今回おすすめするワインはこちら。
1884年から英国王室御用達を拝命する大手メゾン(生産者)。
味わいにパワーのあるシャンパーニュについて語る際、「ボランジェのような」と形容されるほど、シャンパーニュの王道の一本です。
シャンパーニュを手掛ける大手メゾンの中でも、最もパワーとボリューム感のあるワインと言われています。
NM(ネゴシアン・マニピュラン→使用する葡萄の大半を農家から買取って生産を行うシャンパーニュ)の特徴である品質の安定感もあります。
常に安定した高品質なシャンパーニュを提供するため、直近の2つのヴィンテージをベースとして、マグナムボトルで5~10年間熟成させたリザーヴワイン(葡萄の出来が良い年に造られたブレンド用ワイン)が5~10%加えられているそうです。
通常のシャンパーニュにビンテージ表記のないものが多いのは、このように複数のヴィンテージをブレンドして造られるためです。
厳しい気候でも毎年安定した品質を保つための工夫ですね。
リザーブワインはシャンパーニュの大手メゾンの中では珍しく、樽を使って発酵させています。職人の手で古樽をメンテナンスしながら丁寧に使用しています。
ナッツ系の香りや焼いたリンゴのような香り、トースト香まではいかないイースト香、僅かに蜜リンゴのようなニュアンスもあります。泡はきめ細やかで柔らかく、そこへフワッとして温かな果実味と柑橘系果実の酸味がバランスよく加わります。
余韻は長く、柔らかい力強さとボリューム感があります。そして、これらをゆったりと包括するよに、大きな構造に支えられているかのような安心感があります。
料理との相性もよく、新鮮な生の魚介類から鶏肉のグリルまで幅広く合わせることができます。
特徴的な身体意識は、センター(大径軸)、頭部に入ってくる強い天性のクオリティ、中丹田とその両脇の巨大な枕のような身体意識など。
センターは、天性のクオリティを持つ大径軸よりも太いものが天地に通っています。これは味わいの安心感、安定感を生み、さらにはシャンパーニュの王道としての存在感も生み出しています。
大径軸に寄り添うように薄っすらと側軸が形成され、安定感を増しています。
この大径軸よりも細い大径軸が、下半身に形成されています。しっかりとした剛性のクオリティで、上方へ向かうモビリティを持っています。このセンターも力強さや安定感を生み出しています。上方へのモビリティにより、落ち着いた中にも渾渾と湧き出るような盛り上がりが起こります。
この下半身に形成された下軸の上部に重なるように乗舟のような形状の身体意識があり、ある程度の自由度はありつつも落ち着きや安定感を作っています。熱性の気が頭部へ上がらないように、下丹田のような役割も果たしています。
頭部には天性のクオリティを持つ面状の身体意識が形成されています。強く形成されているため、このワインの特徴の1つとなっています。上丹田のような働きもしています。
これと重なるように天性のクオリティのシャワーも降りてきています。
シャンパーニュをはじめとするスパークリングワイン(泡)は、天性のクオリティのシャワーや細径軸などの身体意識を持っていることが多いのですが、その特殊な形状の例でしょう。
もちろん中丹田も形成されています。そして、このワインのもう一つの特徴である、中丹田の両脇に形成された巨大な枕のような身体意識があります。
中丹田は熱性ですが、この枕は温性のクオリティです。熱性のクオリティと温性のクオリティは強弱の違いではなく、全く質が異なります。
この枕は温球と呼ばれる身体意識の特殊な形状のものだと思います。温球と同じような効果があり、両脇に大きな温かい布団を抱いて寝ているような状態に近いでしょうか。
ゆったりとした安心感を与えてくれます。フワッとした果実味もここから生まれています。
この身体意識の形成には、樽で熟成したワインを使用している影響もありそうです。ピノ・ノワールの比率が高いことも影響しているのでしょう。
このように観ていくと、王道のシャンパーニュをいくつか分析した結果、センターと三丹田が揃っているものがほとんどでしたが、このボランジェはそれらの身体意識が揃いつつも、特徴的な構造も持っているワインだと言えます。
ちなみに、分析したのはNV(ノン・ヴィンテージ)のボランジェですが、単独年の葡萄から造られるミレジメのボランジェは身体意識の構造が異なります。
一番の違いは質の高いクオリティを持つしなやかな細径軸が発達していることです。
