サヴニエール レ ヴュー クロ/Savennieres Les Vieux Clos(Nicolas Joly) 〜おすすめワインリスト〜

サヴニエール レ ヴュー クロ 2015

今回おすすめするワインはこちら。

世界最高峰のシュナン・ブランの造り手が手掛けるワイン。

この造り手のフラグシップワインである、クロ ド ラ クーレ ド セランはフランス5大白ワインのひとつ。
(他の4つは、ブルゴーニュの「モンラッシェ」、ボルドーの「シャトー・ディケム」、ローヌ北部の「シャトー・グリエ」、ジュラの「シャトー・シャロン」)

造り手であるニコラ・ジョリーはビオディナミ農法(生力学農法)の第一人者。今でこそ有名なビオディナミですが、無名だった1980年からニコラ・ジョリーがすでに部分的に導入しています。個人的にも非常に気に入っている造り手のひとりです。

ビオディナミとは人智学者ルドルフ・シュタイナーによって提唱された循環型の自然農法です。「理想的な農場はそれ自身で完成した個体である」という思想に基づき、化学的に合成された肥料・農薬・除草剤を一切使わない栽培に加え、月の満ち欠けなどの天体の運行に合わせ、ハーブなどの自然素材を使ったプレパラシオン(調剤)を用いて、自然の潜在能力を引き出す農法です。大きいカテゴリーではビオワインに含まれますが、ビオロジック(有機農法)やリュットレゾネ(最小限の農薬しか使用しない農法)とは異なる農法です。

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ニコラ・ジョリーはフランス最高学府である国立高等商業学院を卒業、コロンビア大学院で経営学修士号(MBA)を取得。その後ウォ-ルストリ-トの名門モルガン銀行にて化学薬品工業投資部門の責任者を務めたという異色の経歴を持ちます。

ニコラ・ジョリーのワインに対する哲学はシンプルで、
「化学的なものを使いバランスを崩してしまった自然のバランスを取り戻すこと。」
「その場所で育った植物や動物の力を借りて、バランスを高めてあげること。」
であり、その哲学が十分に生かされています。

ニコラ・ジョリーのワイン全般に言えることですが、香りにも味わいにも自然からのエネルギーの強さとでも言うべきものが感じられます。

さてこのワイン、サヴニエール レ ヴュー クロですが、開きにくいと言われているこの造り手のワインの中では最も開きやすいワインです。

香りや味わいに穏やかな柑橘系果実の若々しさ、アーモンドやナッツ系のニュアンス。特徴はバランスの良さ。個性がありつつも飲みやすいワインです。豊かで硬質なミネラル感、気品のある酸、フレッシュな果実味が心地よく染み入ってきます。この身体に対する親和性こそが、ビオディナミのワインが目指すべき最大の特徴なのでしょう。

このワインを完全に開かせるには、24時間前の抜栓、数回のデキャンティング、3〜4日間置く、などの通常のワインからするとあり得ない方法が推奨されていますが、その通りのポテンシャルがあると思います。

上記の方法を試すことはもちろん、本サイトで紹介している「極意注ぎ」や極意注ぎで行う「縦や横のデキャンティング」、「トルネード乾杯」、「和いん美人」などを試していただくと、真のニコラ・ジョリーの意図する味わいを引き出せるでしょう。

特徴的な身体意識は、センター(細径軸・中径軸)、中丹田、下丹田、ウォールなど。

センターは天性のクオリティを持つ細径軸が通っており、それをコーティングするかのように黒で表される中径軸も通っています。この中径軸は豊かなミネラル由来の身体意識です。

中丹田も強く形成されており、左右に向かって熱性のエネルギーが流れています。

身体の左右に、天性のクオリティで上方へ向かうモビリティを持つウォールも形成されています。

下丹田は強くはないですが形成されており、落ち着きを感じさせます。

身体意識で観ても、細径軸周りの黒い中径軸を代表として、まだまだ開く余地が残っており、それをいかに開かせるかが、このワインを楽しめるかどうかの鍵となっています。
ゆったりと時間を掛けて接したいワインですね。

BA_サヴニエール レ ヴュー クロ
BA_サヴニエール レ ヴュー クロ

この造り手のワインは全ておすすめですが、
中でも
クロ ド ラ クーレ ド セラン
は必ず一度は飲んだ方が良いワインです。
1990年代〜2000年代前半までのクーレドセランは、氷の刃を重ねたような鋭さがあり、それを開かせたものは初めて飲んだ時から心を掴まれる美味しさがありました。2000年代後半からはその頃と比べると若くても柔らかさが増しており、別の傾向ですが、美味しいことには変わりありません。

素晴らしいワインですので是非お試しください。

クロ ド ラ クーレ ド セラン 1996
クロ ド ラ クーレ ド セラン 1996
サヴニエール ベシュレル1998(ニコラ・ジョリー)
サヴニエール ベシュレル1998(ニコラ・ジョリー)

一般的な味わいなどの詳細は、インポーター資料より抜粋します。

ドメーヌの歴史
クレセランはシトー派修道僧により12世紀に植えられた由緒ある畑で、以来800年以上もの間ブドウ栽培が行われています。1962年からジョリー家が所有し、1976年に現当主であるニコラジョリー氏が運営に参加。ジョリー氏は「美味しいワインである前に、その土地固有の繊細さを表現した本物のわいんでなくてはならない」と、1980年から部分的にビオディナミを導入し、1984年からすべての畑でビオディナミを行っています。

