エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV/Eric Rodez Champagne Grand Cru Ambonnay Cuvee des Crayeres NV 〜おすすめワインリスト〜

エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV

今回おすすめするワインはこちら。

「シャンパーニュの帝王」と称えられる「クリュッグ/KRUG」の元チーフ・エノロジスト(醸造責任者)、エリック・ロデズが手掛ける一本。

知的さと情熱を併せ持つ彼の、クリュッグでの経験を生かしたアッサンブラージュ※の妙技や巧みな樽使いにより、高いポテンシャルを持つシャンパーニュを生み出しています。

※ 複数の異なる葡萄品種や畑、ビンテージのワインをブレンドすること。

2005年よりアロマテラピー法による自然農法を開始。アロマテラピー法とはエッセンシャルオイルの香りにより害虫やカビを防ぐ方法です。オイルの散布は自然のバランスを崩さないため30ml/haに制限する、自然との調和を目指した農法です。その成果により、2013年には「シャンパーニュで畑の状態が最も良いメゾン」に選ばれています。

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エリック・ロデズは「ワイン造りは音楽である」と言います。我々RM※の生産者は、大手とは違い、喜びや情熱に溢れたシャンパーニュを造り出す、と語ります。

※ レコルタン・マニュピュランの略。自分の畑のブドウだけを醸造してシャンパーニュを造る。

エリック・ロデズにとってのワイン造りは、
「ワイン」=「作品」
であり、
「造り手」=「自然をどのように表現するかという芸術家」
とのこと。

造り手の仕事は畑の区画毎の音を聴き、醸造により音と音を合わせ、テロワールの音楽を奏でること、畑仕事の際も葡萄を傷つけてしまうと演奏が途切れてしまうため大変な仕事です、と語り続けます。

自然農法で育てられた葡萄のエネルギーをワインへ生かすため、マロラクティック発酵※はほとんど行わず、ドザージュ(リキュール添加、補酒)も5g/Lと少ないのが特徴。

※乳酸菌がリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスへ分解する発酵。

エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV_1
エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV_1

グレープフルーツなどの柑橘系果実や洋梨などの白系果実、桃などの黄色系果実の香り、蜂蜜のニュアンス。気泡は柔らかく細やか。味わいは、満足感のある自然な果実味と酸が感じられ、ミネラル感も豊富です。僅かに果実由来の自然な甘みもあり、エレガント。余韻まで柔らかさとコクが途切れることなく続きます。

特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸・大径軸)、サイド・センター、中丹田、太陽からのリバース、下丹田、肩包面、心田・心田流など。

天性のクオリティを持つセンターは、細径軸、中径軸、大径軸といった3層構造のセンターが通っています。中でも細径軸、大径軸はハッキリと通っており、味わいへ大きな構造を与えています。中径軸は薄っすらと通っており、主張しすぎていないところが、ある種の味わいの自然さを生んでいます。泡の柔らかさと細かさもこの中径軸が影響していそうです。

天から頭部へかけて、天性のクオリティを持つシャワーが降り注いでいます。上丹田のような働きをしており、造り手の知的さの現れでしょうか。

中丹田は巨大な二重構造になっており、そこへ太陽からのリバースが入ってきています。これは造り手のワイン造りに対する情熱が反映されたものでしょう。味わいに対して満足感のあるコクを与えています。

下丹田も大きなものが形成されています。ミネラル由来のもので強さはそこまでないのですが、味わいにゆったりと堂々とした落ち着きを生み出しています。中丹田とのバランスを取っており、天性のシャワーや中丹田上部に形成された肩包面と併せて、熱性のエネルギーが上気することを防ぎ、バランスの取れた味わいを生み出しています。

下丹田の両脇にはサイド・センターが形成されています。しっかりとしたクオリティを持っており、味わいへ骨格を与えています。熟成とともに、クオリティが柔らかく変化していく可能性があります。

