セルピコ イルピニア ロッソ フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ/Serpico Irpinia Rosso Feudi Di San Gregorio 〜おすすめワインリスト〜

セルピコ2010_1999

今回おすすめするワインはこちら。

イタリアの地葡萄品種である「アリアニコ」から作られる最高峰ワインのひとつ。

アリアニコから作られるワインといえばD.O.C.G. タウラージが有名ですが、この造り手も例外なくタウラージを作っています。
素晴らしいタウラージなのですが、身体意識から観るとあえてこのセルピコ(D.O.C.イルピニア・アリアニコ)をアリアニコから作られるフラグシップワインとしている理由も分かります。
(イタリアの格付であるD.O.C.G.とD.O.Cは、制度上ではD.O.C.Gが上。ただしイタリアらしく、これに当てはまらないワインも多い。)

以前本サイトにてご紹介させて頂いた、格の高さを感じさせるマストロベラルディーノのタウラージは、クラシックな印象でした。

一方このフェウディ・ディ・サン・グレゴリオのワインは、モダンで洗練された印象があります。個人的に長く飲み続けている造り手の1人です。

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今回同じ造り手の同じ銘柄で異なるビンテージを飲む「垂直テイスティング」を行う機会がありましたので、それを生かした内容にしたいと思います。

セルピコ2010
セルピコ2010

2010年のセルピコは、さくらんぼなどの赤系果実の香り、ハーブ、バニラ、スパイス、カカオのニュアンス。味わいはカシスのような黒系果実の凝縮感がありつつも繊細で滑らかなタンニンが感じられ、ミネラル感とのバランスも素晴らしいです。余韻も長く楽しめます。

樹齢約70〜150年のアリアニコを使用することで、丘陵地帯イルピニアのテロワールを最大限に引き出しています。

セルピコ1999
セルピコ1999

1999年のセルピコは、若い時のセルピコの特徴をベースとしながらも、そこに旨味が生まれ、果実味と旨味の両立したバランスの良さを感じます。
通常、ワインの熟成が進むと、フレッシュな果実味が減少し旨味が増える傾向になりますが、この1999セルピコは果実味がはっきりして若々しく、それでいて旨味も高まっています。
加えて、動物の皮の心地よい温かさ、質感をも感じさせます。

2010年のセルピコの特徴的な身体意識は、第2軸に降りてくる中径軸、側軸、中丹田、温球、心田・心田流など。

中径軸は天性のクオリティを持ち、上半身から腰くらいの位置までは強く、そこから下、下半身は薄っすらと通っています。

第3軸には天性のクオリティを持つ細径軸が薄っすらと通っています。

比較的コンパクトな中丹田の周りには、縦長の温球があり、喉の高さまで届いています。
そこへエネルギーを供給する温性の穏やかな心田・心田流もあります。

側軸(サイド・センター)は、黒で表されるようなしっかりとしたクオリティですが、柔らさも兼ね備えています。位置としては第3側軸が形成されています。

その他、中丹田の外側に沿うように、赤と黒で表されるクオリティを持つ下方向へのモビリティがあります。大地が太陽の暖かさを蓄えたかのようなクオリティであり、落ち着きを作る効果があります。

このような側軸や外側に展開する身体意識は、アリアニコの伝統的な仕立てである「テンネッキア」と呼ばれる、桜の木などの生きている木を支えとして、葡萄の樹が幅広く高く枝を伸ばせる仕立てを採用していることが影響していそうです。

一方、1999年のセルピコの特徴的な身体意識は、大径軸、重構造の中丹田、温球、下丹田、アーダー、ウォールなど。

中でも最大の特徴は天性のクオリティを持つ大径軸が形成されていることです。高い標高がもたらす寒暖差の良い影響が、熟成により開花したのでしょうか。

2010年では第2軸に通っていた中径軸が、第3軸に通っています。これも熟成による影響でしょう。

中丹田も重構造となり、その外側には温球の一種が形成されています。この温球は2010年よりも球状に近く、中丹田の外側に充実感をもたらし、体幹部が満たされるようなクオリティを持ちます。

中径軸に接する幅に側軸が通っています。中丹田を区切るような黒のクオリティを持つ側軸で、モビリティではなく重みで落ちる感じがあります。さらにその外側には、アーダーも形成されており、心地よい重みがあります。

コンパクトながらしっかりとした下丹田も形成されています。

大径軸の外側に上方へ抜ける黒のウォールがあります。落ち着きつつも盛り上がる効果を生んでいます。

大腿骨の高さ辺りには、黒の肩包面のような大地との繋がりがあります。深さはかなり深く、強い繋がりを感じます。

その他、第四側軸辺りに、下から上へ向かう温性の側軸、上から下へ向かう重性の側軸があります。

このウォールや大地との繋がり、外側の側軸も前述した通りテンネッキア仕立ての影響でしょう。

火山質土壌畑の伝統的な仕立て方のひとつであるテンネッキアは、イルピニア地域では古くから採用されている仕立て方であり、土壌からの養分を吸収するのに適しているそうです。
このことが深い大地との繋がりを感じさせる身体意識を形成する要因になっています。

