今回おすすめするワインはこちら。
クラシックでピュアなバローロの代表格。
近年、早くから美味しく飲めるモダンなバローロが多数作られていますが、それらとは異なり、長期熟成後に真価が発揮される一本です。
このワインはピエモンテ州で作られるネッビオーロという葡萄で造られます。このネッビオーロを作っている代表的なエリアはタナロ川の北側「ロエロ」と南側の「ランゲ」であり、「ランゲ」の中の南西に「バローロ」、南東に「バルバレスコ」があります。それぞれテロワールが異なるため味わいも異なります。
今回ご紹介するのはバローロ D.O.C.G(バローロ統制保証原産地呼称)と呼ばれるワインですが、そのバローロ D.O.C.Gは11の村で造られており、中でも5大産地と呼ばれる村、「ラ・モッラ」「バローロ」「カスティリオーネ ファッレット」「モンフォルテ・ダルバ」「セッラルンガ・ダルバ」があり、それぞれ味わいの特徴が異なります。
11の村はさらに100以上の小さな区画「クリュ」に分けられます。ワイン名に付けられた「ブッシア」はこのクリュの一つで、モンフォルテ・ダルバ村北部に位置します。
バローロ村以外でもワイン名としてバローロを名乗れるのがややこしいですよね笑
ちなみにD.O.C.Gというのは、産地や品種、栽培方法などの規定を満たしていないと名乗れないもので、ある種の格付けになっています。もちろんあえてそれを名乗らない造り手もいます。
長くなりましたが、それほどまでにイタリアにおける「バローロ」というワインは特別なものなのです。「ワインの王であり、王のワイン」と呼ばれるのも分かります。
さて、このバローロ ブッシアですが、素晴らしいポテンシャルを感じます。
黒系果実の香りとフローラルで華やかな香り。味わいは、タンニンやミネラル感からくるしっかりとしたストラクチャが強く感じられます。これが若さを感じさせていますが、同時に長期熟成後の期待感も持たせてくれます。
凝縮感のある果実味があり、余韻も長く続きます。
以前この造り手の長期熟成後のワインを飲みましたが、それまでのバローロ観を変えるほどの味わいでした。固いタンニンが解れ、柔らかく包まれるようなニュアンス、アマローネ のような美しい干しぶどうのニュアンスも生まれており、95点は付けたいワインでした。
このワイナリー設立者であるアルド・コンテルノ氏は2012年に亡くなっていますが、造り手が息子たちに代わり、味わいがどのように変化して行くのかも興味深いです。
特徴的な身体意識は、センター(中径軸)、頭部に入ってくる天性のクオリティを持つ軸(頭2軸)、二重構造の中丹田、温球、肩包面、身体の両サイドにある太い側軸(側柱)
です。
センターはクオリティもよく、2軸の位置に入ってくる頭軸と併せてバローロらしい格調の高さを感じさせます。畑が高地にあることも影響しているのでしょう。
中丹田は二重構造であり、その周りに温球も形成されています。フローラルで華やかな香りを生み出しており、造り手の熱意も感じられます。
中丹田の上にはしっかりとした肩包面が形成されており、熱性の気が頭部へ上がらないようになっています。この辺りも格調の高さを感じさせます。
格調や品格というとボルドーワインが思い浮かびますが、バローロとボルドーワインの特徴の違いも研究していくと面白そうです。今分かっている違いは、バローロはイタリアらしく中丹田が身体外にまで形成されていたり、温球があったりする事が多いのですが、ボルドーワインは中丹田が身体内に収まっている事が多いようです。
格調がありつつも情熱を外にまで表現するバローロと、情熱はあるがそれを外へ見せないのが品格であり誇りであるというボルドー、といった具合でしょうか。熱い対比ですね。
通常の大径軸の幅(骨盤底、股関節の幅)よりも外側に、側柱(そくちゅう)と呼ばれる太い側軸が両側にあります。これもしっかりとした格調の高さを生み出しているのですが、固さも感じさせるものです。この身体意識が長期熟成の結果、柔らかいクオリティに変化、もしくは解体再構築され、全体としてさらに素晴らしい身体意識となることが予想されます。
この造り手の長期熟成後のワインにはこの側柱は目立たず、代わりに天性のクオリティが豊かに増えていました。センターは細径軸や大径軸も通り、全体として天性のクオリティと熱性・温性のクオリティのバランスが素晴らしく、柔らかい印象がありました。再度味わう機会があれば詳細に分析したいと思います。
この造り手のフラグシップワイン、
バローロ リゼルヴァ グランブッシア/Barolo Riserva Granbussia
も飲んでみたい一本です。
最高のヴィンテージのみ、畑の中で最も古い古樹から取れる葡萄を手詰みして造られます。8年間寝かせてからリリースされるスペシャルキュベです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《伝統派バローロの大家コンテルノ一族が手掛ける 本家ジャコモ・コンテルノをも凌ぐとも噂される バローロの代表生産者。
バローロの代表的な生産者アルド・コンテルノ。
アルド氏は伝統派バローロの名門ジャコモ・コンテルノの5代目でしたが、アメリカでのワイン造りの経験から、兄であるジョヴァンニ氏にジャコモ・コンテルノを託し、自らのワイナリー「アルド・コンテルノ」を設立します。
1969年に設立されたワイナリーは、現在アルド氏の3人の息子によって運営されています。
ワイナリーが位置するのは、モンフォルテ・ダルバ村の「ブッシア」の丘。
ロミラスコ、チカラ、コロネッロという3つのクリュに畑を所有しています。
南南西向きで、炭酸塩と鉄を豊富に含んだ粘土石灰質土壌からは、この地区特有の、堂々として格調高いネッビオーロが生み出されます。
アルド・コンテルノが重視するのは、テロワールの忠実な表現。
発酵中の醸しの時間を短くする、果皮を比較的早く圧搾するといった革新派の手法を取り入れつつも、熟成は伝統的なスラヴォニアン・オークの大樽で、2~3年間行われます。
こうして、伝統派バローロの力強い骨格と、モダン派バローロの奥深い果実味の両方を兼ね備え、テロワールが忠実に表現されたワインが出来上がります。
こちらは、銘醸畑ブッシアの異なる畑の樹齢15年以上のブドウを使って造られる1本。
26カ月間スラヴォニアン・オークの大樽で熟成されたワインは、
骨格のしかっりした熟成能力の高いスタイルい仕上がります。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/NS0230011
生産者の情報
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/NS0230011
名称 | アルド コンテルノ バローロ ブッシア |
英字表記 | Poderi Aldo Conterno Barolo Bussia |
生産者 | ポデーリ・アルド・コンテルノ |
国・産地 | イタリア・ピエモンテ・モンフォルテ ダルバ |
セパージュ【葡萄の品種】 | ネッビオーロ100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2013 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 88 |
クラス※2 | プレミアムクラス |
抜栓 | 201901 |