今回おすすめするワインはこちら。
専門家によるブラインド・テイスティング・コンテストで、世界最高峰のワインでありボルドーワインの頂点に君臨する「シャトー・ペトリュス/Chateau Petrus」と最後まで競い合った伝説を持つワイン。
ボルドー右岸の無名地域だったコート・ド・カスティヨン(2009年よりカスティヨン・コート・ド・ボルドーへ名称変更)を一躍有名にしました。漫画『神の雫』にも登場しています。
とにかく分かりやすく美味しいため、万人へお勧めできるワインですが、クラシックなボルドー好きには少し物足りないかもしれません。そのような方には本サイトに掲載しているシャトー・ピュイグローがおすすめです。
さて、このプピーユですが、ブラックベリー、ブラックチェリー、カシスなどの黒系果実の濃厚な香り、スパイスのニュアンス。味わいは、とにかくジューシーで濃厚かつ新鮮な果実感とボリューム感、きめ細やかなでシルキーなタンニン。品のある酸味もあり、込み上げる充実感・満足感があります。本当に素直に美味しいワインです。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸)、中丹田、肩包面、側軸、前腕のセンターなど。
センターは天性のクオリティを持つ細径軸が第3軸に通っています。これは落ち着いた機能性を感じさせるセンターで、ストラクチャに強さはありませんが、センターとしての機能をよく感じさせるセンターです。センターにはこのように、構造よりも機能が発揮されるタイプもあります。
中径軸もあり、天から胸の上くらいまで入ってきています。気品を感じさせる身体意識です。研究所の設立や葡萄栽培へのコンピューター管理の導入などから影響を受けているものと思います。
中丹田は正規の位置より少し上方(上端は喉の高さ)へずれています。これがこみ上げるような美味しさ、充実感、果実感のある飲みごたえを生み出しています。
その中丹田の上部に、しっかりした肩包面と、薄っすらとした熱性の肩包面があります。2つの肩包面は、味わいでいえばカカオのようなニュアンスを生み出しています。この肩包面と、その付近にある中丹田への下方のモビリティによって、熱性の気が上気するのを防いでいます。込み上げる美味しさを感じさせてから、それが上方へ漏れずに中丹田へ収まりきる、という二重の満足感を与えています。肩包面はある程度の規模があり、コート・ド・カスティヨンという地域を世界で初めて唯一の『有機栽培のアペラシオン』に育てようとする壮大なプロジェクト立ち上げへの影響もあるでしょう。抜栓して開いてくると、それよりも低い正規の位置に天性のクオリティを持つ肩包面も現れてきます。
肩包面の上部へは気持ちよく天性のクオリティか降り注いでいます。ガイアのクオリティではないですが、清浄なクオリティを持ち、自然環境の美しさ、その環境への配慮を感じさせます。
脇には枕のような身体意識もあり、これも飲んだ時の充実感、懐深いと言われる味わいへ影響を与えています。
腰の辺り、転子よりも少し広めの位置に天性のクオリティを持つ側軸も形成されています。これは、根を深くするために横に生える根をなくすことに関係していそうです。ミネラル感のあるピュアな味わいを生み出しています。
正規の下丹田の位置より少し高い位置に、小さな下丹田もあります。これは、肥料を極力与えない栽培方法と関係がありそうです。
前腕の橈骨尺骨の間には、天性のクオリティを持つセンターが形成されています。他のワインではあまり感じられない、このワインの特徴的身体意識です。橈骨と尺骨の間をスパッと透明感のある意識が通っています。これは、シャトー・プピーユで採用しているOxo Line racks(オクソライン・ラック)と呼ばれる、熟成中の樽を樽のまま回転させ、沈んだ澱とワインを撹拌する棚があるのですが、この作業を繊細に行うための身体意識だと予想されます。
有機栽培はもちろん、徹底した環境への配慮を行なっているシャトー・プピーユですが、オーガニック系ワインに見られるようなガイアのクオリティはあまり感じられません。この辺りが不思議なのですが、身体意識から観ると、目の前の生命とだけ結びついた配慮の仕方を超えた、大所高所に立った配慮を目指しているのかもしれませんね。
