身体意識(Body Awareness)とは

BA_トップセンター(三層構造)

身体意識(Body Awareness)とは
『身体意識は、運動科学者 高岡英夫が発見した身体と精神の境界領域に空間構造をもって存在する潜在下意識であり、人間の心身にわたるあらゆる能力を本質の側から支配する働きを持つ。

古来人間の本質力の中心として重要視されてきた身体を天地に貫くセンター(正中線・体軸)や前頭部・胸部・下腹部に各々形成される上・中・下丹田などがその代表例。今日では研究により500種以上存在することが分かっている。

身体意識はストラクチャー、モビリティ、クォリティという3つの要因から成り立ち、様々な色(クォリティ別に重性を黒、冷性を青、熱性を赤で表現)の点、線、面を使って図示することができ、それを身体意識図と呼ぶ。

ワインの場合、造り手たる人間だけではなく、人の手によるワインにも身体意識は存在する。
我々がワインを飲む際に感じる感動は、表面的な味わいだけに留まらず、造り手やワイン造りを取り巻く環境が創り出す、ワインに結集された身体意識を、追体験する感動でもある。
古来より多様なテイスティング表現が生み出されてきたが、その中でも
ボディ、重い/軽い、柔らかい/硬い、骨格のある、流れるような、しなやかな、
など味覚・臭覚では捉え切れない豊かで深いワイン独自の感覚世界を表現しようとした言葉も多数見受けられる。
これらは潜在下意識であるワイン独自の身体意識を、細胞レベルで感じ取り表現しようとした先人たちの努力の結晶であり、ワイン文化が人の本質まで到達している所以であろう。

高岡は武術家を始め人類史上の英雄・天才の身体意識を分析、身体意識図を『「身体意識」から観る天才学』『極意化の時代』(共に BAB ジャパン)等多数の著書で発表している。』
※『』内は2019年7月1日追記(文責:運動科学総合研究所所長 高岡英夫)

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3D_model_BA_身体意識
3D_model_body awareness_身体意識

通常、身体意識を図示する際は平面図として描かれますが、実際は上図のように空間構造をもって存在します。上図では、三層構造のトップ・センター(細径軸・中径軸・大径軸)と三丹田(上丹田・中丹田・下丹田)を表しています。

「身体意識(Body Awareness)」

とは、運動科学者高岡英夫が発見した身体と精神との境界領域に存在する潜在意識のことです。

視覚、聴覚をベースに成立する「視聴覚的意識」に対し、体性感覚をベースに成立する「体性感覚的意識」の学術的な省略表現としての名称です。また身体意識の英語表現を「ボディ・アウェアネス(略称:BA、旧称:ディレクト・システム 略称:DS)」といい、そのシステムは複数の要素の身体意識で構成されています。

また、ある人物のボディ・アウェアネスを描き起こしたものを「身体意識図(略称:BA図)」と呼びます。
《》内は-人間力サイト-より引用

身体意識は精神と身体のちょうど中間に存在し、心身未分の領域を形成しつつ、精神・身体双方と緊密かつ整合的に関係する意識の構造です。

身体意識はストラクチャ・クオリティ・モビリティという3つの要素からなります。
点・線・面・立体の形状(ストラクチャ)を持つファクターが、大分類で約50種類(武術・スポーツ・バレエなどの領域で歴史的に知られ、重用されてきたセンター・軸・正中線は身体意識の直線形状のファクターの実例であり、東洋の武術・禅やその他の修行法で歴史的に知られ、重要視されてきた丹田はその球形状のファクターの実例である)、小分類で約500種類存在し、500種類のファクターは各々が強/弱・硬/軟・重/軽・熱/冷・密度・粘度・滑性・弾性etc.の多様な物性に近い質性(クオリティ)を有し、また各々が移動・回転・揺動・波動etc.の多様な運動性(モビリティ)を有します。研究が進み、今日では、これらのファクターの一つ一つが、精神と身体双方の健康と能力を含む在り方全体に根底から多大な影響を与えていることが解明され、さらにそれらファクターをトレーニングによって改善強化することで、健康と能力を根底から改善強化するシステムも開発されています。
《》内は-ユルエクササイズサイト第8話-より引用

ワインにおける身体意識とは、そのワインを飲んだ時に受け取る感動構造そのものです。
身体で深く味わえた際に感じられる身体各部の意識構造やそれを取り巻く周囲の意識構造のことです。

例えば、食べ物の場合、美味しいアラビアータを食べた時の味わいから来る感動と、ざる蕎麦を食べた時の感動、ラーメンを食べた時の感動は同じ麺類なのに全く違いますよね。
同様に、もう少し狭い範囲で、焼き餃子と焼売と春巻でも違います。これらは使っている食材、調理法、そして、シェフの腕などによって生じる違いであり、その違いから感動構造、すなわち身体意識の構造の違いが生まれるのです。

皆さんもご存知の通り、ワインは葡萄という同じ果物から作られる液体であるにもかかわらず、それらに匹敵する、時にはそれ以上の味わいから来る感動の違いを我々にもたらしてくれます。
深い味わいのフランスと明るく濃い果実感のあるアメリカの違い、これはテロワールの違いによるところが大きいのでしょう。同じヨーロッパでも、深さを感じるフランスと明るさを感じるイタリアの違い。フランス国内でのボルドーとブルゴーニュの違い。ブルゴーニュの中の地区や村での違い。さらには同じ村での畑による違い。同じ畑での造り手による違い。同じ造り手での収穫年による違い。同じ収穫年での選定や醸造法による違い。飲む時の気温、湿度による違い。ワインの温度による違い。抜栓時間による違い。グラスによる違い、などなど。実に多彩な感動があります。
その多様性が重なることから生まれる、多彩な感動こそがワインの真の魅力と言えるのではないでしょうか

その魅力を表現する方法は、歴史上の先人達の研鑽により培われてきた様々な言語表現によるものであり、その多大なる財産で今日我々はワインから受ける感動を自由に表現することができるのです。
その事に十分な敬意を払う一方、新しい時代へ向け、新たな表現方法を提示していく必要があると考え、「身体意識(Body Awareness)」に着目しました。

「身体意識(Body Awareness)」によって表現することには大きく2つのメリットがあります。
1.可視化/記号化できる。
2.言語を超えた表現と理解を生む。

これらのメリットが、世界中のワインの飲み手と造り手の双方へ伝わり、美味しいワインをさらに深く味わう、さらに美味しいワインを造るという良循環へ少しでも寄与できたら嬉しく思います。

代表的な身体意識

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