2001年、ジョリー氏はビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立、12カ国、約150生産者がこの団体に所属しています。また、彼はこの団体を通し、世界中で講演し、原点へ回帰を提唱しています。

栽培
クレセラン、クロベルジュリ、ヴュークロに畑を所有。1984年からすべての畑でビオディナミが行われています。ドメーヌでは牛や羊などを飼い、イラクサを始め多くのハーブを育てています。ハーブなどからビオディナミに必要なプレパラシオン(調合剤)を造り、家畜たちが畑の草を食べ、馬で耕作するなど、自然と動物と共にブドウ栽培を行っています。

ニコラジョリー氏がビオディナミを説明した著書『Le Vin,La Vigne et La Biodynamie』の日本語版をこちらでお読み頂けます。

https://www.fwines.co.jp/producingarea/pdf/biodynamie.pdf

醸造
自然酵母にて発酵、発酵時の温度はコントロールしません。また、デブルバージュ、コラージュは行わず、主に古樽で数ヶ月間熟成後、瓶詰め前にフィルター処理を極軽く行います。

Clos de la Coulee de Serrant
クロクレセラン
AOC : サヴニエールクレセラン
品種: シュナンブラン

面積は7ha、この造り手が単独所有する畑です。南向きの急斜面で、平均樹齢は40年以上、一番古い樹で80年になります。馬を使うかもしくは人の手によって耕しています。

凝縮感があり、酸味のバランスが良く、ハチミツやアプリコット、火打石などの風味が感じられます。但し、ニコラジョリー氏は自然のままを表現することを心がけているため、ヴィンテージにより個性が異なります。また、ヴィンテージによってボトリティスを含むものと、含まないものがございます。

Savennieres Les Vieux Clos
サヴニエールヴュークロ
AOC : サヴニエール
品種: シュナンブラン

クレセランに比べ、やや傾斜が緩やかな東向きの区画で表土が深い区画で、平均樹齢は約20年。クレセランよりも早くから楽しむことができ、エレガントな酸が心地よく、アーモンドやナッツ、フレッシュフルーツなどのニュアンスがあります。こちらもクレセラン同様、ヴィンテージ毎の個性が表現されています。

*いずれのワインもよりおいしく味わって頂くために、飲む前に数回でデキャンティングして頂くか、24時間前に抜栓して頂くことをお勧めします。適温は1415℃。栓を抜いた後34日すると、より一層開いて味わいが増していきます。

♦ Column
当主のニコラジョリーはとにかくパワフルで好奇心が旺盛な人だ。取材やセミナーは時間内で収まることが少ない。彼の好奇心がドンドン膨らみ、相手に伝えたいことが次々と湧き出て、話題があちらこちらへ飛んでいく。

彼のビオディナミのセミナーは一見難しく思える。現代に生きる私たちにとって、自然の法則を身体で実感する機会が減ってしまったことと、彼が少しでもビオディナミを知って欲しいと、幅広い多くの情報を伝えようとするからだろう。しかし11で話を聞くと、実はシンプルだ。化学的なものを使いバランスを崩してしまった自然のバランスを取り戻すこと。そしてその場所で育った植物や動物の力を借りて、バランスを高めてあげること。

決して現実離れした話ではなく、非常に論理的だ。前職は金融マン。様々なファクターを収集、分析し、実行していく。ワイン造りでもそれは行われている。そして、そこに自然への愛情がプラスされているのだ。

彼のワインもまた、「難解ワイン」と言われることがある。私も最初はそう思っていた。しかし、難しいという周囲の評価やワインとはこういうものという定義に縛られていただけだった。確かに、早めに抜栓したり、デキャンタしたりしないと開いてくれない。でも一度姿を見せてくれると、パワフルだと思っていたワインが様々な料理と優しくマリアージュしてくれる。なんと包容力と穏やかさを持つワインなのか!

彼と会う時、彼のワインを飲む時は、あせってはいけない。じっくりと向かい合うため、長い時間を用意しておこう。きっと心を開いてすべてを見せてくれるはずだ。そして、その包容力に、いつの間にか心地よい気分にさせてもらっているだろう。

来日すると人気が高いため過密スケジュールとなるが、それでも移動や休憩の間も話し続け、「これで60代後半とは」と圧倒されてしまう。

※《》内はインポーター資料より
https://www.fwines.co.jp/lineup/winery/fr_loire01/

生産者の情報
https://coulee-de-serrant.com/

https://www.fwines.co.jp/lineup/winery/fr_loire01/

名称 サヴニエール レ ヴュー クロ
英字表記 Savennieres Les Vieux Clos(Nicolas Joly)
生産者 ニコラ・ジョリー
国・産地 フランス・ロワール・サヴニエール
セパージュ【葡萄の品種】 シュナンブラン100%
ビンテージ【葡萄の収穫年】 2015
タイプ【泡/白/ロゼ/赤など】
STポイント※1 86
クラス※2 ハイクラス
抜栓 201902
※1
本サイト責任者による評価。身体意識のレベルを中心に、香り・味わい・ポテンシャル・コストなどから算出。最大100ポイント。
※2
価格帯により分類
レギュラークラス3000円未満
ハイクラス6000円未満
スペシャルクラス1万円未満
プレミアムクラス1万円以上
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