同じ造り手のワインとしては、
スタンダードな価格帯のセカンドワイン
シャトー・プピーユ/Chateau Poupille
や、
フラグシップワインで樹齢100年のメルローの古木から造られる、酸化防止剤無添加の
プピーユ・アティピック/Poupille Atypique
プピーユの醸造家カリーユ氏がサン・テミリオンで手がけるシャトーである
シャトー・オー・カルディナル/Chateau Haut Cardinal
がおすすめです。
カジュアルなシャトー・プピーユ、品格のあるシャトー・オー・カルディナル、自然の偉大なエネルギーを感じさせるプピーユ・アティピック、といったところでしょうか。
最後に、ペトリュスと張り合った、もしくは別のテイスティングコンテストで勝った、ということついて一言。
他のワインでも似たような事例は多々ありますが、本当に身体意識のレベルがそのクラスのワインと逆転しているような例は稀です。
確かに、味わいには分かりやすさがあり、テイスティングコンテストのような場ではそれが有利な条件となるため、そのような場で勝つことはあり得ることだと思いますが、身体意識のレベルとしては圧倒的な差があるということを、本サイトでは明確にしておかねばなりません。
ワインを真に評価するためには表面的ではなく身体意識から味わう必要があり、そのためには自身の身体意識が素晴らしい状態でなければなりません。そのことを是非とも覚えておいて頂きたいと思います。
最も、このような稀な例の代表がシンデレラストーリーを持つシャトー・ペトリュス自身でもあるのですが笑
だからこそ、シャトー・ペトリュスは五大シャトーを超える評価を得ているとも言えるでしょう。さすがは五大シャトーの良いところを併せ持つ、とまで高岡師範に称されるワインです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《シャトー・ペトリュスと張り合った伝説を持つカスティヨンを代表する、自然派ボルドーのパイオニア!
1700年代から続くワイン造りの歴史
現オーナーのフィリップ・カリーユ氏の母方の一族は1790年には既にサン・テミリオンでワイン造りをしていた記録があります。その後、父方の祖先が1850年にスペインより移住し、ワイン造りを始め、シャトー・プピーユを1967年に取得しました。シャトー自体は彼らが取得する前から、同名で存在していました。彼らが購入する以前も別の一族によりブドウ造りは行われていましたが、自社でワインを造る時期や(その当時のカーヴや醸造室は現在もあります)コート・ド・カスティヨンの協同組合にブドウで売られていた時期もありました。ジャン・マリー・カリーユ氏がワイナリーを取得したのと同じ時期に、現オーナーであり、シャトー・プピーユの名声を不動のものにしたフィリップ・カリーユ氏がこの世に生を受けます。彼は1989年よりシャトー・プピーユに参加するようになり、2008年に正式にオーナーとなります。
不断の改革を進め、年々その品質を向上させている、カリーユ氏
ウノローグ(醸造家)でもあるオーナーのフィリップ・カリーユ氏は、若い時からその能力を発揮、18歳の時にボルドーを離れ、各地で醸造技術者として請われ、南アフリカで3年、ギリシャで8年を含め、その他にも、アメリカ、チリ、ドイツ、オーストリアといった世界各地のワイナリーで活躍してきました。また、海外での経験により、「自分の嫌いなタイプのワイン、好きなタイプのワイン」を明確に知り、現在のワイン造りにも活かされていると言います。その後、1985年4月にシャトー・プピーユに戻りシャトーでのワイン造りを始め、シャトーの品質・味わいは大きく向上しました。より自然な栽培方法、より厳格な収穫時の選果、樽熟成中に澱とワインが均一に接触する為の回転式樽ラックの導入など不断の改革を進め、年々その品質を向上させています。2008年に100%父より完全に引き継ぎ、オーナーとなりました。

専門家によるブラインド・コンテストで最後までシャトー・ペトリュスと張り合った実力派!
