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若い頃は力強く、熟成により優美さが増すブルゴーニュ・ポマール地区で、400年以上の歴史を誇るドメーヌを17歳で継承したユベール・ド・モンティーユが手掛ける一本。弁護士を続けながらワイン造りを続け、2014年11月に他界されました。現在は「ドメーヌ・ド・モンティーユ/Domaine de Montille」という名称で、息子エティエンヌと娘アリックスがワイン造りを行っています。
このワインの名称にあるレ・リュジアンという畑はポマールの南部に位置し、素晴らしいテロワールを有しています。力強くストラクチャのある長期熟成可能なワインが造られており、ポマール最高峰の一級畑と言われています。
1995年から有機栽培を開始。2005年には全ての畑をビオディナミ栽培へ移行。今回テイスティングしたビンテージは1995なので、その辺りも興味深いところです。近年のビンテージは早くからも楽しめる造りとなっていますが、この頃は長期熟成が前提となっている造りだったので、機会があれば近年のビンテージと比較してみたいですね。
近年は北海道函館でのワイン造りもはじめており、「ピノ・ノワール 豪」というワインをリリースしています。こちらは2018年がファーストビンテージとなっています。
熟成した野イチゴやプラムなどの赤系果実の香り、ドライフルーツやスパイス、土、ハーブのニュアンス。味わいは心地よい果実味と優しいタンニンが感じられ、派手さはないものの、じっくりとテロワールが伝わってきます。余韻は静かに深く長く続き、熟成を経て身体に染み入るような親和性を持ちつつある素敵なワインです。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸)、上丹田、中丹田、肩包面、心田・心田流、ガイアのクオリティなど。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と中径軸が美しく柔らかく通っています。特に細径軸は高く深く、味わいへ抜け通り染み入るような長い余韻を生み出しています。
頭部には上丹田が形成されています。造り手の身体意識が反映されたものでしょうか。その下部には、上丹田を乗せるように、ガイアのクオリティを持つ身体意識が形成されており、上丹田と併せて、味わう際に自然と向き合える知性を与えています。
胸には中丹田が形成されており、その周囲は優しいガイアのクオリティで包まれています。
中丹田の上部にはガイアのクオリティを持つ肩包面が形成されています。さらに、中丹田の下部にも同じような形状の身体意識が形成されています。
両脇にはガイアのクオリティを持つ心田・心田流が形成されています。
このように身体意識から観ると、全体としての構造はシンプルですが、高く深いセンターが形成されており、豊かで優しいガイアのクオリティで満たされていることが分かります。テロワールからの影響を反映しつつも、造り手自身の自然と向き合う姿勢とワイン造りを追求する姿勢がよく現れています。柔らかく深みがあり、身体に優しい感じのするお勧めの一本です。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《■ピュアなアロマを持つワインを生み出すブルゴーニュ屈指の上質な作り手
ドメーヌ・ド・モンティーユは、力強さや濃密さよりもバランスとエレガンスを重視し、素晴らしくピュアなアロマを持つワインを生み出すブルゴーニュ屈指の上質な作り手として知られています。
ドメーヌの起源は1730年代に遡りますが、今日のモンティーユをモンティーユならしめているドメーヌの現代の歴史は、ユベール・ド・モンティーユが亡き父の後を継いで齢わずか17にしてドメーヌでワイン造りを始めた1947年に始まります。その4年後よりドメーヌのワイン造りの全責任を一手に引き受けるようになったユベールは、定年を迎えるまでディジョンで弁護士を続けながらワイン造りを続け、ユベールの息子エティエンヌと娘のアリックス(ジャン・マルク・ルーロと結婚)もドメーヌの仕事を手伝うようになります。
