イ ムーリ ネグロアマーロ ヴィニエティ・デル・サレント/I MURI Negroamaro Vigneti del Salento 〜おすすめワインリスト〜

イ ムーリ ネグロアマーロ ヴィニエティ・デル・サレント2017

今回おすすめするワインはこちら。

イタリア・プーリア州で造られる、1000円台で購入できるコストパフォーマンスの高い一本。プーリア州の代表品種であるネグロアマーロから作られています。

ネグロアマーロはイタリア・プーリア州原産の黒葡萄です。「黒くて苦い」という意味を持ち、黒系果実の香り、豊かな果実味とタンニンが感じられる品種です。

この造り手は当サイトでも取り上げた、「カサーレヴェッキオ」や「エディツィオーネ チンクエ アウトークトニ」を造るファルネーゼが、プーリア州マンドゥーリア地区にある地元農協と展開する新たなプロジェクトです。

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イ・ムーリはもちろん、他のリリースされているワインも全て品質の安定感があり、購入店による味わいの差が少ないのが特徴です。お店によってワインの保存状況は様々なので、これは特筆すべきポイントです。

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樹齢40年でもまだ赤ん坊と見なされるプーリア州にて、古い樹齢の樹を持つ農家と契約。収穫は手積みで行われています。

カシスやブラックベリーなどの黒系果実の香り。ダークチェリーのような凝縮された果実味があり、タンニンも豊富ですがしなやかさがあり、そこへ僅かに酸と甘みが加わります。凝縮感と温かみのある果実味は余韻まで続きます。果実味からくる飲みごたえがありつつも、バランスの良い味わいとなっています。

特徴的な身体意識は、丹軸、中丹田、第3側軸なと。

センターはあまり感じられませんが、上丹田の辺りには天性のクオリティを持つ丹軸(中径軸)が形成されています。これは、味わいにバランス感を生むと同時に、企業の新規プロジェクト、というようなニュアンスも感じられます。

この中径軸があることで、果実味が強くてもダレにくい造りになっています。

中丹田はコンパクトで強いものがあり、さらにその周りに縦長で上幅が広い形状の中丹田も形成されています。

その中丹田に添うように、縦方向にガイアのクオリティがあります。

側軸(サイド・センター)は第3側軸の位置に通っており、両脇から下へ向かうモビリティがあります。クオリティは熱性と、僅かにしっかりした剛性のものも感じられます。

BA_イ ムーリ ネグロアマーロ ヴィニエティ・デル・サレント
BA_イ ムーリ ネグロアマーロ ヴィニエティ・デル・サレント

これらの身体意識が何由来なのかを考えていると、面白い仮説が浮かびました。

このワインの名称「イ ムーリ」とは畑を区切る石を並べた石壁のことで、その壁の隙間にヤモリが巣を作ることから、ラベルにヤモリがデザインされているのですが、この身体意識でいえば第3側軸が左右の石壁を表しており、その壁の間、つまり隙間にある中丹田とガイアのクオリティは、石壁内のヤモリの巣を表しているのではないか、という仮説です。インポーターサイトに載っている石壁の画像を見て、そう感じました。

ワインの身体意識を飲みながら分析する時は、そのワインの具体的な情報は極力調べず忘れて、飲んで感じたままを素直に描いていくのですが、それをこのように記事にまとめていく際に具体的情報と照らし合わせていくと、時として予想もしない整合性が取れてしまうこともあります。今回のワインもそうですが、そういう時は嬉しいもので、深い感銘を受けます。

ワインにはそのような楽しみ方もあるのだなぁと、しみじみ思いますね。

因みに、このイ・ムーリは高岡師範からも高評価を得ました。

この造り手の他のワインでは、
高樹齢のマルヴァジア・ネーラ100%で作られる
ゾッラ マルヴァジア ネーラ ヴィニエティ デル サレント/Zolla Marvasia Nera Vigneti Del Salento
や、
樹齢70年古樹プリミティーヴォ100%で作られるフラグシップワイン
プリミティーヴォ ディ マンドゥーリア ヴィーニェ ヴェッキエ レジェンダ ヴィニエティ デル サレント/Primitivo Di Manduria Vigne Vecchie Leggenda Vigneti Del Salento
がおすすめです。