テンネッキアで仕立てられる葡萄の樹は2m以上になるものもあるほど高く、樹の根元では他の作物も植えられているそうなので、詳細に調べればガイアのクオリティもありそうですね。

2010年と比較すると、1999年は身体意識のスケールが圧倒的に大きいことが特徴です。

このように、身体意識の観点からもイルピニアのテロワールを最大限に表現したワインであり、若い頃からも美味しく飲めますが、熟成により真価を発揮する素晴らしいワインです。

セルピコ1999_3

セルピコ1999_2

これは余談ですが、アリアニコが好みではない高岡師範が、10年以上前に初めて認めたアリアニコのワインがこのセルピコの1999年でした。その場で自分が推薦したワインを気に入って頂けて安心した思い出があります笑

この造り手のワインはどれも安定して美味しいですが、中でも
ラクリマ・クリスティ・ロッソ/Lacryma Christi Rosso

タウラージ/TAURASI
はおすすめです。

サングレゴリオ_ラクリマロッソ
サングレゴリオ_ラクリマ・クリスティ・ロッソ
サングレゴリオ_タウラージ2008
サングレゴリオ_タウラージ2008

また、
ビオディナミで作られるシャンパーニュのカリスマ生産者ジャック・ セロスと組んで造り上げた瓶内二次発酵スプマンテ
ドゥブル・ファランギーナ/DUBL FALANGHIN
も素晴らしいワインです。
ファランギーナというカンパーニャの土着品種のポテンシャルを、自分の畑のブドウだけを醸造してシャンパーニュを造る「レコルタン・マニュピュラン(RM)」の造り手であるジャック・ セロスとのコラボにより十分に引き出しています。
ジャック・セロスのワイン造り哲学「気圧の低い、穏やかな泡がワインの味を生かす」が比較的安価で味わえるので、コストパフォーマンスも高いです。

サングレゴリオ_ドゥブル_1
サングレゴリオ_ドゥブル_1

別の記事が書けそうなくらい長くなりましたが笑、最後にこのスプマンテのボトル裏側のラベルに書かれている言葉で締めたいと思います。

Dubl. E’ la storia di un incontro.
ドゥブル。それはひとつの出会いの歴史。

Dubl e’ il lavoro di Anselme Selosse con Feudi di San Gregorio.
ドゥブルはフェウディ・ディ・サングレゴリオと共に行ったアンセルム・セロスの仕事。

Dubl e’ il loro nuovo viaggio nel futuro degli spumanti.
ドゥブルはスプマンテの未来への新しい旅。

Dubl, bollicine da nostre uve autoctone.
ドゥブル、それは私たちの土着品種によるスパークリングワイン。

サングレゴリオ_タウラージ2008

一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。
グレゴリオ教皇がイルピニア一帯にブドウ栽培を奨励

古代ローマ帝国時代からワイン造りが盛んだったカンパーニア州の内陸部に広がる丘陵地帯をイルピニアと言い、特にグレゴリオ教皇(A.D.590-604)は旧アッピア街道沿いに広がるサンニオ、イルピニア一帯にブドウ栽培を奨励し、ワイン造りの伝統を築きました。この偉大なグレゴリオ教皇に敬意を表して社名にし、1986年に創業したのが“フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ”(=聖グレゴリオの領地)です。

イルピニア地震を経験し、イルピニアの復興を誓ってエンツォ・エルコリーノ氏が創業

1980年11月に起きたイルピニア地震で、3000人もの死者を出し、30万人もの人が家を失ったこの地震の被害目の当たりにした、イルピニア出身で、数年前にローマに移り住んでいたエンツォ・エルコリーノ氏がイルピニアの人たちの復興を助けたいと、彼の兄弟のマリオとルチアーノ、妻のミレッラ・カパルド、妻の兄弟のマリオとワイン造りをスタートさせました。当時、地震の直後で、ローマやEUから復興のための基金があり、当時30代のエンツォさんに貸し出され、その資金を背景に彼らは、土壌と土着品種に徹底的にこだわり、ミラノ大学やナポリ農業大学と共同で農学研究を行い、最新のテクノロジーを駆使したワイン造りを開始しました。フェウディ以前にイルピニアの重要なワイナリーと言えば、マストロベラルディーノですが、マストロベラルディーノが伝統的なタウラージで知られていたところ、フェウディは現代的でモダンなワインをイルピニアから造ることを理想としてスタートしたわけです。