当時、ドメーヌの自社畑は総面積わずか2.5ヘクタール程でしたが、1990年以降、銀行家として働いていた息子のエティエンヌがドメーヌでより責任のある仕事を担うようになるにつれて、コート・ドールでも格付けの高いブドウ畑を次々に買い足してゆきます。1993年にピュリニィ・モンラッシェのカイユレ、2004年にコルトン・シャルルマーニュ、2005年にヴォーヌ・ロマネのマルコンソールとクロ・ド・ヴージョを含むトマ・モワラールの自社畑の一部を買い取り、2012年にはシャトー・ド・ピュリニィ・モンラッシェを吸収合併し、シュヴァリエ・モンラッシェやピュリニィ・モンラッシェ・フォラティエール、ムルソー・ポリュゾ、サン・トーバンのアン・ルミリィ、クロ・デュ・シャトー・モンラッシェなどといった計14ヘクタールの名だたる銘醸畑を手中に収めました。現在ドメーヌは、総面積37ヘクタールの自社畑を所有しています。
またエティエンヌは、妹のアリックスと共に白ワインに特化した「レ・ドゥー・モンティーユ」というネゴシアン事業を2003年に立ち上げました。
■ビオディナミ栽培への移行
エティエンヌがドメーヌにもたらした最大の改革と功績は、1995年から有機栽培を始め、2005年から全ての自社畑のブドウ栽培をビオディナミ栽培へ移行させたことです。ユベールのワインが長期熟成を経て優美に成熟してゆくことで知られる一方、酒齢の若いうちは収斂性が感じられたのに対し、エティエンヌが実施したアプローチは、厳しい収量制限、有機肥料のみの使用、フェノール成分の成熟度合を慎重に見極めた収穫日の選択、醸造手法の緻密な微調整により、長期熟成力を損なうことなく、より豊かなアロマとシルキーで滑らかなテクスチャーを持つ酒齢の若いうちから打ち解けやすいワインを造ることでした。(ユベールがマストの発酵中、1日に6~8回ピジャージュし、ホールバンチ果汁を常に25~50%程の割合で使用していたのに対し、エティエンヌはピジャージュの回数を1日2回までに減らし、ホールバンチ果汁の使用比率は、0~100%まで幅を持たせ、ヴィンテージの質によって使用比率を判断しています。)
歳月を経ても変わらなかったのは、新樽比率を控えめにしている点で、木樽熟成の期間は14~18か月程。通常通りの年であれば、無濾過・無清澄で瓶詰しています。
エティエンヌとアリックスは、この歴史ある偉大なドメーヌをきめ細やかに変革させながら、ブルゴーニュでも指折りのトップ生産者としての地位を確固たるものとしています。
■ 2018 Meursault 1er Cru Les Porusots
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・ポリュゾ
【辛口/白】
品種:シャルドネ100%
畑面積:0.63ha
新樽率:25%
年間生産量:およそ291ケース
以前はシャトー・ド・ピュリニィ・モンラッシェの銘柄でリリースされていたワイン。
★パーカーポイント 90-92 点:バターの風味を纏った木生り果実や茹でたアーモンド、白い花の香りが溢れんば かりに香り立つ 2018 年のムルソー・プルミエ・クリュ・レ・ポリュゾは、ミディアム~フルボディの肉厚でしなやかなワ インで、丸みのあるチャーミングな味わいをみずみずしい酸がバランス良く引き締めている。酒齢の若いうちから 愉しめる親しみやすく表現力豊かなポリュゾ。≪2020/2/14 掲載≫
■ 2018 Corton Charlemagne
コルトン・シャルルマーニュ
【辛口/白】
品種:シャルドネ100%
畑面積:1.02ha(レ・プージェ)
醸造:新樽率30%
年間生産量:およそ475ケース
モンティーユが 2005 年に購入したこの区画(レ・プージェ:赤ワインも白ワインも作れるクリマ)は、このグラン・クリュの中で最も東側に位置して いる。樹齢は 15 年の若木から 45 年の古いものまである。南向きの斜面を持つため、モンティーユの自社畑の中でも最初に収穫を迎えること が多い畑である。新樽率 30%。
