大信州 掟破り/DAISHINSYU OKITEYABURI 〜おすすめワインリスト番外編2〜

大信州 掟破り

今回番外編2としておすすめするのはこちら。

ワインに匹敵するマリアージュを生む日本酒の一本。

日本酒には、
福井県「黒龍

石川県「常きげん

石川県「菊姫

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山形県「十四代」

兵庫県「龍力

新潟県「真野鶴

秋田県「天巧

秋田県「まんさくの花

など、素晴らしいものがいくつかありますが、残念ながら「マリアージュ」という観点から味わうと、料理と合わせて味わいを高め合うところまでいっていないものが殆どです。

厳しい言い方をすれば、日本酒が料理と合う、ということが示す内容は殆どの場合、料理の味わいの特徴を消し、低レベルで食べやすくしてしまっている、ということであり、それは「マリアージュ」とは呼べません。

また上記で挙げた美味しいものほど、味わいにも身体意識にも隙間がなく、その日本酒だけで完結してしまっており、食べ物を合わせたいという欲求の生まれないものが多いのです。

例えば、秋田県「まんさくの花」の「荒ばしり」という銘柄は、ワインのグラビティ・フローの様に、もろみの重みで自然と搾られる製法を用いて造られる素晴らしく美味しい日本酒なのですが、味わいに全く隙間がありません。食べ物と合わせることは必要なく、日本酒だけで満足してしまう造りです。身体意識的にも、内側へ内側へと続く満足感があり、飲み続けていると自分が内側に閉じこもっているかのような意識になってきます。外側へ開いた意識を持ち、料理と合わせる隙間のあるワインとは対照的です。

そのような日本酒界の状況の中で、ようやく真の意味で料理と合わせることができるものが現れました。それがこの大信州という酒造が造る日本酒です。

特に今回ご紹介させて頂く「掟破り」は、様々な料理とのマリアージュが可能です。

大信州では畑を厳選し、米を購入。自社で精米。購入先の契約農家は切磋琢磨していおり、大信州へ米を提供していることが誇りになっているため、どの農家もそこから外されないようにハイレベルな作りを追求しています。

大信州はシングルカスク主義なのですが、「掟破り」ではその決め事を破ってブレンドでの美味しさを追求。

香り、味わいともに華やかさがあります。口に含むとその華やかさが柔らかく広がり、その後下方へ向かって染み入るように余韻が続きます。旨味があり、甘くなり過ぎずキレもあります。

大信州 掟破り_1
大信州 掟破り_1

特徴的な身体意識は、頭部へ入ってくる天性のクオリティ、中丹田、リバース、下方へのモビリティなど。

頭部へは涼しい天性のクオリティが降り注いでいます。

殆どの日本酒、特に近代の磨き上げた吟醸酒は飲むと中丹田が閉じて頭に熱が入ってしまい、上丹田が無くなります。日本酒を飲むと訳が分からなくなる人がいますが、それはこのような身体意識の影響です。

江戸時代に飲まれていた濁酒はその状態よりはマシですが、それでも上丹田は無くなっていたようです。これは現代人と比べ、優れた身体意識を持つ人々がリフレッシュのために敢えて上丹田を一時的に破壊していたのではないかと推測されます。

大信州の場合、通常の日本酒のような悪い酔い方はしません。それは、この天性のクオリティを持つ身体意識の影響が大きいようです。

中丹田は二重構造であり、華やかなクオリティを持っています。そこから斜め上方を主として、放射状にアウトリバースが出ており、華やかな香りや味わいを作り出しています。中丹田が開いているため、頭へ熱が入りにくい構造になっています。また、この外側へ開いて隙間のある構造は、料理との素晴らしいマリアージュを可能にしています。

中丹田から下方へ向かって、落ち着いたクオリティ伴うモビリティ、爽やかなクオリティを伴うモビリティ、温かいクオリティを伴うモビリティを持つ身体意識が形成されています。頭へ熱性のクオリティが入るのを防ぐ働きがあり、味わいの心地よく続く余韻も作り出しています。また、三種のクオリティを持つことにより、合わせられる料理の幅も広がる効果があります。

BA_大信州 掟破り
BA_大信州 掟破り

身体意識的観点からもバランスが良く、おすすめの一本です。ぜひ料理と合わせてみてほしい日本酒です。

以下、大信州をご紹介頂いた高岡師範のコメントです。
「大信州の場合、昔の日本酒のように変な酔い方はしない。料理ともワインのようにマリアージュする。黒龍も美味しいが、大信州を知ってから殆ど飲まなくなってしまった。そのくらい大信州はよいね。」

ここらは余談ですが、高岡師範から伺ったお話で、日本酒は精米せずに玄米100%で作るとかなり美味しいそうです。現代は精米して磨く方向へ行ってしまいましたが、もしこれが玄米のままの醸造を追求していれば、ワインで言えば赤ワインを超えるような素晴らしいお酒と文化になっていたのかもしれません。精米したお酒と玄米酒の関係は、ワインで言えば白ワインと赤ワインの関係に少し似ていますね。

