今回おすすめするワインはこちら。
1909年創業の伝統あるワイナリーが、イタリア・ヴェネト州の伝統品種のコルヴィーナに、カベルネ・ソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼをブレンドして造るコストパフォーマンスの高い一本。
コルヴィーナ種は葡萄を陰干し(アパッシメント)してから造られる「アマローネ/AMARONE」で使用される主要品種で、このヴァルサイアでも短期間ですが陰干ししてから使われています。
葡萄樹の仕立ては伝統的な背の高いペルゴラ仕立てを採用。陰干しに適した葡萄を収穫するため、湿気の多い地面からの高さを確保しています。
通常のワインは1本辺りおよそ葡萄1kgを使用するのですが、陰干しの場合、その倍以上必要となります。リゲッティ家では、プレス圧の低い特殊なプレス機を使用。柔らかくエレガントなワインとなります。
生産量の96%以上を輸出しており、国際マーケットでの人気の高さがうかがえます。
ブラックベリーなどの黒系果実の香り、プラムやレーズンなどの少しウエットなドライフルーツ、カカオや珈琲、スパイスのニュアンス。僅かにバニラ香。味わいは、ボリューム感のある熟した豊かな果実味と適度な甘味と柔らかな酸、タンニンが感じられます。アタックは強いのですが、それらのバランスが良く、僅かに閉まるような収斂性と粗さがありながら、満足感のある余韻も感じられます。ブレンドしているそれぞれの葡萄の特徴がよく分かる一本です。
特徴的な身体意識は、センター(中径軸)、中丹田、腹赤、天から降りてくる天性のクオリティを持つ身体意識など。
天性のクオリティを持つセンターは、中径軸が通っています。適度に隙間が感じられるので、味わいの個性を持ちながらも、料理との合わせやすさを生み出しています。
頭部には天性のクオリティを持つシャワーのような身体意識が入ってきています。果実味のボリュームがあるだけのワインではなく、味わいへスッキリとした印象を与えています。
中径軸の両サイドには、天性のクオリティを持つ身体意識が天から降りてきています。ストラクチャもある程度ハッキリとしており、頭部に入ってくる天性のクオリティと合わせて、味わいへスッキリとした印象を与えています。
中丹田は二重構造になっており、それぞれの中丹田が天性のクオリティに包まれています。アマローネを中心としたアパッシメント系のワインには、このような熱性身体意識を天性の身体意識で包むような構造があるようです。葡萄を干す行程に関係のある身体意識でしょうか。両サイドには薄っすらと天性のクオリティを持つ側軸も形成されています。
その中丹田には、下方から天性のクオリティを持つ身体意識と熱性のクオリティを持つ身体意識が入り込んできています。このように異なるクオリティを持つ身体意識が入ってくることにより、味わいへバランスの良さを生み出しています。
中丹田のすぐ下には腹赤と呼ばれる身体意識が形成されており、中丹田同様その周りが天性のクオリティで包まれています。その腹赤からは下方に向かうモビリティがあり、余韻へ伸びと満足感を与えています。
肩の上部には、タンニン由来と思われる収斂性を伴う身体意識が形成されています。少し粗さを伴う身体意識で、熟成と共に柔らかくほぐれてくることが予測されますが、このままでも、その粗さがあることにより合う料理もあるのが面白いところです。少しクセのある肉料理などはその典型です。
このように身体意識から観ると、熱性身体意識と天性身体意識のバランスが素晴らしく、この価格帯としてはかなり満足感のあるワインであることが分かります。いくつもある天性のクオリティを持つ身体意識の中には、地面から高い位置で葡萄を育てている仕立てが影響しているものもありそうです。気軽に楽しめる一本なので、ぜひ飲んでみてください。
この造り手のワインはどのワインも安定して楽しめますが、中でも
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ G&G/Amarone Della Valpolicella Classico G&G
は1度飲んでみたいワインです。
選ばれた最高の4樽のみから造られる年間生産本数約1000本の限定アマローネです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《魔法ではなく、常に厳格な仕事を続けている。ワイン造りはたいへんな労力のいる仕事
「毎年安定した品質」
カンティーナは、ヴァルポリチェッラ クラッシコの中心に位置するマラーノ ディ ヴァルポリチェッラの小さな地区、ヴァルガタラにあります。借りている畑は、6村周辺の様々な場所や向きにあるため、それぞれの天候の違いが大きく、ある畑が悪くても他が良いという風に、天候不順のリスクを回避し、品質の安定を保つことが出来ます。95歳になった父ルイジは、足腰は弱っているが頭はしっかりしており、ワイン造りの相談にのってくれます。記憶力が良く、過去の作柄を聞くとすぐ答えてくれます。「1965年の収穫は〇月〇日だった」。
「トップクラスのヴァルポリチェッラの生産者と同レベルの品質で、価格は2~3割安い」
1997年にヴィニタリィのヴァルポリチェッラ生産者組合のブースへ行き、20種類以上のいろいろな生産者のワインを試しましたが、良いと思ったワインのほとんどが、法外とも言える高い価格でした。私どもは、ほぼあきらめかけた気持ちで、ヴィニタリィに出展していない、このルイジ リゲッティを訪問いたしました。その結果は…、これらのワインを私どもがご紹介させていただくことでお分かりいただけるでしょう。
■ヴァルサイア
土着品種にカベルネをブレンド
それぞれの長所を引き出した秀逸品