★パーカーポイント 91-93 点:2018 年のコルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュは、シトラスオイルやフレッシュなペーストリー生地、桃、アー モンド・ペーストの香りがグラスから浮き立つように香り、ミディアム~フルボディの生き生きとした包容力のある味わいが広がる。この年は、特に しなやかでチャーミングな味わいに仕上がっている。酒齢の若いうちから愉しめるスタイル。≪2020/2/14 掲載≫
■2018 Nuits St Georges Aux Saint Juliens
ニュイ・サンジョルジュ・オー・サン・ジュリアン
【辛口/赤】
品種:ピノ・ノワール100%
畑面積:0.58ha
樹齢:55年
土壌:粘土質
醸造:ホールバンチ果汁:1/3
新樽率:45%
年間生産量:およそ326ケース
ヴォーヌ・ロマネ側の傾斜地のふもと―1 級畑トレイ寄りに位置する区画。ヴォーヌ・ロマネに極めて類似するスタ イルを備えたこのワインは、非常にアロマティックで香水のようにフローラルな香りを持ち、収穫から 3~5 年の若 いうちから飲み頃を迎える柔らかく瑞々しい味わいです。
★パーカーポイント 88-90+点:2018 年のニュイ・サン・ジョルジュ・オー・サン・ジュリアンは、モンティーユのワイ ンの中でも、より原始的で内向的な性格を持つワインの 1 つで、野生のベリー系果実やウッドスモーク、牡丹の 花や森の下生えのアロマが香る。口に含むと、ミディアム~フルボディで若々しく噛み応えがあり、きめ細やかで 主張の強いタンニンが心地よく凝縮した果実味をすっぽりと包みこんでいる。更なる瓶内熟成を経ることで、ふ っくらとした丸みを増してゆくだろう。≪2020/2/14 掲載≫
2018NuitsStGeorges1erCruAuxThorey
ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレイ
【辛口/赤】
品種:ピノ・ノワール100%
畑面積:0.73ha
醸造:ホールバンチ果汁2/3
新樽率40%
年間生産量:およそ 380 ケース
ニュイ・サン・ジョルジュの広大で複雑なテロワールは、北に行くほどヴォーヌを彷彿とさせる繊細で豊かな香りを 持つ柔らかな味わいとなり、プリモー寄りの南に行くほど重厚で引き締まった味わいを持つ長期熟成型のワイン となります。モンティーユが所有する 073ha のオー・トレイの区画は、このクリュの中で最もヴォーヌに近い区画で、 土壌は主に石灰岩と泥灰土から成ります。ヴォーヌによく似た香り豊かでフローラルなアロマと瑞々しく柔らかな 味わいを持つワインで、収穫から 3~5 年の若いうちから楽しめます。
★パーカーポイント 91-93 点:牡丹の花やオレンジの果皮、野生のベリー系果実のアロマと甘い土の香りが序 盤に香る 2018 年のニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレイは、ミディアム~フルボディのほっそりと した骨格を持つエレガントなワインで、美しく見事なバランスと洗練されたストラクチャーを備えている。実に前途 有望なワインである。≪2020/2/14 掲載≫
■ 2018 Corton Clos du Roi
コルトン・クロ・デュ・ロワ
【辛口/赤】
品種:ピノ・ノワール100%
畑:トマ・モワラールから2005年に購入
畑面積:0.84ha
土壌:石灰岩の上に鉄と粘土が連なる
樹齢:70 年以上
醸造:ホールバンチ果汁 2/3
新樽率 45%
年間生産量:およそ 283 ケース
★パーカーポイント 92-95 点:2018 年のコルトン・グラン・クリュ・クロ・デュ・ロワは、実に格別な仕上がりで、熟れ たチェリーやラズベリー、燃えさしの中の赤い石炭、雛鳥のグリル焼き、黒トリュフや肥沃な土の香りを思わせる 複雑なブーケが香る。味わいは、深みと凝縮感のあるフルボディで、エレガントで男性的な骨格を備えたサラリと したタンニンに、生き生きとした酸が感じられ、余韻の長い後味がこだまのように広がる。≪2020/2/14 掲載≫
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■400年以上の歴史を誇る、ヴォルネイの老舗名門ドメーヌ
