今回おすすめするワインはこちら。
スペイン南西部、ポルトガルとの国境を成すエクストレマドゥーラ地方の美味しいワイン。造り手は「エクストラマドゥーラのベガ・シシリア※」と呼ばれています。
※スペイン高級ワイン産地のひとつであるリベラ・デル・ドゥエロに位置するトップワイナリー。スペインワインの頂点と称される「ウニコ/UNICO」の造り手。
エクストレマドゥーラ地方は、夏は酷暑で冬は厳冬、降雨量が少ないという大陸性気候の地域。スペインワインが造られている地域の中ではマイナーで、ボデガ(ワイナリー)も2004年に創業したばかりですが、創業者の財力を背景に、最高品質のワインを造る目的を果たすためには投資を惜しまない、という姿勢を貫いています。
ボルドーの研究所による土壌分析、最適品種の調査、樽内の溶解酸素や樹液流動状況の測定、殺菌状態の測定、各区画の灌漑の最適化など、畑の選択から栽培、醸造に至るまでスペインでは稀にみる最高レベルの近代技術を駆使して栽培を行っています。醸造に関わる人材も徹底した人選です。
葡萄栽培は適正調査の結果、
テンプラニーリョ
カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロ
カベルネ・フラン
プティ・ヴェルド
シラー
に絞っています。
このシレンシオはビンテージ毎の共通名称ですが、フラグシップであるNo.シリーズは年毎にワインは全て異なる味わいであるというコンセプトから、毎年No.が加算(年によっては複数本)されているようで、セパージュも毎年異なります。
Habla No.11 2010
カベルネ・ソーヴィニョン、テンプラニーリョ、プティ・ヴェルド
Habla No.12 2011
シラー 100 %
というような感じです。
さて、このシレンシオですが、黒系果実の香り、スパイス、カカオ、リキュールのニュアンスがあります。味わいは果実味が豊かですが、軽やかで上品さがあり、そこへ心地よいしなやかなタンニンが加わります。料理とも合わせやすい一本です。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸)、中丹田、リバース、心田・心田流、パームなど。
センターは細径軸が薄っすらと通っています。これにより、味わいに上品さを与えています。今後、ワイナリーが育ってくると、さらにクッキリと通ってくる可能性もありますね。
前頭部には、天性のクオリティが入ってきています。これは近代技術を有効に駆使していることが影響していそうです。
中丹田は縦長のものと、その周りを囲むように形成されたもの、という二重構造をしています。そこへ斜め上方からリバースが2本入ってきています。これは太陽などの環境から来ているものではなさそうなので、2人の創業者からのリバースと予想されます。2人のワインに対する熱い想いが反映されたものでしょう。
熱性のクオリティを持つ心田・心田流、パームが形成されています。これらは醸造に関わる優秀な人物の身体意識が反映されていそうです。例えば葡萄栽培のコンサルタントは、オーパス・ワンやルイ・ロデレール、シャトー・ディケム、シャトー・レオヴィル・ラスカーズなどを手掛けるシャビエ・ショーン氏が担当されているそうです。
胃から下丹田の位置くらいまでの長さで、第2側軸辺りの位置にしっかりとした側軸があります。タンニン由来のものだと思いますが、果実味系ワインに程よくストラクチャを与えています。
中丹田の上部に重なるようにガイアのクオリティもあります。
このワインは全体として計算されたバランス、良い意味で知的で工業製品的な印象を受けましたが、このガイアやパームがあることで、その印象が強くなりすぎないように整えられています。図には描き表しにくいのですが、葡萄のポテンシャルよりも人や技術よってここまで造り上げているのが伝わってくる身体意識です。
今後葡萄のポテンシャルが向上していけば、より自然な味わいになっていくと思われます。
葡萄がさらに樹齢を重ねていくと素晴らしいワインになりそうですね。
高岡師範もお気に入りの一本です。
<2019年11月2日追記>
高岡師範よりテイスティングコメントをいただきました。
「紫色の斜面を流れ崩れるような美味しさだ。」
身体意識を捉えた素敵な表現ですよね。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《柴田屋酒店自社輸入スペインワイン「HABLA」
「HABLA」とはスペイン語で「話す」。その名の通り、このうえなく美味しさを饒舌に語ってくれるワイン。
アブラデルシレンシオ
HABLA DEL SILENCIO 2013
フレンチオーク樽で6カ月熟成を経たワイン。色合いは軽快な飲み口を思わせるさくらんぼ色。チョコレートやリコリスといった香りの中に、チェリーリキュールを思わせる香りが際立ちます。フレッシュでありながら、上品な味わいです。
生産地:スペイン
ブドウ品種:シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ
※オーガニック
タイプ:赤/ミディアムボディ
アブラヌメロオンセ
HABLA No11 2010
色合いはブラックプラムのような深い赤。ブルーベリーや赤スグリ、フレッシュなバルサミコの香りが現れます。滑らかで柔らかなタンニンは心地よく、チョコレートとスパイスのようなアフターテイストが特徴です。
生産地:スペイン
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ、プティ・ヴェルド
※オーガニック
タイプ:赤/フルボディ
アブラヌメロドセ
HABLA No12 2011
色合いはガーネットのような官能的なプラム色。ラズベリーやブラックベリーに加えて、マンゴーやパッションフルーツ、パイナップルといった南国の果実を思わせる香りから、ラベンダーやライラック、スミレ、フェンネルなどの華やかな香りも現れます。ゆっくりと長く、さわやかな余韻が心地よく続き、フィニッシュにリコリスのニュアンスを感じます。
生産地:スペイン
ブドウ品種:シラー100%
※オーガニック
タイプ:赤/フルボディ》
※《》内はインポーター資料より
https://www.en.shibataya.co.jp/ebooks/kodawari_tsushin_0144/HTML5/sd.html#/page/5
生産者の情報
https://www.shibataya.co.jp/
名称 | アブラ・デル・シレンシオ |
英字表記 |
Habla del Silencio Bodegas Habla
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生産者 | ボデガス・アブラ |
国・産地 | スペイン・エストレマドゥーラ |
セパージュ【葡萄の品種】 |
シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2016 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 82 |
クラス※2 | レギュラークラス |
抜栓 | 201907 |