デキャンティングの判断と方法

ワインをさらに楽しむために、下記をご紹介します。

【デキャンティングの判断と方法】

デキャンティング(デキャンタージュ)とはボトルからデキャンタと呼ばれる特殊な形状をした容器へワインを移し替えることです。
その目的は以下の2つと言われています。

1.若いワインに対して、空気に触れさせることで酸化を進め、味わいのバランスを整える。(キャラファージュとも呼ばれる)
2.熟成したワインの澱を取り除く。

また、1に準拠した方法で、ワインを抜栓した状態で数時間から1日待つ、という方法もあります。

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デキャンティングするかどうかの判断は、ある程度の経験が必要ですが、飲みづらいな、と思ったら、とりあえず少量デキャンティングをしてみて、その前後の違いをよく味わうことが大切です。

その際の飲みづらさとは、概ね以下のような要素になります。

1.アルコール感が強い
2.酸味が立ちすぎている
3.渋い
4.荒さがある
5.香りがしない
6.還元臭と呼ばれる硫化水素由来の不快な香りがする(ブショネとは異なる)

このような飲みづらさを改善し、ワインをより美味しくする方法がデキャンティングです。

デキャンティングの効果として、香りや味わいの改善と身体意識の改善、という二系統の改善が期待できます。

香りや味わいについては、デキャンティングにより主に以下のように変化します。

香り → より強くなる。やり過ぎると飛んでしまう。酸化防止剤不使用の自然派ワインに多い還元臭はある程度改善される。

アルコール感 → 落ち着いて口当たりが柔らかくなる。やり過ぎるとワインの骨格が弱くなる。

酸味 → 落ち着いて解きほぐれ、柔らかくなる。やり過ぎるとワインの骨格が弱くなる。

渋味 → 解きほぐれて柔らかくなる。やり過ぎるとワインの骨格が弱くなる。

果実味 → あまり変化はないが、相対的に目立ってくる。身体意識が改善されると更に強くなることもある。

甘味 → あまり変化はないが、相対的に目立ってくる。身体意識が改善されると更に強くなることもある。

ミネラル感 → 硬かったものが解きほぐれて柔らかくなる。ただし、この硬質感が魅力となる場合もあるため、やり過ぎると味わい全体がぼやけたり、骨格が弱くなる。

デキャンティングはこのような変化を伴いますが、身体意識の優れた人間がデキャンティングを行うと、より少ない回数で、劇的な変化、素晴らしくバランスの取れた変化をもたらします。優れたデキャンティングにより、本当に開いたワインを飲む経験を重ねると、世の中の殆どのワインは本当のポテンシャルを発揮しないまま飲まれてしまっている、という事実に直面し、考えさせられるものがあります。

実際の年月を置いた方が良いワインももちろんありますが、開けてしまったからには美味しく飲むために最善を尽くすことが重要ですよね。

身体意識から観るデキャンティングの意味も、開かせてバランスを整えるということになります。その上で、身体意識から観るデキャンティングには2つの方向性があります。

1.デキャンタを利用して、空気に触れさせ酸化させることにより、身体意識を柔らかくする。各丹田を開かせる。

2.グラスからグラスへ注ぐ。デキャンタを利用するより酸化は進まないが、注ぐという行為でセンターを通す効果を期待できる。

1を横のデキャンティング、2を縦のデキャンティングと呼び区別します。

ワインの熟成は、ゆったりとした酸化による熟成と還元的熟成に分けられます。樽やステンレスタンク内での熟成は主に前者、酸素の少ない瓶内熟成は後者の影響が大きくなります。
酸化による熟成が足りない場合は容器へ移し替えるデキャンティング、還元的熟成が足りない場合は静かに行うデキャンティングを利用して身体意識を形成し、その気功効果により各成分の化学反応による均衡化を進め、ワインを飲みごろの状態へと近づけていくのです。

前述した、ワインを抜栓した状態で数時間から1日待つ方法は、酸化の促進というよりは、身体意識の促進という側面が強いのです。抜栓することにより身体意識が天へ抜け、センターを通す効果があります。

具体例として、以下ページにデキャンティング前後のワインの身体意識の違いを掲載しています。

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