ドメーヌ・ド・モンティーユは、他の生産者からも、ワイン業界の関係者からも絶大な信頼と人気を集めているブルゴーニュの真髄とも言えるドメーヌ。人を魅了してやまない、素晴らしい香味をもった長期熟成型のワインを造り出します。
ド・モンティーユ家は、コート・ド・ボーヌで最も優雅なワインを産出すると言われるヴォルネイ村に、17世紀後半のフランス革命前から居を構える旧家。ワイン造りの歴史はフランソワ・ド・モンティーユ氏の代、1920年後半から始まりました。ユベール氏がその後確固たる基礎を築き、1995年に以前より仕事を手伝っていた子供たちにドメーヌが託されます。
ドメーヌを継いだ現当主エティエンヌ氏は、次々と畑やシャトーを購入し事業を拡大。エネルギッシュな行動力により、当初は3haのみであった自社畑は、今では37haにも及んでいます。加えて、ドメーヌ発展のための海外進出先として、日本の北海道、函館に進出することが発表され、日本ワイン業界を驚かせています。
世代交代後のワインの特徴としては、以前ほどの超長期熟成を必要とせず、比較的近づきやすいのが特徴。ワイン造りは1970~1980年代とほとんど変わっていませんが、栽培においては比較的変化が目立ちます。もともと除草剤は使用したことがなく鋤き入れで対応してきたといいますが、「高品質のワインは高品質のブドウからしか出来ない。
そのためには周囲と調和した生きている土壌が必要だ。土壌は単なる樹を地下で支える物質ではない」として、1997年から有機栽培へとよりナチュラルな栽培に変更し、更に近年はビオディナミに移行しています。
■ POMMARD 1ER CRU LES RUGIENS BAS
ポマール プルミエ・クリュ レ・リュジアン・バ
絶大な人気と信頼を集めるブルゴーニュの真髄。ポマール最高峰の一級畑で造り出される、飲み始めから余韻まで非常に繊細で滋味深い逸品。
他の生産者からも、ワイン業界の関係者からも絶大な信頼と人気を集めているモンティーユ。近年は北海道、函館でのワイン造りもはじめ、日本ワイン業界を驚かせています。こちらは、特級に格上げされるべき畑と言われるほど優れたテロワールを有する一級畑のキュヴェ。深みのある濃密な味わいのワインに仕上がっています。
味わい
野イチゴやチェリーなどの赤系果実のアロマ。凝縮した果実の旨味と滑らかなタンニンが口の中に心地良く広がります。ストラクチャー、バランス共に素晴らしい仕上がり。深みのある余韻が長く続いていきます。2014年のドメーヌ・ド・モンティーユのワインのなかでも最高の出来栄えです。
レ・リュジアンはポマール最高峰の一級畑とされ、畑の素晴らしさゆえ特級に格上げされるべき畑と言われるほど優れたテロワールを有しています。レ・リュジアンは、「リュジアン・オー」と「リュジアン・バ」の区画からなり、特に「リュジアン・バ」からは、深みのある濃密な味わいのワインが生み出されます。》
※《》内はインポーター資料より
http://www.millesimes.co.jp/wineinfo/wineinfo-1126/
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/LC0150080
生産者の情報
https://www.demontille.com/fr/
名称 | ユベール・ド・モンティーユ ポマール プルミエ・クリュ レ・リュジアン |
英字表記 | HUBERT DE MONTILLE POMMARD 1ER CRU LES RUGIENS |
生産者 | ユベール・ド・モンティーユ /HUBERT DE MONTILLE(Domaine de Montille) |
国・産地 | フランス・ブルゴーニュ・ポマール |
セパージュ【葡萄の品種】 | ピノ・ノワール100% |
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 1995 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 90 |
クラス※2 | プレミアムクラス |
抜栓 | 2020/12 |