今回おすすめするワインはこちら。
スペインの地ぶどう品種の中で近年注目されている「モナストレル」の魅力を教えてくれる一本。
3000円以下のワインとは思えない秀逸な味わいです。
樹齢100年を超える古樹から作られるこのワインは、複雑で品のある香りと凝縮感のある果実味が感じられ、造り手のモナストレルへのこだわりが伝わってきます。
プラムなどの赤系果実の香り、トリュフやスパイスのニュアンス、樽熟成由来のバニラやカカオのニュアンスがあります。
凝縮感のある果実味と旨味がバランスよく感じられ、モナストレル特有の粒子を含み広がる空気感もよく現れています。
樽から生まれる複雑なファクターはありつつ、果実味を損なわないバランス感が絶妙で美しいワインです。
特徴的な身体意識は、三重構造の中丹田。これが1番強く感じられます。
口に含むと球状のものが身体内の空間から身体外の空間へ広がっていくような印象があるのですが、それを作り出しています。
その他には、熱性のクオリティを持つ第2側軸があり、中丹田の横から上へ抜けていきます。
ハイレベルな作りのモナストレルには、特有の浮き身が掛かるような身体意識を感じるのですが、このワインの場合はこの側軸がそれにあたります。
体幹の幅で顔から下に通る、黒で表されるしっかりとした大径軸もあります。
補助品種として扱われてきたモナストレルを、主要品種となるよう押し上げてきたブレないこだわりが生み出した身体意識なのだと思います。古樹のぶどうから作られていることにも関係が深そうです。
この大径軸と三層構造の中丹田が、現在の高評価の潜在的な理由となっているのでしょう。
身体意識図とワインラベルの色合いが似ているのも面白いです。
同じ造り手の、
カンポ・アリーバ/Campo Arriba
(モナストレル70%、シラー20%、ガルナッチャ・ティントレラ10%)
バラオンダ モナストレル/Barahonda Monastrell
(モナストレル100%)
もおすすめしたいワインです。
特にカンポ・アリーバは、2018年現在800円台で買えるショップもあり、ハイコストパフォーマンスのワインです。ぜひお試しください。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《4世代に亘り築き上げた“クオリティワイン”への道
■4世代に亘り築き上げたワイナリーの基礎
ワイナリーの歴史は1850年、ペドロ・カンデラ氏が自宅の一部に設けた小さなセラーで造ったワインを少しずつ販売し始めたことに始まります。
そして1925年、アントニオ・カンデラ・ガルシア氏は、「ボデガス・アントニオ・カンデラ」の名の下、自社畑でのワイン造りを始めます。次の代、アントニオ・カンデラ・ポベラ氏になると、ワイナリーは醸造面で大きな飛躍を遂げます。
販売が徐々に軌道に乗るようになるにつれ規模は拡大し、今度は最新の醸造設備も設置されるようになるなど、近代化が進みました。
4代目に引継がれた1990年代になると、これまで代々築き上げてきた基盤をもとに、ワイン造りの哲学から見直しをかけた大きなイノベーションが起こります。ワインの魅力を“デザインも含めてアピールする”というものです。
■クオリティワイン「バラオンダ設立」と「モナストレル種」への賭け
こうした流れのなかで、2000年4代目で現在のオーナー、アルフレド・カンデラ氏により新たに「バラオンダ社」が設立されました。
「地ブドウ、モナストレルの魅力を開花させること」、「最高の選果、最高の醸造と設備による“クオリティワイン”」これがバラオンダの使命です。
代々受け継がれたワイン造りへの情熱は、「バラオンダ」という形で新たな時代を迎えました。これは一家にとって大きな転換であり、それゆえに多大なリスクを背負うことを意味します。しかし、地ブドウとクオリティワインへの情熱、そして家族に支えられカンデラ家の若い世代の、新たな挑戦が始まりました。
■地元品種に賭けた情熱家
四代目となるアルフレド・カンデラ氏は、若い頃アメリカへ留学し経営学を修めた後、マドリッドで経営コンサルティングの会社に就職。数々の企業の経営管理に携わるという経歴の持ち主。全ては将来、ワイナリーを継ぐための準備でした。
幼い頃から家業のワイナリーは常に近い存在で、遊び場もワイナリー。よく手伝いもしたし、学生時代は学業そっちのけで毎年収穫を手伝っていたことから、常に「いつかは、兄と協力して父の跡を継ぐもの」だと考えていました。そして、兄が醸造学の道に進んだのを見て(現在、バラオンダの醸造長を務める)、自分は営業か経営をやりたいと思いました。アメリカでの経験を経て1994年、父から「そろそろ修行は終わり。戻って来い。」とのお達しがあり、いよいよ実家のワイナリーに戻ります。
しかし、実家に戻ってみると「バルク販売しかしていない」という実情を目の当たりにします。当時、モナストレル種という品種はスペインでは全く知名度がなく、補助品種の一つとして大手生産者のワインに色やボディを足すために使われていたのです。
アルフレドはこの状況を嘆き、そして考えます。それから6年後、実家での経験を積んだ彼は、兄に「モナストレル主体で自社元詰めのクオリティワインを造ろう!」と提案しました。これが2004年、兄弟で立ち上げた新しいプロジェクト、品質ワインをポリシーとする「バラオンダ」誕生の動機です。
■凄さの理由はこちら!輝かしい評価の数々!