脇には天性のクオリティを持つ心田・心田流が形成されています。そこへ重なるように、天性のクオリティを持つ柱のような身体意識が、天から降りてきています。清々しい動きのある骨格、とでも表現できるような味わいを生み出しています。

BA_エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV
BA_エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV

このように身体意識から観ると、全体として清々しく柔らかでエレガントな印象を受けます。中丹田や下丹田が大きく、果実味やミネラル感を豊かに感じさせます。期待していたエッセンシャルオイルによる影響は、身体意識図からだとはっきりとは分かりませんが、全体的なクオリティやエレガントさに現れているのかもしれません。また、造り手が音楽に例えていることも興味深かったのですが、こちらもその特徴ははっきりとは分かりませんでした。より詳細に調べると、そのような身体意識があるのかもしれません。今後の研究課題ですね。

さて、もう一つ気になるのは、やはり「クリュッグ/KRUG」との比較でしょうか。

クリュッグ グランド・キュヴェ_1
クリュッグ グランド・キュヴェ_1
クリュッグ グランド・キュヴェ_2
クリュッグ グランド・キュヴェ_2

シャンパーニュの帝王であるクリュッグ。
クリュギスト(Krugist)と呼ばれる愛飲家を生むほどのシャンパーニュであり、エリック・ロデズがチーフエノロジストを務めていたことからも、比較せずにはいられませんね笑

ちなみに、歴代のクリュギスト四天王は、エリザベス女王、ココ・シャネル、マリア・カラス、アーネスト・ヘミングウェイと言われています。それぞれの身体意識を調べると、どの程度クリュッグに影響を受けていたか分かるかもしれませんね。クリュッグ程の身体意識になると、その身体意識よりも劣っている人間はいくらでもいます。まさに鍛錬の必要性を感じさせますね。

1843年設立のクリュッグの創始者であるジョセフ・クリュッグが、2代目である息子ポールに宛てたメッセージは以下の2つだったそうです。

「品質で妥協したくなる時もあるだろう。しかし、一度妥協すればメゾンの名声は瞬時に地に堕ちると思え」

「高品質の2つのシャンパーニュを造れ。最初のキュヴェは毎年変わらぬもの、2番目のキュヴェはその年の特徴を引き出したものだ」

このメッセージにある「毎年変わらぬもの」が、
クリュッグ グランド・キュヴェ/KRUG GRANDE CUVEE
です。

グランド・キュヴェは、通常のシャンパーニュ における「NV(ノン・ヴィンテージ)」に相当しますが、クリュギストは「MV(マルチ・ヴィンテージ)」と呼ぶそうです。

マルチ・ヴィンテージとは、「最高のシャンパーニュを追求した結果、複数年のワインをブレンドすることこそ至高である」という意味。

大手メゾンでは、ブレンドしたヴィンテージや種類は公開されていないことが多いのですが、圧倒的な誇りと自信を持つクリュッグでは、ワインについての詳細な情報を得ることができます。

ボトルの裏側のラベルの左下にある、
More information about this cuvée at www.krug.com
と書かれた下にあるIDを

https://www.krug.com/jp/

へ入力すると、その詳細が表示されます。

例えば、先ほど掲載した画像内のクリュッグのIDは、
411049
ですが、その概要は以下の通りです。

———-
■打栓の時期
2011年秋

■コンポジション
ピノ・ノワール44%
シャルドネ37%
ピノ・ムニエ19%

■ブレンド
12の様々なヴィンテージに由来する134種類のワイン

■最も古いベースワイン
1990年

■最も若いベースワイン
2005年

■クリュッグ最高醸造責任者からのコメント
2005年の葡萄を68%使用と記載

■テイスティングノート

———-

長くなりましたが、このような
クリュッグ グランド・キュヴェ/KRUG GRANDE CUVEE
の特徴的な身体意識は、
センター(細径軸・大径軸・さらに太い大径軸)、頭部に幅広く降り注ぐ天性のクオリティを持つシャワー、中丹田、天性のクオリティと重性のクオリティを併せ持つ下丹田など。