シャンパーニュは泡の影響で通常の味わう方法では味が分かりにくくなってしまう場合がありますが、そういう時にこそ、身体意識で味わって欲しいと思います。
シャンパーニュの大手メゾンには、それぞれ固定ファンがおり、そのメゾンのシャンパーニュしか飲まない、という方もいます。
それぞれの方がシャンパーニュへ求める味わいや身体意識は異なるため、何が王道かという判断は難しいですが、少しずつ研究を進めてみたいと思います。
身体意識から観たときの、シャンパーニュとフランチャコルタ、カヴァの違いなども面白そうですよね。
泡とアルコールの組み合わせ、という消化器系には最悪の組み合わせですが笑
同じ造り手のシャンパーニュで11年熟成させた
ボランジェ ・アール・ディー
も飲んでみたい一本です。
R.D.はRecemment Degorge(レサマン・デゴルジェ)の略で「ごく最近澱抜きを行った」という意味です。
出荷直前まで澱引きを行わないという、気合の入ったコンセプトのワインです。映画「007」でジェームズ・ボンドが飲んでいる銘柄ですね。
<2019年7月31日追記>
ボランジェ ラ・グランダネ 2007を飲む機会がありました。
やはりミレジメは特別で、NV(ノン・ヴィンテージ)と比べ繊細さと滑らかさを感じさせます。
身体意識としては、大径軸は目立たず、天性のクオリティを持つしなやかな細径軸が天地に通り切っています。素晴らしい味わいでした。
2007年はピノ・ノワール70%、シャルドネ30%です。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《アイ村の名門シャンパーニュ・メゾン、ボランジェ。ボランジェは、創設者であるジャック・ボランジェによって1829年に造られ、その名を冠した名門シャンパーニュ・メゾンです。
生産に必要なブドウの約70%を、グラン・クリュとプルミエ・クリュが主な160haの自社畑から供給しています。
また、オーク樽での発酵や、カーヴでの長期に渡る熟成など、伝統的な醸造法によって支えられた製品の品質の高さにより、世界的な名声を確立しており、1884年からは英国王室御用達を拝命する稀少なメゾンのひとつとなっています。
現在も、設立当時から変わることなくボランジェ一族によって、生産における厳しい基準が保ち続けられ、1992年には、こうしたメゾンが長年守り続けてきた製法と基準を表す
“倫理と品質” を『ボランジェ憲章』として発表しました。
継承される伝統によって育まれる一貫したスタイルと、すばらしい品質を誇るシャンパーニュを造り続けています。
こちらのスペシャル・キュヴェは、そんな名門メゾン、ボランジェの伝統のスタイルそのもの。ボディー、バランス、深み、フィネスを持ち、独特なアッサンブラージュを毎年再現したボランジェの最もピュアなスタイル。
コルク栓をしたマグナムボトルで5〜10年間熟成させたリザーヴワインを用い、セラーで最低3年間かけて熟成させた、常に変わらぬ高い品質のマルチ・ヴィンテージシャンパーニュです。
きめの細かい上質な泡。
優しいイースト香とほんのり甘い日だまりのような香り。
穏やかなアロマとは対照的に、飲むときゅっと引き締まったレモンやオレンジを思わせる酸味が効いており、ふくよかで伸びやかなボディがあります。
余韻も長く、エレガントな飲みごたえのあるシャンパーニュです。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/JF4490042
生産者の情報
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/JF4490042
名称 | ボランジェ スペシャル・キュヴェ |
英字表記 | Bollinger Special Cuvée |
生産者 | ボランジェ |
国・産地 | フランス・シャンパーニュ・アイ |
セパージュ【葡萄の品種】 | ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ15% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | NV(ノン・ヴィンテージ) |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 泡(白) |
STポイント※1 | 88 |
クラス※2 | スペシャルクラス |
抜栓 | 201901 |