「ヴァルポリチェッラの地域の伝統を引き継いだ新しいワインを生み出したい」という考えから生まれたヴァルサイアは、この地域の伝統品種であるコルヴィーナに、カベルネ ソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼを加えています。サンジョヴェーゼの畑は、ヴァルポリチェッラ区画外にあります。ヴィンテージによっては、コルヴィーナを11月の末まで木箱で乾燥させます。’16VTは10~15日間アパッシメントしています。アマローネの熟成に使ったバリックを使って寝かせています。濃い赤黒色、コーヒーを思わせる心地よい深いフレイバーがあり、甘さを伴った力強いタンニンと充実感を持っています。ラベルの絵はルイジ リゲッティ家の新築した熟成庫です。「飲む温度は18~20度がベスト。飲む2時間前に開けておいてくれたらうれしい。味の濃いパスタや、ステーキ、もちろんチーズにも合う」とジャンマリアは話していました。
■ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ
葡萄を干して乾燥させる
ヴェネト州を代表するワイン
18軒の契約農家からの最良の葡萄を買っています。収穫した葡萄は陰干しするため、実際ワインになる量は30~35hL/haでしかありません。2月までアパッシメント(陰干し)した葡萄を使用しています。天然酵母を使用します。アマローネを仕込む時期はとても寒く糖度も高いため、発酵にとても時間がかかります。その後50hLのフレンチオークの2年樽で15ヶ月熟成させています。葡萄の糖分が多いためアルコール度は高く、パワフルなワインになっています。残糖も5gほど残ります。やや濃いガーネット色、アマローネ独特の個性的な強く甘い香り、強いだけではなく果実味とタンニンとボリュームのあるアルコールが見事に調和しており、すばらしいワインとなっています。「アマローネを飲む時にはパルミジャーノがベスト」とジャンマリアは話していました。
■ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ カピテル デ ロアリ
葡萄を厳しく選別して仕込む
ルイジ リゲッティ格上の“アマローネ”
「カピテル デ ロアリ」は、「チャペルの樫並木」の意味です。樫並木は、土地の境界線の役目を果たしていました。畑は決めず、その年によって最良の畑の葡萄を使います。アマローネ(I098)よりも標高の高い部分の畑の葡萄を使っています。日当たりが良い丘陵地にあり、粘土質の多い土壌で、収量は低くなりますが良い葡萄が出来ます。このアマローネは厳しく葡萄を選別するため、100kgの葡萄から最大でも30~35Lしかワインになりません。10月に房のまま収穫した葡萄は、3月までアパッシメント(陰干し)します。アマローネを仕込む時期はとても寒く糖度も高いため、発酵にとても時間がかかります。天然酵母を使用します。大樽と225Lのバリック各50%で、18~20ヶ月熟成させています。大樽とバリックの比率は年によって異なりますが、樽の影響が出すぎないようにしています。ふちが僅かにオレンジかかった深いガーネット色、ビターチョコレート、シナモンを思わせる香りもあります。力強いアタックがあり、かすかに甘味を感じます。喉越しは驚くほどなめらかで、余韻も素晴らしく長く続きます。
■ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ G&G
選ばれた最高の4樽のみから造られた、
生産量、約1,000本の超限定アマローネ
生産量の非常に限られた特別なワインです。「G&G」とは、リゲッティ家の兄弟、ジャンマリアとジュゼッペの頭文字をとったものです。良いヴィンテージにしか生産しません。畑は、古くからヴァルポリチェッラを産する「クラッシコ」のエリアの丘陵地にあり、標高は300mです。また、このワインには非常に樹齢の高い葡萄(最低30年)を使います。摘み取った葡萄を木箱に入れ、5ヶ月間、アパッシメント(陰干し)します。その後、翌年の2月から3月にかけてプレスします。発酵は天然酵母を使い、温度コントロールしながら20日間行います。その後、フレンチオークのバリックで24ヶ月熟成させます。その中から、試飲をして最も素晴らしい4樽をこのワインのために選びます。フィルターをかけずにボトリングし、1年間瓶熟させています。ガーネットを帯びた深い赤色。暖かみのある味わいで、口当たりはベルベットのようにとてもしなやかです。深みと広がりがあり、非常にバランスがとれています。’10VTの生産量は、僅か1,020本です。》
※《》内はインポーター資料より
https://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442557976-139468&sf=1
https://www.inaba-wine.co.jp/wine/?id=1443663605-193335&sf=1
生産者の情報
https://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1442557976-139468&sf=1
名称 | ヴァルサイア ルイジ・リゲッティ |
英字表記 |
Valsaia Luigi Righetti
|
生産者 | ルイジ・リゲッティ/Luigi Righetti |
国・産地 |
イタリア・ヴェネト
|
セパージュ【葡萄の品種】 |
コルヴィーナ、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ
|
ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2017 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 83 |
クラス※2 | レギュラークラス |
抜栓 | 2020/09 |