標高400〜700m、多様な土壌や地形に恵まれた理想的栽培地

フェウディ・ディ・サングレゴリオの高品質のワインの秘密は畑。3つのDOCGエリアで、標高400〜700mの最高の条件の場所に畑を所有。寒暖差の大きい気候条件のおかげで素晴らしい酸をブドウにもたらし、水の流れによってできた、豊かなミネラルを含む火山質の多様な土壌や、山や丘、平地などバラエティに富んだ地形がワインに複雑さを加えています。また、ブドウ畑には果物や森林、オリーブやハーブなど様々な植物も共存していることも特徴的です。

個々のブドウが持つアロマを最大限に引き出した、果実味あふれる赤ワインやすばらしい芳香を持つ白ワインの数々、同社の業績は、従来のカンパーニアワインのイメージを刷新するだけでなく、イタリアワインの新潮流ともなっています。

エンツォの甥アントニオ・カパルド氏による新体制で南イタリアに拡大

フェウディ・ディサングレゴリオは快進撃を続け、国内外に大きな流通を持つに至りましたが、投資がかさみ2006年に創業のエンツォとその妻がワイナリーを去り、2010年までには、ミレッラの兄弟のペレグリノ・カパルド氏が93パーセントの株式を取得し、その息子のアントニオに経営を託すことになりました。2009年にフェウディディサングレゴリオの社長となった若干37歳のアントニオ・カパルドがマグナグレシアプロジェクトを推進。グナグレシアプロジェクトとは、イルピニアのフェウディ・ディ・サン・グレゴリオの品質を南イタリアにワイナリーを所有しその地で実現しようとするもので、バジリカータではバジリスコをとプーリアではマンドゥーリアにワイナリー オンニソーレを設立。カステルデルモンテエリアにチェファリッキオを購入し現在の所有畑はトータル300ヘクタール。それらは、自家所有畑で、地元の人を採用しフェウディ・ディ・サン・グレゴリオの世界観を広げようと、高品質のワイン造りに新たな挑戦を始めています。

セルピコ
樹齢約70〜150年のアリアニコ
イルピニアの偉大なテロワールを最大に表現した偉大なワイン

カンパーニャを代表する実力派フェウディ ディ サン グレゴリオが造るアリアニコの最高峰。タウラージ地区にあるフェウディが所有する畑の中の、この地方伝統の仕立て法「テンネッキア」で栽培される樹齢約70~150年のアリアニコから造る、まさにアリアニコの長老的存在のワインです。

深く濃いルビー色の外観、複雑で濃密で魅惑的な香りには様々な赤い果実やスパイス、コーヒーなどのニュアンスが感じられます。凝縮感あふれる味わいのなかにある繊細なタンニン。そしてイルピニアならではの豊かなミネラル。ひとつひとつの味わいの要素が調和した素晴らしい飲み心地。カンパーニャのワイン造りの歴史を象徴する偉大なアリアニコです。

ガーネットを帯びたルビー色、イキイキとした香りは野原の花々やサクランボ、コリアンダー、低木、カカオのニュアンスを感じるブーケ。心地よい飲み心地でアルコールと酸と凝縮したタンニンのバランスがよく取れている。とても洗練されたボディで余韻が長く続く。

年間350万本を生産する大手ワイナリー。

カンパーニア州 アヴェッリーノ県 ソルボ・セルピコ
300ヘクタールの自社畑を所有し、その他地元農家と長期契約に基づいた畑も300ヘクタール所有(カンパーニア、プーリア、バジリカータ)。
USA、ドイツ、日本、スカンジナビアなど50カ国以上の国に輸出しています。

350から400mの海抜の畑、10月中旬から下旬に手摘みで収穫を行います。ステンレスタンクにて24℃で10日間発酵。マロラクティック発酵は木樽で行います。フレンチオーク樽で18ヵ月の熟成、ボトル熟成は最低8ヵ月行います。

セルピコ2011
チェリー、甘いスパイス、リコリス、コーヒー、ココアなど複雑な香りが広がります。ビロードのように滑らかな味わい、バランスのとれたミネラル感。ワイルドベリーやトーストのニュアンスも感じられます。

※《》内はインポーター資料より
https://pro.tuscany.co.jp/products/detail27804.html

http://www.jetlc.co.jp/brand/winery_info/wine_data?s_no=1137&WineryM_SEQ=171

生産者の情報
https://pro.tuscany.co.jp/products/detail27804.html

 

 

名称 セルピコ イルピニア ロッソ フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ
英字表記 Serpico Irpinia Rosso Feudi Di San Gregorio
生産者 フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ
国・産地 イタリア・カンパーニア
セパージュ【葡萄の品種】 アリアニコ100%
ビンテージ【葡萄の収穫年】 2010/1999
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】
STポイント※1 88(2010)/92(1999)
クラス※2 スペシャルクラス
抜栓 201809

 

※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。

 

※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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