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GALESTRO(ガレストロ)と呼ばれる石灰質を帯びた粘土瓦礫土壌の特性を生かして造られる、力強くエレガントなトスカーナワイン。年間生産本数7000本という少なさですが、専門誌からも評価の高い一本です。
葡萄はリュット・レゾネと呼ばれる減農薬農法で造られ、収穫は手積みで行われます。
キャンティ・クラシコやロッソ・ディ・モンタルチーノを含むサンジョベーゼから作られたトスカーナワインを数種類飲み比べた際でも、土壌を中心としたテロワールから生まれる特有の魅力が一番感じられました。
その際偶然出たタイ料理のカオマンガイと合わせる必要があったのですが、甘く辛く酸味もあるカオマンガイと合わせると、殆どのサンジョベーゼから作られるワインは味が消えてしまう中、このワインだけは辛うじて味わいが残り、料理を包み込むことが出来ていました。そういう点からも力強さがあり、許容力の高いワインと言えます。
ブルーベリーやカシスなどの黒系果実の香り、スミレ、スパイス、カカオやチョコのニュアンス。しっかりとした果実味とミネラル感があり、タンニンも柔らかく余韻へと続きます。ストラクチャーもあり、存在感のある味わいとなっています。
特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸)、側軸、中丹田、肩包面、心田・心田流、熱性流など。
天性のクオリティを持つセンターは、細径軸と中径軸が通り、中径軸の上部は小さなロート状に開いています。このようにセンターがロート状になっているのは、壮大な天井を持つ村の地下セラーで瓶詰めされていることが影響していそうです。
そのロート状のセンターの前部へ少し掛かるように、天性のクオリティが頭部へ降りてきています。さらに、その左右に斜め上方から肩へ向かっても降りてきている身体意識があります。これらも前述した地下セラーの影響でしょうか。
中丹田は三重構造をしており、中程度の大きさのものは縦に長く、前方の斜め上方へと伸びています。その中丹田の上端は喉の高さ辺りまであり、込み上げるような飲み応えを生み出しています。
その中丹田へ入ってくる地下からの熱性流が形成されています。おそらくガレストロ土壌の影響であり、葡萄へ力強さを与えています。
天性のクオリティを持つ肩包面も形成されています。コンパクトですが、強力な中丹田のエネルギーが脳へ影響を及ぼさないようにする役割を担っています。中丹田からこみ上げるような満足感がありつつもバランスの良いワインには、このような肩包面が形成されている傾向があります。
熱性のクオリティを持つ心田・心田流が形成されています。大きな心田でワインへ懐の深さを与えています。料理と合わせやすいのはこの身体意識の機能でもあります。
側軸は第2軸と第3軸の間辺りに短いものが形成されています。土壌のミネラル由来のものであり、ワインへしっかりとしたストラクチャを与えています。
このように、身体意識の観点から調べていくと、土壌を中心としたテロワールからの影響強く現れていることが分かります。特徴的な形状をしている中丹田については、テロワールからの影響はもちろん、造り手の信条である「追求には、熱望が常に燃料となりえます。」という想いが、反映された結果なのだと思います。
この造り手の他のワインとしては、
キャンティ・ベルナルディーノ/Confezione da 12 bottiglie di Bernardino Chianti DOCG
サンジョベーゼ90%、カナイオーロ・コロリーノ・メルロー10% (2018)
もストラクチャがあり、お勧めです。
一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
《ファットリア・ラ・ストリチア
Fattoria La Striscia
日当たり良好のトスカーナの優美な畑に見られる「ガレストロ」と呼ばれる特別な土壌を見事に表現。力強いブドウをストレートに表しています。
歴史
所有しているワイン畑は、D.O.C.G.キャンティに属する14haの高品質な畑から成っています。2000年から”ワイナリー再構築計画”を開始し、確かな品質のワインを生み出すには土台造りが不可欠である、と最先端の技術を駆使していきました。現代的なセラー造りと同時に、ラ・ストリチアの哲学は新しいワインをも造り出してきました。
新しいワインとは、2001年ヴィンテージから始まった、オッキーニIGTというトスカーナの赤ワイン。オッキーニは、”伝統の発酵”と”革新的な大樽熟成”を完璧に融合させています。それに対する賛辞 は、トスカニーの最高の赤ワインの中でも価値を与え、2004年ヴィンテージのベルナルディーノ・キャンティ・D.O.C.Gと、2006年のI.G.T.・メルロー・ラストリチアの生産のきっかけも与えました。
栽培
土壌やブドウの樹に対して最大限の尊敬を持って農業活動を行っています。収穫が終わると、土中に給水能力を再生させ、来秋の栽培に適した土壌にしていきます。春から秋にかけては、土壌の表面を軽く耕し、水分の蒸発を抑えます。発育期にはキャノピー(ブドウの樹の芽や葉)を注意深く管理し、自然とバランスのとれた熟成ブドウを育てています。
醸造
ブドウの生産バランスや発育をベストなコンディションで行えるよう、通気や光の放射を調節します。除去や剪定は行わず、自然とバランスのとれた熟成ブドウが得られるので、ブドウの房の量を減らす必要がありません。農薬は銅のみを用いて行われます。(年間1haにつき2kg未満の使用。) もしくは、不純な石油化学や硫黄に対して鉱山の硫黄を使用することもあります。その後ワインは、15世紀の壁や天井が壮大な、村の地下 セラーで瓶詰めをされます。
信条
ビジネスにおける成功の秘訣は、頑固であること。初期の失望や重労働に対して進んでいけるのは、 粘り強さ、情熱、こだわりだけ。 追求には、熱望が常に燃料となりえます。 最も美しい夢とは、具体的な事柄であること。そして自分自身に隠してしまわないこと。そうすれば、自分自身において、人生において、ひとつの小さな宝物も、未来の素晴らしい夢から欠けることはありません。
オッキーニ トスカーナ IGT
Occhini Toscana IGT / Fattoria la Striscia
2013
トスカーナのガレストロ土壌で育ったサンジョベーゼ100%のオッキーニ。土壌の良さがミネラルとして、なめらかなタンニンとして表れています。 カシスやブルーベリーにカカオやチョコレートなどの甘い香りが調和。しっかりとした骨格に圧倒される、まさに飲みごたえのある1本です。
テイスティングノート
深いルビー色。ハイビスカスやスミレなどの花の香り。凝縮したカシスやブルーベリーの香りでモダンな印象。ガレストロ土壌らしいミネラルに加え、なめらかなタンニンを感じ、余韻が長く残る、気品のある仕上がり。》
※《》内はインポーター資料より
http://olet-japan.com/customer/grower/OCC/
http://olet-japan.com/customer/wine/item0000000215/
生産者の情報
http://olet-japan.com/customer/grower/OCC/
名称 | オッチーニ トスカーナ IGT ファットリア・ラ・ストリチア |
英字表記 |
OCCHINI Toscana IGT Fattoria La Striscia
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生産者 | ファットリア・ラ・ストリチア |
国・産地 |
イタリア・トスカーナ・アレッツォ
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セパージュ【葡萄の品種】 |
サンジョベーゼ100%
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ビンテージ【葡萄の収穫年】 | 2013 |
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 | 赤 |
STポイント※1 | 85 |
クラス※2 | レギュラークラス |
抜栓 | 2019/08 |