ボルドー右岸サン・テミリオンのすぐ東側に位置する「コート・ド・カスティヨン」。僅か10数年前までは高品質なワインが存在するなどとは誰も考えていなかった、このマイナーなアペラシオンから彗星のごとく現れ、そのような状況を変えたのが、この「シャトー・プピーユ」のオーナー、フィリップ・カリーユ氏です。彼の造り出す「濃く、絹のように滑らかなワイン」は品評会でも話題となり、専門家によるブラインド・コンテストで、最後まであの「シャトー・ペトリュス」と張り合ったこともあるという実力派です。
次世代に環境を残すため...有機栽培
「高品質なワインを生み出すためには栽培は自然でなければならない」と考えるフィリップは、昔から有機栽培に近い自然栽培を行っていましたが、2005年から完全な有機栽培をはじめ、認証の申請を行いました。その後、申請が認められ、2008年ヴィンテージよりエコセールにて有機栽培の認定を受けました(2006年から転換中と表記)。
彼の有機栽培の方針は下記のようにまとめられます。
① 畑を耕すこと = 根を深くするために横に生える根をなくす
⇒ 根が土壌の深い所のミネラルをしっかり吸い込めるようになる
⇒ ミネラルの豊富なピュアなワインになる
② 肥料を極力与えない
センサーを区画ごとに植えて、ブドウの樹が健全な状態にあるようチェック(天候・温度等)。有機栽培に認められている肥料でも極力使用しない。
③ サン・テミリオンに研究所を設立
酸化防止剤を使用しないでワインを造る為にも、自分自身で研究所をサン・テミリオンに設立。
⇒ 現在は100を超えるシャトーから分析を依頼されるように。
有機栽培を始めた理由は哲学的やイデオロギー的な理由ではなく、環境問題。自然なブドウ畑、土壌、すべての環境を汚すことなく次の世代に渡したいと考えてのことです。自分に子供、家族、守るべきものが出来て、環境の大切さを実感しました。
そこで、土壌を汚染する農薬、化学物質の使用を一切やめました。また、川など水源を汚さぬようワインの醸造や洗浄に使用した排水は全て浄水設備で濾過してから川に流しています。
また、剪定のぶどうの枝を燃やした熱を循環させシャトー全体を暖める設備を造り、年間13トンのCo2の排出量を減らすシステムにも設備投資しています。
有機栽培で認められているボルドー液などの散布も極力抑えるように各ブドウ畑の区画にセンサーを設置し、ブドウの状態(気温、湿度)などが一瞬にしてコンピューターで見られるようにし、ブドウの状態をいつでも監視できるようにしています。このため、病気などの問題が起きた場合、初期段階での対処が可能となっています。

世界初の有機栽培アペラシオンを!
ボルドー全般的に厳しい状況にある中、「自然」というキーワードが未来を切り開くと考え、同じコート・ド・カスティヨンの300ある生産者にこの有機栽培を勧めています。この地区には3500haのブドウ畑があり、約300の蔵元があります。それらを全て有機栽培にし、フランスで初めて、いや世界で初めて唯一の『有機栽培のアペラシオン』に育てようという壮大なプロジェクトです。時間はかかるかもしれませんが、フィリップならばいつかやり遂げるかも知れません。

樽へのこだわり、オクソライン
■ 樽
フィリップはワイン造りにおいて樽の木の原産地を毎年のブドウの出来によって変えています。樽にブドウを合わせるのではなく、ブドウに樽を合わせるのです。年のブドウの出来により、リムーザン、トロンソー、アリエ、ヌベールなどのオークの木から造られた樽を選びます。それぞれの産地により、木の持つタンニンの量も違うからです。
■ オクソライン
樽での熟成中、底に溜まった澱(オリ)から複雑味を引き出すために一般的には「バトナージュ」という作業が行われます。これは蓋を開けて少しだけワインを抜き取り、櫂を入れて攪拌するというものですが、酸化のリスクがありバクテリアなどの混入のリスクがある為、酸化防止剤(あるいは抗菌剤)として亜硫酸塩を多く必要とします。できるだけ自然な(添加物の少ない)ワインを造るべくプピーユでは、「オクソライン」と呼ばれる回転式樽ラックを採用しています。
「オクソライン」とは、滑車のついたスチールラックのこと。この滑車のおかげで、ワインが入った状態でも樽を回転させることができます。ヴィンテージにもよりますが、通常熟成期間の最初の3カ月間、週に2回、一度180度回転させてから元に戻すという作業を行います。こうすることによって蓋を開けることなく澱がワインの中で舞い、ワインを不必要に酸化させることなく、つまり亜硫酸の使用をぐっと抑えた状態で、澱の旨味、福雑味をワインに与えることができます。
無添加を目指して 亜硫酸の考え方
