝統的な発酵の後、12〜14日間醸しを行います。マロラクティック発酵後、新樽と2年樽各50%で18ヶ月熟成させます。このワインは非常に長い寿命を持ったワインです。2013年に訪問した際、「ファースト ヴィンテージは1997年ですが、今飲んでも非常に若々しい状態です」とルチアーノは話していました。
2014
アルコール度数 16.5%
「ガンベロ ロッソ ヴィーニ ディタリア2018」で2グラス、「ルカ マローニ ベストワイン年鑑2018」で93点、「ビベンダ2018」で4房。》
※《》内はインポーター資料より
http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442557859-606520&sf=1
http://www.inaba-wine.co.jp/wine/?id=1443663606-260819&sf=1
生産者の情報
http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442557859-606520&sf=1
名称 | ガルダ メルロー ファイアル ラ・プレンディーナ |
英字表記 |
Garda Merlot Faial La Prendina
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生産者 | ラ・プレンディーナ |
国・産地 |
イタリア・ロンバルディア・ガルダ
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セパージュ【葡萄の品種】 |
メルロー100%
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2014 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 86 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 2019/09 |