BA_クリュッグ グランド・キュヴェ
BA_クリュッグ グランド・キュヴェ

全体としての構造はシンプルですが、特に胴体下から脚にかけて圧倒的な存在感と威厳があります。エリック・ロデズのシャンパーニュよりもさらに構造が明確かつ強力なのが特徴です。クリュッグも本当に美味しいシャンパーニュですよね。

クリュッグのシャンパーニュには明確な理想があり、そこへ妥協なく近づけていくスタイルだとすると、エリック・ロデズのシャンパーニュは、葡萄の持つポテンシャルを引き出して、自然にそれを表現するスタイルと言えるでしょう。ぜひ飲んでいただきたい一本です。もちろんクリュッグも一緒に笑

BA_エリック・ロデズ_クリュッグ_比較
BA_エリック・ロデズ_クリュッグ_比較

この造り手、エリック・ロデズのワインはどれもお勧めですが、中でも、年ごとに最も優れた4~5区画の中でも厳選したブドウを使用し、ヴィンテージ最上のキュヴェを作り出すトップキュヴェ「テロワールシリーズ」である、

グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール
Eric Rodez Grand Cru Ambonnay “Empreinte de Terroir” Pinot Noir

がお勧めです。平均樹齢は40年以上のピノ・ノワールから造られるシャンパーニュで、アンボネイ村のピノ・ノワールの真価が発揮されている素晴らしい一本です。

グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_2
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_2
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_1
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_1
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_5
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_5
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_6
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_6

このアンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワールは、非常に質の良いセンターが感じられます。シャンパーニュの傾向として、熟成するとセンター、特に細径軸に様々な身体意識が吸収され、センターの質が高まり、柔らかくしなやかなセンターになる場合があります。

グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_3
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_3
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_4
グランクリュ アンボネイ アンプラント・デ・テロワール ピノ・ノワール_2004_4

ブラン・ド・ブラン(白葡萄、主にシャルドネ100%から造られるシャンパーニュ)の三傑※で幻のシャンパーニュと呼ばれる「アラン・ロベール/Alain Robert」にもその傾向が感じられました。
特に、小規模経営のワイナリーにその傾向があるのかもしれませんね。

※ 他の2つは、サロン/SALON、クリュッグ/KRUG。

アラン・ロベール ル・メニル・レゼルヴ_1989_1
アラン・ロベール ル・メニル・レゼルヴ_1989_1

長くなりすぎましたが最後に一言だけ笑
アラン・ロベールに限らず、優れたシャンパーニュは例外なくスティルワイン(非発泡性ワイン)として美味しい要素がベースとしてあり、泡が雑味の誤魔化しとしての機能ではなく、味わい、特に身体意識を高める機能を持っています。アラン・ロベールを初めて飲んだ際に、それまでのシャンパーニュに対するイメージが完全に固定観念にとらわれていた、ということに気付かされました。まさに、ベースとしてのワインの美味しさが最高にありつつ、さらに泡の魅力も重なってくる、というシャンパーニュの基本を間接的に造り手から教わったような素晴らしい体験でした。美味しかったなぁ。。笑

アラン・ロベール ル・メニル・レゼルヴ_1989_2
アラン・ロベール ル・メニル・レゼルヴ_1989_2

一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。

豊饒なアンボネイ村の結実と、アッサンブラージュの妙技。シャンパーニュの精華、エリック・ロデズ。

アイ村、ブージイ村とならんで類稀なるピノ・ノワールを産み出すことで知られるアンボネイ村。ドメーヌは村の中心から教会を抜けて県道を超えた離れにある。サインは国道沿いに看板が立っているだけ。知的で情熱的で弁舌豊かなエリック・ロデズ氏の人柄を想えば、実に地味な構えである。ドメーヌの裏手には彼の得意なエノロジーを生かした、「分析所」の看板がある。