ワインの酸化防止剤として、また抗菌剤として広く使われている亜硫酸塩ですが、「できるだけワインには何も添加したくない」と考えるフィリップは、その使用量を可能な限り抑えるべく、努力をしています。一般的なボルドーワインでは150mg/L程度(瓶詰された後のワインに残る亜硫酸塩の総量)、オーガニックワインでも100mg/L程度が通常ですが、プピーユの場合30mg/Lと数値はかなり低めです。
亜硫酸の使用を極力少なくしたいもう一つの理由が、天然酵母です。酵母がワインの味わいに与える影響は決して少なくなく、「人工的な培養酵母ではその土地の特徴を表現しえない」と言う醸造家は数多くいます。プピーユも同様で、フィリップ曰く「その土地の酵母を活かそうと思えば、まず畑で化学薬品を使ってはいけない。さらに、ワインの醸造中に亜硫酸塩を多く使ってはいけない。プピーユでは瓶詰の直前に少し入れる程度だよ。」とのことです。有機栽培、天然酵母の使用、そして亜硫酸の使用を制限すること・・・これらは密接な関係にあるのです。
シャトー・プピーユでは、すでに亜硫酸を一切使用しない「アティピック」というワインを生産しています。フランス語で「普通じゃない」という意味のこのワインは、良年のみに造られます。「亜硫酸無添加でワインを造るには、ワイン自体にアルコール、酸がきちんと備わっていることが大切なんだ。熟度も高く、かつ酸のあるぶどうを収穫しなくてはいけない。熟成中はオクソラインを使うため、樽の中は還元状態となり、亜硫酸を使う必要がなくなるんだよ」とフィリップは語ります。亜硫酸を一切使用しないワインでありながら、味わいに酸化や汚染のニュアンスは一切なく、健全そのもの。
※プピーユ アティピックには、製造の段階で人為的に亜硫酸塩は添加されておりませんが、醸造・熟成過程において酵母によって生成された亜硫酸塩が微量ながら検出されたため、裏ラベルには「酸化防止剤(亜硫酸塩)」と記載しております。

畑からセラーまで。一貫した哲学が自を
「未来に続くワイン造り」
シャトー・プピーユの哲学は、ワインの品質のみにとどまりません。畑の環境、そして次世代も視野に入れています。「環境においても、醸造においても、自然なスタイルで
未来に続くワイン造りを目指す」、これがフィリップのワイン造りの根底にあります。
エコロジカルな経営を
周辺環境を未来に残すために、とワイナリーの経営そのものがエコロジカルなプピーユ。
・ワイナリーでの電力を賄うためのソーラーパネル
・ブドウの枝を燃やして温熱化する設備(写真)
・硫黄、塩化銅の散布量を極力減らす。これらはビオロジックで認められているものの、環境への影響が疑問視されている。プピーユではその代替物として「アンペロス」※を使用
※アンペロス Ampelos ・・・バクテリアの一種。悪質な細菌がブドウ畑で繁殖することを防ぎ、土壌の微生物を活性化させ、ブドウ樹そのものの耐性を強化し、ベト病にも強くなる。スイスのBIOMA社が販売し、有機栽培のための環境に優しい製品として注目されている。ただし高価。
Poupille
プピーユ
専門家達のブラインド・コンテストにて最後までペトリュスと張り合い、世間を騒がせたワイン。海外での豊富な経験も持つカリーユ氏が一族のシャトーを大きく向上させています。》
※《》内はインポーター資料より
https://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/927.html
https://www.mottox.co.jp/search/detail.php?id=649627
生産者の情報
https://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/927.html
名称 |
プピーユ
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英字表記 |
Poupille(Philippe Carille)
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生産者 | シャトー・プピーユ(フィリップ・カリーユ) |
国・産地 | フランス・ボルドー・コート ド カスティヨン |
セパージュ【葡萄の品種】 |
メルロー100%
|
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2014 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 |
赤
|
STポイント※1 | 86 |
クラス※2 | ハイクラス |
抜栓 | 201903 |