バラオンダのワインは、そのコストパフォーマンスの凄さが専門誌からも高い評価を集めています。ロバート・パーカー氏「ワイン・アドヴォケイト」では、「価格をはるかに超えた掘り出し物!」と絶賛されています。同じ点数がついた他のワインに比べて大変お買い得であることに驚き、思わず口をついて出たコメントです。
■栽培の約80%がモナストレル種
自社畑で栽培される品種の約8割が、固有品種“モナストレル”です。
畑:自社畑と買いブドウ
栽培品種(自社畑):モナストレル75%、その他25%
赤)モナストレル、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、ガルナッチャ・ティントレラ
白)マカベオ
■偉大な地域ムルシア州と、小さなD.O.イエクラの宝石「モナストレル」
イエクラは、ムルシア州の北東に位置、スペイン中央部のメセタから地中海側への間にあり、比較的標高の低い山々に囲まれています。
D.O.の認定は1975年と、隣接するフミーリャ(1966年認定)よりひと足遅れてはいますが、一部のボデガではフミーリャ同様1980年代後半から「モナストレル」の偉大なポテンシャルに注目し、従来の粗野で田舎臭いスタイルのワインから、よりモダンでなスタイルのワイン造りへと舵を切り替える動きが始まっていました。
イエクラはスペインで唯一、ひとつの町(イエクラ)からなるD.O.で、最も小さなD.O.の一つですが、何よりイエクラの特徴となるのは地ブドウ「モナストレル種」の存在です。
ロバート・パーカー氏がこのモナストレルの偉大さに注目し、2006年にムルシア州を「世界の中でも偉大な地域」と表現したことから、かつて無名であったイエクラの名も一般に知られるところとなりました。
<モナストレル種> レバンテ地方が起源の地ブドウ(バレンシア州モルベドレ村付近)
15の原産地で使用が認められているが、モナストレル種を主力とする産地はムルシア州、フミーリャ、イエクラ、ブリャスの3つ。
実が小さくて皮が厚いという記録が15世紀の書物に残っているほど古くから栽培されており、フランスに渡りムールヴェードルとなる。なかなか熟しにくく収穫時期が遅い品種としても知られ、適熟には南スペインの強烈な太陽が必要。モナストレルは他の品種とブレンドされて使われることが多く、長く主体的に“凝縮感のある素晴らしいワインができる”と考えるワイナリーはなかった。カベルネやシラーの補助的品種と思われがちであるが、決してそうではないことを、近年、バラオンダを初めとするムルシア州のいくつかの造り手が証明しつつある。
■バラオンダの女王、「モナストレル」
地ブドウ、「モナストレル」はワイナリーが“私たちの女王”と呼ぶほど大切にしている品種です。政府の減反政策や国際品種との競争が激しさを増す流れのなか、バラオンダがモナストレル種にこだわったのは、そのポテンシャルを熟知しているから。そしてワイン愛好家たちがありきたりの国際品種には満足しなくなっていること、常に新しい“何か”を求めていることをアメリカの経験で体得していたからです。
年間300mmという極端に少ない降水量、大陸性気候という条件に加え、他のモナストレルの産地と比べて標高の高いイエクラ、そしてそのイエクラでも更に高地に畑を所有(600~850m)しているという好条件が揃い、数多く残る古木の畑に恵まれていること。受け継がれた財産を振り返ったとき、イエクラの、そしてバラオンダのテロワールに完璧に適応したこの地ブドウの素晴らしさを広めたい、という想いが確かなものとなりました。
モナストレル主体でブドウの果実味を感じてもらうこと。樽熟成による複雑味は、決して樽感が支配したものにならないようにすること
「フルーティ、エレガント、複雑味、ストラクチャー”。これら全てが“気楽なワイン”の中にあり、誰もが楽しめるものであること」
私たちのワインはプロのテイスターに向けたものではありません。
それよりも普通の飲み手に向けたものです。それはワインが普段の生活で人々の楽しみになりえる、と考えているからです。
エレダー カンデラ モナストレル/Heredad Candela Monastrell
樹齢100年!区画限定の希少ワイン。このワインは上級地区カンポ・アリーバの特定の区画のモナストレルを使用しています。非常にエレガントなスタイルです。》
※《》内はインポーター資料より
https://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/1246.html
https://www.mottox.co.jp/search/detail.php?id=649935
生産者の情報
https://mot-wine.mottox.co.jp/winery/publish/html/1246.html
名称 | バラオンダ エレダー カンデラ モナストレル |
英字表記 | Heredad Candela Monastrell Barahonda |
生産者 | バラオンダ |
国・産地 | スペイン・ムルシア・イエクラ |
セパージュ【葡萄の品種】 | モナストレル100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2014 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 84 |
クラス※2 | レギュラークラス |
抜栓 | 201808 |
【ワインの身体意識】-No.0036- バラオンダ エレダー カンデラ モナストレル/Heredad Candela Monastrell Barahonda