エリック氏はアンボネイのテロワールや、樽を使った醸造を語り始めると、それこそマシンガンのように止まらない。最も大きな特級村であるアンボネイ村の村長を務めるだけあって、行動派で雄弁で、そして理論家である。

エリック氏はボーヌの醸造学校に学び、その後ボジョレーとローヌでエノロジストしての経験を積んだ後、実家のロデズ家を引継ぐまでの間、名門クリュッグに勤めた。本人も「素晴らしい経験だった」と語るクリュッグの数年間はチーフ・エノロジストとして活躍した。

テロワールにあわせて改植を進めたり、リュット・レゾネを採用したりと、実に手間のかかる畑での仕事をこまめに行う一方、クリュッグ仕込みの経験を生かしたアッサンブラージュと樽使いにも一家言ある。

ドメーヌならではの丁寧な畑の手入れで仕上がった葡萄は古い小樽を中心に新樽、大樽、ステンレスタンクなども組合わせて醸される。そして出来上がったベースワインはエリック氏によるアッサンブラージュの妙技を経て、複雑深遠なる一瓶に集約される。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ・キュヴェ・デ・クレイエール
Champagne Grand Cru Ambonnay Cuvée des Crayère

モンターニュ・ド・ランス最高峰の村として、ブージイ村と名声を分け合うアンボネイ村の巨星がロデス。ピノノワール50%、シャルドネ50%、24〜26ヶ月瓶熟。名門クリュッグでのチーフエロノジストとしての経験を活かしたアッサンブラージュと樽使いの技術は超一流。ベーシック・キュヴェとしては破格量である40〜45%のヴァン・ド・レゼルブが用いられるキュヴェ。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ・ブラン・ド・ノワール
Champagne Grand Cru Ambonnay Blanc de Noirs

アンボネイ村は、ブージイ村と同じ斜面に隣接した南向き斜面の畑の村であり、その卓越したピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランスの両巨頭である。そのアンボネイ村のベストパートからなるピノノワール100%のキュヴェ。芳醇でふくよかの中に素晴らしいフィネスを持ち合わせる。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ
Champagne Grand Cru Ambonnay
(Millésime)

ピノノワール50%、シャルドネ50%、48〜60ヶ月瓶熟。ブージイ村に隣接した南向きの斜面とシャルドネに適した表土の薄い南東向きの斜面を持つ。力強いピノノワールと酸とミネラルの際だったシャルドネに、樽の複雑味が加わり、若いうちは暴れているかのようである。熟成させてから実力の出る一品。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・アンボネイ・キュヴェ・デ・グラン・ヴァンタージュ
Champagne Grand Cru Ambonnay Cuvée des Grands Vintages

クリュッグのチーフ・エノロジストを務めたロデズ氏が、自らの威信にかけて魂をこめるキュヴェ。89、90、92、93というヴィンテージのみで、アッサンブラージュ。「マロあり、マロなし、新樽、1年樽、2年樽、コンクリートタンク、ステンレスタンク、品種の違い、パーセルの違い・・」といった無限の組み合わせを造り、ベスト・キュヴェの為だけにブレンド。1994年に瓶内2次発酵に入って以来、毎年ごく僅かずつのみ、デゴルジュしてリリースしている。

※《》内はインポーター資料より
https://www.vinpassionco.com/producer/producer-004/

生産者の情報
https://www.vinpassionco.com/producer/producer-004/

名称 エリック・ロデズ グラン・クリュ アンボネイ キュヴェ・デ・クレイエール NV
英字表記 Eric Rodez Champagne Grand Cru Ambonnay Cuvee des Crayeres NV
生産者 ドメーヌ エリック・ロデズ/Domaine Eric Rodez
国・産地 フランス・シャンパーニュ・モンターニュ ド ランス・アンボネイ
セパージュ【葡萄の品種】 ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%
ビンテージ【葡萄の収穫年】 NV(ノン・ヴィンテージ)
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 泡(白)
STポイント※1 90
クラス※2 ハイクラス
抜栓 202003
※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。
※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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