プリミティーヴォは葡萄が熟してからすぐには収穫せずさらに3~4週間、葡萄を樹につけておき、アマローネのように乾燥させることでさらにエキスを凝縮させています。ぜひ飲んでみてください。

一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。

このプリミティーヴォとネグロアマーロのインパクトの強さは、半端じゃありません。

「古い樹齢の樹を持つ農家と契約」
畑は大部分が、プーリア南部のマンドゥーリアとサーヴァの町にあり、古くからこの地で葡萄栽培を行う農家が所有しているものです。葡萄を育てたことのない季節労働者ではなく、知識も経験も積んだ人々に任せるのが一番と考え、古い葡萄の樹を持っている栽培農家と長期に渡る契約を結んでいます。

「赤土、痩せた土壌と寒暖差のある気候」  畑の土は赤色をしていますが、これは鉄分を多く含んでいるためです。赤土の他に粘土質の土壌があります。平坦な土地で、周りに湖はなく、山もないため雪解け水が畑にもたらされることもありません。また、下層土は石がたくさん詰まっていいて、土地は痩せています。そのため、葡萄は地中に水分や栄養分を求めて、深く根を張ります。日中は大変暑く、6月から収穫の時期までの約3ヶ月は40度にもなります。しかし、夜は北東のアドリア海から南のイオニア海に向けて冷たい風が畑の中を吹き抜けるため、昼夜の寒暖差がもたらされます。

「遅摘みで、アパッシメントと同じ効果を」  ゾッラのラインは全て少し遅摘みにして乾燥させています。葡萄は、熟した後は果実への水分の供給を止めます。そのため長く樹に実を付けておくと、非常に乾燥した気候により、自然に水分が失われていきます。約2週間という短期間で、アパッシメントと同じ効果が得られるのです。

歴史
2012年設立。プーリアのマンドゥーリア地区にある地元の農協とコラボ。

オーナー
ファルネーゼ ヴィニ
フィリッポ バッカラーロ
デニス ヴェルディッキア
テオ ダッポリート:常駐エノロゴ(2017年退職)

葡萄園
プーリアには樹齢の古い樹が多くあり、樹齢40年でもまだ赤ん坊と見なされる。

栽培
収穫 手摘み。プーリアの典型的な仕立て「アルベレッロ」は、とても背の低い仕立てのため。涼しい夜中から早朝に行う。

畑を区切る石壁を「イ ムーリ」と言います。プーリア州を代表する葡萄品種ネグロアマーロを使用。

収穫量を制限して質を高めた葡萄を収穫し、除梗してやわらかく破砕します。温度を10度に保ちながら、10〜12日間、定期的にポンピングオーバーしながらマセラシオンさせます。発酵は20度にコントロールしながら行います。アルコール発酵後、全体の60%を樽に移し、マロラクティック発酵。4〜5ヶ月樽熟成させ、ブレンドしたあと瓶詰します。樽は2年樽を使用し、ヴィンテージによってフレンチオーク、アメリカンオークを使い分けます。ネグロアマーロはタンニンがしっかりしているため、樽熟成させることにより柔らかくなります。紫がかったルビーレッド。カシスやブラックベリーなど黒い皮の果実の強い香りが広がります。しっかりとしたタンニンがありますが、口当たりはベルベットのようにしなやかでとてもバランスがとれています。豊かなフレイバーは長い余韻まで続きます。イ ムーリとは「石壁」のことで、畑を区切るために石で壁を造る行為を指しています。また、その壁の隙間にヤモリが巣を作ることから、ラベルにヤモリがデザインされています。

※《》内はインポーター資料より
http://www.inaba-wine.co.jp/wine/?id=1443665157-769796&sf=1

http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1443514689-308575&sf=1

生産者の情報
http://www.inaba-wine.co.jp/producer/?id=1443514689-308575&sf=1

名称 イ ムーリ ネグロアマーロ
英字表記
I MURI Negroamaro Vigneti del Salento
生産者 ヴィニエティ・デル・サレント(ファルネーゼ)
国・産地 イタリア・プーリア
セパージュ【葡萄の品種】
ネグロアマーロ100%
ビンテージ【葡萄の収穫年】 2017
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】
STポイント※1 80
クラス※2 レギュラークラス
抜栓 201907

 

※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。
※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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