また、玄米酒は山廃で作るとかなり複雑になりそうですね。

この辺りの話についても後日具体例と共にまとめてみますね。

最後に、玄米に近い精米歩合90%という造りで素晴らしい味わいだった日本酒をご紹介したいと思います。

ドメイヌ・ソガ ル サケ サンシミ_2013_1
ドメイヌ・ソガ ル サケ サンシミ_2013_1

ドメイヌ・ソガ ル サケ サンシミ 大正生酛 生酒
Domaine Sogga Le Sake Sans Chimie
小布施ワイナリー
日本・長野
自社畑長野県産美山錦米100%(精米歩合90%)
2013

小布施ワイナリースタッフ全員が雪と厳寒でワイン畑仕事ができない数週間だけワイン造りから離れ、リフレッシュ&趣味で極少量作り上げる日本酒の一本。無化学農薬。

ワイン同様に収穫量を制限することにより品質を向上させ、高精白しなくとも良いお酒が生まれる、という信念のもと醸造された逸品です。コルクが使用されており、グラッパボトルに入っています。玄米酒の可能性を感じさせる素晴らしい味わいでした。

ドメイヌ・ソガ ル サケ サンシミ_2013_2
ドメイヌ・ソガ ル サケ サンシミ_2013_2

一般的な味わいなどの詳細は、生産者WEBサイトより抜粋します。

大信州の気候風土
大信州は北アルプス連峰を初めとする山々に囲まれたところにあります。四方に山々がそびえ立つおかげで信州の気候は、湿度が低く、昼夜の寒暖差が大きい、稲作を初め農業に最適な地域です。また、この気候は、農業の延長線上にある酒造りでも同じことが言えます。

大信州の酒米
長野県で生まれた酒造好適米「ひとごこち」と「金紋錦」が主な原料米です。これらの酒米を契約農家と一緒になって極上の酒米に育てます。力のある土と北アルプス連峰の雪解け水、信州の自然が極上の酒米を育てます。自然の力いっぱい、「大信州」になるための特別な酒米です。

大信州の仕込水
北アルプス連峰の天然水が仕込水です。雄大な北アルプスの山々に降り積もった雪がやがて解け、長い年月地中を巡って再び地上に現れた自然水です。この水の柔らかい口当たり、きめ細やかな舌触りが大信州の隠し味です。

大信州の手造り
酒は人が醸します。自然と対話し、人と対話し、そして酒と対話し、心地良い発酵の調べを和えます。全ての工程が最上級の大吟造り。手間暇かけた人の手による丁寧な酒造りが我々の身上です。この手間暇と丁寧さが格別の切れ味を創りだします。

大信州の造りの基本
酒造りの基本は原料と原料処理だと私たちは考えます。「一に蒸し、二に蒸し、三に蒸し」、これが大信州の造りの基本です。自家精米することで、精米の精度まで自分たちの目を行き届かせ、その米を丁寧に手洗いして上手に蒸し上げる、良い蒸米からは良い麹が生れ良い醪が出来ます。結果、美味しいお酒が搾り上がります。一見当たり前のことですが行い難し。美味しい酒を造る条件です。

大信州は無濾過で冷蔵瓶貯蔵
大信州の酒には山吹がかった「色」があります。これが酒本来の姿です。大信州ではほとんどの商品が無濾過です。濾過して色や雑味などの欠点を除去することはできますが、同時に芳醇な香りやお米の旨みも失い、そして何より一番大切な個性や輝き、手造りの感動をも引き算されると私たちは考えています。だから、私たちは酒が持って生まれた無垢な姿を出来る限り手を加えずにそのまま瓶に詰めることに努めます。無濾過で瓶詰めするための、欠点のない酒造りは手間暇と丁寧な姿が要求されますが、その苦労は「大信州らしさ」となって現れます。また、無濾過の特徴を最大限発揮するために、通常タンクで貯蔵するところを瓶詰め状態で冷蔵貯蔵しています。

大信州はシングルカスク主義
大信州では仕込み1本1本の個性を味わっていただきたいので可能な限り「シングルカスク」で瓶詰めします。同じ酒種、銘柄でも味わいの違いを体験していただけます。

大信州の味わいは「洗練・軽快・デリシャスリンゴ」
手間を惜しまない丁寧な手造りから生まれる「洗練」された味わい。精度の高い熟練した技から生まれる、旨みがあって「軽快」な味わい。「デリシャスリンゴ」のような華やかで芳醇な果実味。飲み飽きしない上品な口当たり、ふくよかな米の旨み、口中で開く吟醸香、そして切れ味。「軽くて幅がある」この一言で表現されます。

大信州 掟破り
味わいの異なる2本の純米大吟醸の生を大信州の導き出す最良のブレンド比率で混和し生詰め。大信州酒造では、”シングルカスク” 基本ウイスキー用語で要は幾つかのタンクから味を調えるブレンドはしないのですが、敢えて、美味しさを追求するためにブレンドをし、数量限定で発売されました。上品で華やかな香り、気品のあるまろやかな味わいをお楽しみ下さい。

※《》内は生産者WEBサイトより
http://www.daishinsyu.com/kamosu

生産者の情報
http://www.daishinsyu.com/kamosu

 

名称 大信州 掟破り
英字表記 DAISHINSYU OKITEYABURI
生産者 大信州酒造
国・産地 日本・長野県
セパージュ【品種】 長野県産契約栽培米 金紋錦100%(精米歩合49%)
ビンテージ【収穫年】 NV
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】 純米大吟醸
STポイント※1 84
クラス※2 レギュラークラス
抜栓 2019/08

 

※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。
※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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