音楽とワインのマリアージュ

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ワインをさらに楽しむために、『音楽とワインのマリアージュ』について取り上げたいと思います。

一般的には、その時飲んでいるワインとどのような音楽が合うのか、あるいはその時聴いている音楽とどのようなワインが合うのか、とういうことを考える際、料理とのマリアージュと同様に、ワインの香りや味わいから受ける印象、音楽から受ける印象、それぞれの地域や年代、水準などを手掛かりとしますが、ここへ『身体意識』という概念を導入することにより想像以上のマリアージュを生む可能性が高まります。

メロディやハーモニー、リズムなど、音楽の各構成要素から考えようとすると恣意的になりがちなワインとの合わせ方ですが、身体意識の観点から考えると料理と同じようにある程度の規則性を持って合わせることができます。基本的な考え方は料理とのマリアージュと同じです。

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マリアージュの方法は大きく分けて、

■同系統の身体意識のものを合わせる
■足りない身体意識を補うように合わせる

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という2つの合わせ方があります。

音楽、特にクラシックは同じ曲でも指揮者や演奏者によって全くと言ってよいほど身体意識が異なるため、専門的な合わせ方が必要になります。

ここでは作曲家の身体意識の特徴を例に、音楽とワインとのマリアージュについてご紹介させて頂きます。

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まずは圧倒的なセンターの高さ、深さを誇る神童モーツァルト/Wolfgang Amadeus Mozart。高雅な天性のクオリティを持つ身体意識を豊かに導入しており、奥深いリズムが立ち上がってくるような身体意識が形成されています。

このような身体意識を持つモーツァルトの曲、特にサー・ゲオルク・ショルティ/Sir Georg Soltiが指揮するようなモーツァルトの曲とのマリアージュを考えるならば、

同系統では、
天上のような、と形容される
熟成したブルゴーニュのグラン・クリュ 、例えばシャンベルタン/Chambertinやリシュブール/Richebourgのような身体意識の傾向を持つワインが合います。実力のある造り手でしたら、地域名クラスでもそれなりに合わせることができます。

足りない身体意識を補うような合わせ方では、センター系身体意識を持ちつつもより情熱的で世俗的なワイン、例えばモダンな造りのボルドー右岸のワイン、イタリアのスーパートスカーナやタウラージ/Taurasi、スペインのリオハ/Riojaやリベラ・デル・ドゥエロ/Ribera del Dueroのワインなどが合います。

次に音楽の父と称されるバッハ/Johann Sebastian Bach。センター、美しい形状の三丹田、肩包面、ウェーブや波動軸と呼ばれるリズムを創り出す身体意識が特徴です。

このような身体意識を持つバッハの曲とのマリアージュを考えるならば、

同系統では、
モンラッシェ/Montrachetやムルソー/Meursaultに代表されるような美しい身体意識を持つワイン、イタリアのバルバレスコ/Barbaresco、「ヴェローナの宝石」と呼ばれるアマローネ、シャンパーニュやアルザスの辛口リースリングなども合います。

足りない身体意識を補うような合わせ方はいろいろ考えられますが、例えば太陽や大地と繋がる身体意識を持つワイン、ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプ/Chateauneuf du Papeなどが合います。

最後は楽聖ベートーヴェン/Ludwig van Beethoven。センター系身体意識、特に強力な第2軸、上丹田とそこへ3次元に展開する強力無比な構造、巨大な中丹田、どんなプレッシャーにも耐えうる下丹田と背面ウォール、強烈な流舟、心臓から血管、その中を通る血液を強く身体意識化したブラッドシステムなどが特徴です。

このような身体意識を持つベートーヴェンの曲とのマリアージュを考えるならば、

同系統では、
ストラクチャの強いセンターと三丹田が形成された、人間賛歌を感じさせるボルドー、特に左岸のワイン、イタリア・ピエモンテの古典的なバローロ/Baroloなどが合います。

足りない身体意識を補うような合わせ方では、柔らかく温かいクオリティやガイアのクオリティを持つワイン、イタリア・トスカーナのキャンティ・クラシコ、カリフォルニアのメルロー、ニュージーランドのソーヴニョン・ブランなどが合います。

このように、聴いている音楽がより素晴らしく聴こえるようなワインがあり、飲んでいるワインがより美味しく感じられる音楽があります。

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上記はほんの一例ですが、他にも身体意識の様々なクオリティとモビリティを持つヴィヴァルディ/Antonio Lucio Vivaldiの曲と合うワイン、心地よく降り注ぐ重性のクオリティを持つテノール歌手パバロッティ/Luciano Pavarottiの歌声と合うワインなど、いろいろと探してみると楽しみ方はさらに広がります。

身体意識の観点を取り入れると、ワインと料理のマリアージュだけに留まらず、絵画とワイン、文学作品とワイン、映画とワイン、漫画とワインなど、様々な文化とのマリアージュが高精度で可能になります。

ピカソの作品と合うワイン、シャーロック・ホームズと合うワインなど、考えるだけで楽しいですよね。将来的な可能性の広がる文化とのマリアージュ、ぜひ皆様もお楽しみください。

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マリアージュと身体意識

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